平成17年1月26日

 日本では原子力発電の使用済燃料をリサイ クルし、あとに残る高レベル放射性廃棄物を ガラス固化して容器に封入し、深い地層の中 に埋設する方針です。しかし、地球の地下深 部には未知の部分も多いため、安全・確実に 実施できることを事前にしっかり確かめてお く必要があります。
 そこで私たち「サイクル機構」では30年近 く前から地層処分に関する研究を始め、現在 は「幌延深地層研究センター」(北海道幌延町) と「瑞浪超深地層研究所」(岐阜県瑞浪市)で、 地下深部の研究に取り組んでいます。日本の 岩盤には堆積岩と結晶質岩があり、それぞれ 成分や硬さ、地下水の動きなどが異なります。 そこで、堆積岩地域で地下水に塩水(海水)を 含む幌延と、結晶質岩地域で地下水が淡水の 瑞浪で研究を行えば、日本全国の地質環境を ほぼ把握できると考えられるのです。
 これらの施設では20年程度にわたり研究 を続け、最終的には深さ500〜1000メ ートルほどの坑道を掘り、実際の地下で岩盤 や地下水の様子を調べたり、処分場の建設や 操業に必要な技術を確かめたりする計画です。 さらに、国内外からの研究者の受け入れや、 一般の方々に地下の世界を体験してもらう施 設として活用することも予定しています。
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