私たち「サイクル機構」では今、「もんじゅ」の運転再開に向けて国の安全審査を受けているところです。今回は改めて「もんじゅ」に使われているナトリウムについて、簡単にご紹介いたします。 ナトリウムは1Kgの海水に約1Og含まれるなど、塩のかたちで地球上に広く存在しています。身近な調味料の食塩も、塩素とナトリウムの化合物(塩化ナトリウム)です。 「もんじゅ」などの高速増殖炉では、このナトリウムを熱の運び役として使います。液体のナトリウムは水よりも温まりやすく、熱を速く伝える性質があるからです。まず、一次系のナトリウムで熱を原子炉の外へ運び出し、さらに、その熱を二次系のナトリウムに伝え、格納容器の外にある蒸気発生器まで運びます。駅伝のタスキのように受け渡しをしながら、発電に使う熱を運んでいくわけです。 |
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高速増殖炉は、発電に使った以上の燃料をつくり出せる原子炉ですが、ナトリウムは燃料の″増殖″を効率よく進めるうえでも適した性質を備えています。しかし、高温のナトリウムは水や酸素に触れると激しく反応する欠点があり、現在計画している改造工事では、徹底したナトリウム漏えい対策を講じることにしています。 |