地球の気温が少しずつ上昇する「地球温暖化」が進んでいます。水ぬるむ、といえば春の季語ですが、このままだと冬のうちから水ぬるむ季節が始まるかもしれません。 気候がおだやかになるだけならよいのですが、日本近海では冷水性の海草が減り、これを食べるアワビやサザエ、ウニも減ってしまうと心配されています。沖合い漁業でも、ベニザケなどの北洋漁業に影響が出ると考えられています。鮮魚店や寿司屋に並ぶ魚が、様変わりするかもしれないのです。 温暖化の進行は、生産する米の品種をかえなければいけなくなるなど、稲作にも影響を与えそうです。さらに食料の多くを輸入に頼る日本では、世界の穀倉地帯での被害によっても大きな影響を受けることが確実です。 |
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温暖化の進行を防ぐには、二酸化炭素(CO2)の発生量を減らすことが第一です。発電の分野では、これまで原子力発電がCO2発生量の削減にもっとも貢献し、1998年度には日本全体の排出量の約20%に相当する量を抑制したと試算されています。 高速増殖炉などの核燃料サイクルの確立は、こうした原子力発電のメリットを将来へ活かすうえでも大きな役割を担っています。 |