経済性の向上をめざして

平成11年12月22日
 一般の原子力発電所(軽水炉)に比べて、ウランを数10倍も有効に利用できる高速増殖炉。その実用化は、基礎研究、実験炉、原型炉、実証炉というステップを踏んで進められます。原子力のような大型技術の開発では、時間をかけ改良を重ねながら技術を蓄積していくことが大切だからです。
 そして、もうひとつ実用化に不可欠なのが経済性の追求です。現在では、これまでの努力によって建設費は軽水炉の1.5倍ほどになっています。しかし今後も、将来の世界のエネルギー事情の評価や、ウランの市場価格と化石燃料の価格の予想などを進めながら、安全性を損なわずに経済性を一層高めるための技術開発に取り組んでいくことが必要です。
 こうしたなか、私たち「サイクル機構」では6月に全国の電力会社と協力協定を結びました。これは、私たちが進めてきた基礎からの研究開発と電力会社で行ってきた実証炉の設計研究の成果を持ち寄り、効率的な研究開発を行い経済面でも実用に耐える高速増殖炉の開発につなげることを目的としています。
 私たち「サイクル機構」では、高速増殖炉の安全性や信頼性の向上とともに、経済性の向上にも積極的に取り組んでまいります。




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