平成13年11月28日

 ウランが発見されたのは、200年以上前の1789年のこと。しかし、あまり使い道がなく、100年以上の間、ガラスや陶器の着色に使われる程度でした。ところが、このウランには核分裂によって大きなエネルギーを出すという優れた能力があったのです。
 ウランは今、原子力発電の燃料となっていますが、石油や天然ガスなどの化石燃料と比べ、発電用にふさわしいエネルギー資源ということができます。石油は合成繊維や合成ゴム、プラスチックなどの原料にもなりますし、自動車や船、飛行機などの燃料としても貴重なものです。天然ガスは、料理の煮炊きやお風呂をわかすのにも使われます。発電以外にも用途が多いわけです。ウランには、こうした他の使い道がなく発電向きのエネルギー資源ということができ、その利用は化石燃料の節約につながります。しかも、ウランの核分裂を利用する原子力発電は、発電の過程で二酸化炭素を出しません。地球温暖化の防止にも役立つわけです。
 私たち「サイクル機構」では、このウランをより有効に利用して長い将来にわたって役立てていくために、高速増殖炉の開発に取り組んでいます。




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