モグラは地下1mくらいまでの深さにトンネルをつくりますが、人間も地下街や地下鉄などで地下を利用しています。最も深い地下鉄は地下約43m、また、高層ビルの基礎杭は地下65mほどに達しているそうです。 ところで、原子力発電の使用済燃料から再利用可能なウランやプルトニウムを回収した後に残る廃液(高レベル放射性廃棄物)の処分にも、地下が利用されます。廃液をガラスと混ぜてステンレス製の容器に封じ込め、それをオーバーパックといわれる金属容器に密封し、さらにその周りにベントナイトという粘土材料を用いた緩衝材を充填し、地下300mより深い地層の中に埋設する計画です。 地下深部には金属容器を腐食させる酸素がほとんどなく、もし腐食によって放射性物質が漏れ出したとしても、その多くは周りの地層に吸着されます。私たち「サイクル機構」を中心に研究を進めた結果では、人間への影響が最大になるのは10万年〜1000万年後のことで、しかも、その影響は自然の放射線レベルよりも小さいことがわかっています。 |
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「サイクル機構」では、将来の安全な地層処分の実現に向けて、一層の研究開発を続けていく計画です。 | |
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