平成15年10月8日

 三段跳びのホップ、ステップ、ジャンプのように、高速増殖炉の開発も実験炉、原型炉、実用化という段階を踏んでいきます。茨城県の大洗町に建設された実験炉の「常陽」は、今から25年以上前に運転をはじめ、その設計や建設、運転によって蓄積した技術的な経験が、原型炉の「もんじゅ」に活かされました。
 また、実用化に際しては、誰もが安心でき、かつ経済的に魅力のある高速増殖炉とすることが必要です。このため「常陽」では、燃料の信頼性や安全性の向上をめざして、燃料や材料に中性子を当て、そのふるまいを調べる「照射試験」なども行っています。すでに、これまでの成果は「もんじゅ」に活かされ、さらに将来の実用炉も想定し、燃料費や建設費の低減を目的とした燃料の高燃焼度化のための照射試験などを実施しています。
 こうした「常陽」での試験には「もんじゅ」の技術者も参加して、情報の共有化や知識・経験の蓄積を図っています。私たち「サイクル機構」では、長年にわたり「常陽」で培ってきた技術に、「もんじゅ」の運転によって得られる新たな技術を加え、将来のエネルギー安定供給を支える高速増殖炉の実用化をめざしていきたいと考えています。

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