長所を活かす組み合わせ

平成12年4月26日
 誰にでも得て不得手があるように、電気をつくる水力、火力(石油、石炭、天然ガス)、原子力、自然エネルギーなどの電源も、みな長所と短所をあわせもっています。
 たとえば、水力は燃料費が不要ですが、降雨量に左右されてしまいます。火力は出力を調整しやすく、特に液体の石油は輸送や貯蔵にも便利ですが、地球温暖化の原因となる二酸化炭素や、酸性雨の原因となる硫黄・窒素の酸化物を発生します。
 また、原子力発電は発電時に二酸化炭素や硫黄・窒素酸化物を出さず、少ない燃料で多くの発電ができ、燃料のリサイクルもできますが、放射線物質の適切な管理が前提です。そして、太陽光や風力はクリーンで豊富にあるものの、気象条件に左右されるなど大量のエネルギーを取り出すのは困難です。
 
 資源に乏しい日本では、各電源の長所を活かせるようにバランスよく組み合わせた電気づくりを進めています。なかでも、原子力発電は現在、日本の電気の約37%をつくり、重要な電源に位置づけられています。私たち「サイクル機構」が進めている高速増殖炉の研究開発は、安全を大前提に原子力発電の長所をさらに高めていくための取り組みです。
 




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