クッキーなどを焼く時のふくらし粉や、油 汚れを落とすクレンザー、血行を促進する入 浴剤にと、さまざまに使えて重宝するのが「重 曹」です。重曹は化学名を炭酸水素ナトリウム といい、胃酸を中和する作用があることから 胃薬の成分としてもよく使われています。 | |
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そして、この重曹のもとになるナトリウム
は、高速増殖炉の「もんじゅ」でも重要な働き
をしています。ナトリウムには、「約100℃
から約880℃までの広い温度範囲で液体と
して扱える」、「水の約100倍の速さで熱が
伝わる」、「核分裂で発生した中性子のスピー
ドを落とさない」などの性質があります。 そこで「もんじゅ」では、プルトニウムの核 分裂によって発生した熱を、液体ナトリウム で素早く取り出して発電に利用します。さら に、核分裂の際に発生した高速の中性子を燃 えにくいウランに効率よく当てて、プルトニ ウムに変化させます。こうして発電をしなが ら、発電に使った以上のプルトニウムをつく り出す(増殖させる)のです。 しかし、ナトリウムは高速増殖炉に最適な 特長を備えている一方で、水や酸素と激しく 反応する性質をもっています。このため「もん じゅ」の改造工事では、徹底したナトリウム漏 えい対策を講じることにしています。
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