高速増殖炉の明日を見つめて

平成12年3月8日
 日本や世界のエネルギー需要が年々増え続ける一方で、エネルギーのもとになる資源の将来の不足が心配されています。また、石油や石炭など化石資源の使用量の増加による地球環境への影響も懸念されています。こうした資源問題や環境問題の観点から、ウラン資源を有効に利用する高速増殖炉は、将来の重要な選択肢のひとつと考えられています。
 現在、年内の取りまとめを目標に、国の「原子力開発利用長期計画」の改定作業が進められていますが、その中で将来の高速増殖炉と「もんじゅ」の位置付けが明確に示される予定です。私たち「サイクル機構」では、皆様のご理解など環境が整えば、「もんじゅ」の運転再開に向けた国の安全審査を受けたいと考えています。
 その後は、国の安全審査によって改造工事の認可をいただいたうえで工事を実施し、総合機能試験や燃料の交換などを行い、試運転を経て本格運転に入ることをめざしています。こうして運転経験を蓄積しながら、ナトリウムの取り扱い技術を基盤とした発電プラント技術の成熟を図り、経済性の向上や放射性廃棄物を減らすための研究開発の場として、「もんじゅ」を活用していく考えです。




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