今の原子力発電(軽水炉)では、ウランを燃料に使っていますが、実はウラン資源の利用効率は1%ほどにすぎません。ウランから得ることができるエネルギーの、ほんの少しだけを使っているわけです。それでもウランの核分裂によるエネルギーは、石油などの燃焼によるエネルギーに比べ、けた違いに大きいため、原子力発電は少ない燃料で多くの電気を生み出すことができます。 一方、使い終わった燃料の中には、まだ利用できる大量のエネルギーが眠っています。この使用済みの燃料の中に残っているウランとプルトニウムを回収して、軽水炉で利用(プルサーマル)すれば、ウラン資源の利用効率は約3%に向上します。さらに高速増殖炉でプルトニウムを利用すれば、約60%にまで高めることが可能です。今の使い方でウラン資源を利用できる年数は64年ほどといわれますが、高速増殖炉によって、利用可能な年数を数千年に延ばすことができるのです。 |
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現代文明は石油に支えられていますが、この石油も枯渇が心配されています。もし石油が使えなくなったら・・・、そんな将来に備え、私たち「サイクル機構」はエネルギー資源の安定確保をめざして、高速増殖炉の開発に取り組んでいます。 |