情報サイクリングNO.70
平成13年8月22日

 家庭で使う電気の量は、エアコンがいっせいに使われる夏場にもっとも多くなるなど、季節によって差がありますが、年間の合計は平均して3600kW時ほどになります。仮に、この電気をすべて石油でつくるとすると、900リットル近い量が必要です。
 一方、「もんじゅ」のような高速増殖炉で燃料に使うプルトニウムは、1gで石油約2000リットルに匹敵するエネルギーをもっています。ですから、わずか1gで、家庭で使う約2年3ヵ月分もの電気をつくることができる計算になるわけです。
 このように、プルトニウムは大きな資源的価値をもっています。しかも、プルトニウムをプルサーマルや高速増殖炉で利用すれば、ウラン資源の利用効率が大きく高まります。ウラン資源を利用できる年数は今のままでは約70年といわれますが、高速増殖炉でのプルトニウム利用によって、これを数千年にまで伸ばすことができるのです。
 プルトニウムの有効な利用は、資源小国である日本の将来にわたるエネルギー安定確保に大きく役立ちます。こうしたことから、私たち「サイクル機構」では長年にわたり、高速増殖炉の研究開発に取り組んでいます。




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