今の原子力発電(軽水炉)の燃料はウランですが、高速増殖炉ではプルトニウムを燃料に使います。このプルトニウムは、ウランの中の燃えない(核分裂しない)成分が原子炉の中で変化して生まれます。もとのウランは輸入資源でも、プルトニウムは日本の準国産のエネルギー資源と呼べるものです。 日本は世界有数のエネルギー消費国ですが、このエネルギーの約94%を海外からの輸入に頼っています。水力と地熱以外は、石油も石炭も天然ガスも、そしてウランも、ほぼ100%が輸入されているのです。今の日本の豊かな暮らしも、その基盤は決して強固なものとはいえないわけです。 |
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輸入相手国の情勢が不安定になるなど、何らかの原因でエネルギー資源の輸入が減ったりストップしたりすれば、社会が大混乱することは間違いありません。これを避けるには、外交努力などとともに、エネルギーの自給率を高めていくことが必要です。 準国産資源のプルトニウムを発電に使い、さらに使った以上のプルトニウムを作り出せる高速増殖炉は、将来の安心な暮らしのためにも大きな役割を担っていると、私たちは考えています。 |