平成15年8月27日

 今夜、私たちは有史以来もっとも明るく輝く火星を見ることができます。これほどの大接近を目撃するのは、6万年近く前のネアンデルタール人以来のことだそうです。
 ところで、地球も火星も45億年ほど前に誕生しましたが、何がそのもとになったかご存知でしょうか。実は宇宙の誕生とともに生まれたさまざまな放射性物質や、宇宙のチリが集まってつくられたのです。
このため宇宙には自然の放射線が飛びかい、太陽光線のように地球にも飛来しています。また、地球の土壌や岩石にはウランなど含まれ、大地からも放射線が出ています。ネアンデルタール人はもちろんのこと、人類は誕生以来つねに自然の放射線の中で暮らしてきたわけです。
 大地からの放射線量は地質によって異なり、日本では花崗岩地帯の多い関西のほうが、関東より高くなっています。国ごとの平均で比べてみても、フランスやスイスは日本より高いといった地域差があります。
 そして、宇宙や大地からの放射線だけでなく、私たちは食事をしたり呼吸したりすることでも、自然の放射性物質から出る放射線を受けています。目には見えなくても、放射線は太古の昔から身近な存在なのですね。

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