ご存知のように、自動車の燃料にはガソリンや軽油などの石油が使われています。車の種類や運転の仕方などで差は出ますが、だいたい1リットルの石油で10キロメートルほど自動車を走らせることができます。 一方、「もんじゅ」などの高速増殖炉で燃料に使うプルトニウムは、わずか1グラムで石油なら約2000リットル分、石炭なら約3トン分に相当するエネルギーをもっています。先ほどの自動車でいえば、1グラムで約2万キロメートル分にもなるわけです。 エネルギー資源に乏しく、そのほとんどを海外からの輸入に頼っている日本にとって、プルトニウムの利用は大きな意味をもっています。プルトニウムは、現在の原子力発電所(軽水炉)の中でウラン燃料の一部が変化して生まれる物質です。ですから、プルトニウムは日本の技術によってつくられた、日本生まれの準国産エネルギーといえるものなのです。 |
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高速増殖炉では、プルトニウムで発電しながら、発電に使った以上のプルトニウムがつくられます。電気とエネルギー資源を同時につくり出すことができるわけです。日本がプルトニウムの利用や高速増殖炉の開発を進めているのは、こうした利点があるためです。 |