情報サイクリングNO.47

平成12年9月13日

 原子力発電では、約30トンのウラン燃料(濃縮ウラン)で100万kW級の発電所を一年間運転することができます。一方、火力発電では、石炭で約220万トン、石油で約140万トンもの燃料が必要です。ウラン燃料には大きなパワーがあり、少ない量で多くの電気をつくることができるわけです。
 こうして一年間運転すると、約30トンの使用済燃料が出てくることになりますが、そのほとんどは再処理によって再利用することができます。一方、再処理した後には、ガラス固化体で約30本の高レベル放射性廃棄物が発生します。
 
   
 この廃棄物の発生量は少ないものの、放射能が強く、発熱するという特徴があります。このため、30〜50年の間、地上の専用施設で貯蔵管理して冷却した後、地下数百〜千メートルの深い地層(岩盤)中に処分することとしています。今年の5月31日には、国会で最終処分に必要な枠組みを定めた法案が成立し、今年中には処分を行う実施主体が設立される予定です。
 私たち「サイクル機構」では、関係機関とともに地層処分に係る研究開発を行ってきましたが、今後も岩盤や地下水の性質を把握するための研究などに取り組んでいく計画です。
     




戻る