平成16年7月28日

 宝石の重さを量るのに、昔はイナゴ豆(キャロブ)という豆で何粒分という数え方をしていました。このキャロブが転じて「カラット」という単位が生まれ、豆一粒の重さから1カラットは0.2グラムと決められたそうです。
 宝石は数カラットでも大きな価値を持ちますが、原子力発電の燃料も少量で大きな価値のある働きをします。高速増殖炉では、プルトニウムとウランを混ぜ合わせたMOX燃料を使いますが、その一つ一つはペレットと呼ばれ、「もんじゅ」の場合、直径約5.4ミリ、高さ約8ミリの円筒形をしています。重さは宝石の約10カラットにあたるわずか2グラムほどですが、たった一つで家庭の電気約4カ月分をつくることができるのです。
 さらに高速増殖炉では、発電用のエネルギーを出すMOX燃料の周りに、燃えにくい(核分裂しにくい)ウランを配置してあります。このウランを、発電しながらプルトニウムに変化させることで、発電に使った以上のプルトニウムをつくり出すことができます。
 こうした特徴のある高速増殖炉が実用化すれば、資源小国である日本のエネルギー安定確保に大きく貢献することから、私たち「サイクル機構」では「もんじゅ」の運転を再開し、研究開発を進めていきたいと考えています。
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