化学反応が停止する原因や仕組みの解明による事故現象評価技術の高度化を行っています。
高速炉では、万が一、ナトリウム漏えい事故が発生した場合においても、ナトリウムとコンクリートが反応しないように鋼製ライナが設置されています。
確率論的安全評価では、この鋼製ライナが破損して、コンクリートが侵食され、水素ガスが発生するといった化学反応が発生した場合の評価が必要になり、重要です。
本研究では、ナトリウム-コンクリート反応が自然に停止することを実験的に確認し、その停止機構を解明しました。生成物の熱伝導率を測定し、スラグ※熱伝導率と同等であることを示しました。
※スラグとは・・・
二酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化アルミニウムなどの混合酸化物
反応実験装置の概要
実際の反応実験装置
Naイオン等による非架橋酸素の原子配置
[参考文献] Mills KC. SLAG ATLAS 2nd Edition 1995.
スラグと生成物の熱伝導率(λ)
[参考文献] Hasegawa H, et al., Metall Mater Trans B. 2012;43(6):1413–1419.