平成17年7月13日

  
 意外に思われるかもしれませんが、世界で 最初の原子力による発電は軽水炉ではなく、 高速増殖炉で1951年に行われました。ア メリカの小規模な実験炉でしたが、その後も 運転を続け、燃料を増殖できることも実証し ています。
 発電をしながら、発電に使った以上の燃料 をつくり出せる高速増殖炉は、資源小国の日 本にとっても大きな力となることから、日本 でも国策として実用化をめざしてきました。 現在、新たな「原子力開発利用長期計画」の策 定作業が進められていますが、その構成案に も高速増殖炉の推進が明記されています。
 具体的には、
経済性などの諸条件が整うことを前提に、2050年頃から商業ベースでの導入をめざす
これまでの経験からの教訓を十分に踏まえつつ、実用化に向けた研究開発を着実に推進する
研究開発の場の中核となる「もんじゅ」の運転を再開し、所期の目的を達成することに優先して取り組む
といった方針が盛り込まれました。
 この新たな長期計画は現在、草案がまとめ られている段階で、今年中のとりまとめが予 定されています。私たち「サイクル機構」では、 こうした国の方針に沿って一層の研究開発に 取り組めるよう、安全第一に「もんじゅ」の改 造工事を進めてまいります。
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