平成14年10月23日

 口から入った食べ物は、消化され体内に吸収されて、初めて栄養分として役立ちます。大切なのは、よく噛んで食べること。噛むことで、消化酵素を含んだ唾液の分泌が増え、消化・吸収がよくなるのです。言い換えれば、よく噛むほど食べ物が持っている栄養分を取り出すことができるわけです。
 「もんじゅ」のような高速増殖炉も、これとちょっと似ています。いわば、資源を”よく噛んで消化し”、そのエネルギーを徹底的に取り出そうというのが高速増殖炉です。
 高速増殖炉ではプルトニウムと“燃えない”ウランの両方を燃料として使います。プルトニウムで電気を作りながら、同時に”燃えない”ウランをプルトニウムに変えて、ウランの持つエネルギーを徹底的に取り出していくのです。この高速増殖炉によって、今より60倍も効率よくウラン資源を利用することができるようになります。
 現在、ウランの供給は安定していますが、世界の資源量には限りがありますから、ウランの全量を輸入している日本では将来への備えが大切です。こうしたことから私たち「サイクル機構」では、今後も高速増殖炉の研究開発を続けていく必要があると考えています。




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