前回ご紹介したように、国の原子力政策の基本となる長期計画を策定する会議の第三分科会において、高速増殖炉とこれに関連する核燃料サイクル技術(FBRサイクル技術)は、資源の有効利用や地球温暖化防止などの観点から、国のエネルギー戦略における将来の有力な選択肢として位置づけられました。 |
|
FBRサイクル技術は、高速増殖炉の炉型や燃料の製造法、使用済燃料の再処理法など、さまぎまな要素からなり、多様な技術的選択肢があります。「もんじゅ」では燃料にMOX燃料(ウランとプルトニウムを混ぜた酸化物燃料)を、冷却材にナトリウムを使っていますが、これらは選択肢の中でも最も開発が進んでいるものです。他にも燃料には金属燃料や窒化物燃料など、冷却材には鉛やガスなどの選択肢があり、私たち「サイクル機構」や電力会社などでは、将来の多様なニーズに対応できるよう昨年から共同研究を始めています。 報告書でも、広い範囲で柔軟な検討を進めることが重要とし、他の選択肢との比較評価のベースとなるMOX燃料やナトリウム冷却などに関するデータの蓄積と研究開発を優先して行うことが不可欠との考えから、「もん,じゅ」を研究開発の場の中核と位置づけ、その早期の運転再開が提言されました。 |