平成16年3月24日

 野火などを暖房や調理に利用した太古の昔から、エネルギーは人類の暮らしを支える大きな働きをしてきました。現代社会では主に石油などの化石燃料が世界の暮らしを支えています。そして人口では世界の2%にすぎない日本が、石油の使用量のうち約7%を、石炭と天然ガスは約3%を使っています。
 石炭は世界各地に豊富に存在していますが、石油はあと41年、天然ガスはあと61年が採掘可能な量といわれ、また、これらは中東などに偏在しています。今後、新たな油田の発見の可能性などもありますが、世界全体のエネルギー需要も伸びていくなかで、いかにエネルギーを安定して確保していくかが日本はもちろん各国にとっても重要な課題です。
 この課題の解決に向け大きな力になると考えられているのが、高速増殖炉です。原子力発電の燃料となるウランは一度使ったあともリサイクルができるという、化石燃料にはない特長を備え、高速増殖炉によって、61年しかないといわれているウランを数千年にわたって利用することが可能になるのです。
 私たち「サイクル機構」では将来の日本のため、安全を第一に「もんじゅ」の運転を再開し、高速増殖炉の実用化に向けた研究開発に取り組んでいきたいと考えています。
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