健康診断でおなじみのレントゲン撮影や空港の手荷物検査では、放射線の一種のエックス線が利用されています。エックス線には、物を通り抜ける性質があるからです。さらに、物体の厚さや密度によって通り抜ける量が違うことを利用して、放射線は”ものさし”としても使われています。ティッシュペーパーや食品のラップの製造では、放射線をあてて通り抜けた量を測定することで、厚さを測っているのです。 放射線には、物質の性質を変える働きもあり、たとえばお風呂のマットは放射線をあてることで弾力性を高めてあります。 また、放射性物質も医学や学術研究に利用されています。最近では、炭素14という放射性物質の性質を利用した年代測定によって、紀元前5世紀頃と考えられていた弥生時代の始まりが、紀元前10世紀頃までさかのぼる可能性があるという説が発表されています。動植物の体内には一定量の炭素14があり、生命活動を停止すると5730年ごとに半分に減っていきます。そこで、土器に付着していたコゲなどの中の炭素14の量を調べ、土器が使われていた年代を推定したのです。 |
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このように、放射線や放射性物質はさまざまな分野で利用され、役立てられています。 | |
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