情報サイクリングNO.62
平成13年月25日

Q.人体に有害なプルトニウムを使う高速増殖炉は、やめるべきではありませんか?
A.プルトニウムは長い期間アルファ線という放射線を出すため、粉末が体内に入ると量によっては人体に障害を与える可能性があります。しかし、体外にある場合は、アルファ線は紙一枚で止めることができ、燃料の製造などでは粉末に触れずに安全に作業ができるシステムを開発しています。また、発電所の中ではプルトニウムは焼き固められ金属の管に密封された状態で使われますので、作業員や一般の方がプルトニウムに触れたり、粉末を吸い込んだりすることは考えられません。
Q.JCOのような臨界事故は、原子力発電所では起きないのですか?
A.臨界とはウランなどが核分裂の連鎖反応を起こす状態のことで、原子力発電所では原子炉の中でこの臨界状態をつくり、その時に発生する熱を発電に利用しています。このため、核分裂をコントロールする仕組みを備えるなど初めから臨界を前提に設計されていますので、軽水炉や高速増殖炉などの原子力発電所で臨界事故が起こるとは考えにくいのです。また、万一の事故の場合でも環境に影響を与えないよう、発電所には何重もの壁で放射能を閉じ込める仕組みが講じられています。




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