資源小国の日本では、将来に備えて長期的に安定したエネルギー源を確保していくことが必要です。また、地球温暖化の防止のため、エネルギー利用による二酸化炭素の排出を減らす努力も欠かせません。そのなかで、発電時に二酸化炭素を出さない原子力は有力な選択肢のひとつと考えられていますが、さらに将来に向け、一層の安全性の確保や経済性の追求、放射性廃棄物対策の推進、資源の有効利用などが求められています。 |
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この資源の有効利用では、使用済燃料に含まれているプルトニウムの利用が最も有力な手段であることから、国の原子力政策の基本となる長期計画を策定する会議の第三分科会が5月29日にまとめた報告書でも、プルトニウムを効率的に利用する高速増殖炉の開発が重要とされました。報告書では、世界も視野にいれたエネルギーの問題の解決に向け、資源節約型のエネルギー技術を開発し、将来の技術的選択肢を確保することが重要と指摘。そのなかで、ウラン資源の利用効率を現在の数十倍に高めることができる高速増殖炉と、これに関連する核燃料サイクル技術(FBRサイクル技術)を、最も大きな潜在的可能性があるもののひとつと位置づけています。 |