第３回超深地層研究所跡利用検討委員会議事録

第３回超深地層研究所跡利用検討委員会
議事録

超深地層研究所跡利用
検討委員会事務局　　　

日　　時：	平成15年8月19日（火）　14:30～17:00（研究所視察を含む）
場　　所：	瑞浪市陶磁器会館
出席者：	委員長	河村　三郎	(岐阜大学名誉教授)
	副委員長	髙嶋　芳男	(瑞浪市長)
	副委員長	橋場　克司	（岐阜県地域計画局長）
	副委員長	殿塚　猷一	（サイクル機構副理事長）
	委　　　員	小野崎弘樹	（岐阜県東濃地域振興局長）
	委　　　員	大野　信彦	（土岐市助役）
	委　　　員	工藤　輝夫	（瑞浪市企画部長）
	委　　　員	今井　秋男	（瑞浪市議会議長）
	委　　　員	土本　紳悟	（土岐市議会研究学園都市対策特別委員会委員長）
	委　　　員	安保　征示	（瑞浪市連合区長会会長）
	委　　　員	稲垣　重男	（土岐市連合自治会連絡協議会会長）
	委　　　員	日比野　徳	（瑞浪市明世町）
	委　　　員	松原　孝平	（瑞浪市明世町）
	委　　　員	飯尾　正和	（岐阜県先端科学技術体験センター館長）
	委　　　員	山近　英彦	（資源エネルギー庁放射性廃棄物対策室長）
	委　　　員	清野　貫男	（サイクル機構理事）
	委　　　員	大澤　正秀	（サイクル機構東濃地科学センター所長）
	（小栗なつ子委員（瑞浪市地域女性の会会長）は欠席）
	事務局：サイクル機構

配布資料：

・第3回超深地層研究所跡利用検討委員会　次第　　　
 ・超深地層研究所跡利用検討委員会名簿
 ・〔資料―１〕超深地層研究所の主な経緯
 ・〔資料―２〕超深地層研究所計画の状況について
 ・〔資料―３〕超深地層研究所跡利用検討委員会の今後の進め方について（案）
・超深地層研究所（スライド資料）(PDF)

傍聴者：5名
報道関係：４社

１．開会

・	事務局より出席者の紹介。

２．挨拶
（１）河村委員長の挨拶

・	本研究所は、地下1,000ｍに至る研究施設であり、研究計画終了後、学術的にも青少年の学習施設としての利用、観光資源、地域振興の拠点としても大きな可能性を秘めている。
・	例えば岐阜県神岡町のカミオカンデのように地下の研究施設から宇宙の謎を探るような世界的な研究施設があるように、将来の利用に向けた無限の可能性を秘めている。
・	この研究施設の跡利用を検討することは、国及び地域社会にとっても有益なものであると考える。
・	サイクル機構が、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発を行っていることから、最終処分場との関係で心配されることもあったが、国においては高レベル放射性廃棄物の処分に関する法律も整備され、処分事業についてはサイクル機構とは別の組織が行うこととなっており、処分地選定に向けた事業が別途開始されていることなどから、それらの不安は払拭されてきているものと考える。しかしながらそれらの不安は完全には払拭されているわけではないため、この事業の進捗状況を迅速に分かりやすく公開していくことが重要と考えている。
・	研究計画終了後の跡利用のみならず、将来の跡利用に向けての施設の活用方法等を提案して参りたい。委員各位の協力をお願いする。

（２）サイクル機構（殿塚副理事長）の挨拶

・	超深地層研究所計画については平成8年より機構用地で研究を進めてきたところであるが、平成14年1月に土地賃貸借契約を締結させていただき、同年7月の着工後、先月には研究坑道の掘削を開始したところである。
・	これまでの瑞浪市をはじめとする関係各位のご尽力やご理解、ご支援にあらためて深く感謝申し上げる。
・	この跡利用検討委員会は、平成7年12月に岐阜県、瑞浪市、土岐市とサイクル機構において締結した協定に基づいて、当機構が設置した委員会であり、研究終了後の研究所の利用計画を策定するためのものであり、これまでに2回開催している。
・	今般、瑞浪市の市有地に設置させていただく地下施設について、瑞浪市より利用を検討したいとのご意向を承った。
・	委員長をはじめ各委員には、施設の利用計画を様々な観点から検討、策定して頂き、サイクル機構としては、これに誠意を持って対応する。

３．議事

各議事項目における主な質疑
	（事務局より、議事内容と配布資料の確認を行った後、議事次第に基づき報告等を実施。）

（１）経緯報告
　これまでの経緯について、事務局より資料（配布資料―１）に基づいて報告。
質疑は以下の通り。

（河村委員長）
	新しい委員の方々には、委員会の規約等は配布されているのか。

（事務局）
	事前に配布させて頂いている。

（河村委員長）
	第１回、第２回の委員会から規定上の変更は無いのか。

（事務局）
	委員会の設置規定上は変わっていない。

（２）超深地層研究所の状況について
　瑞浪超深地層研究所の建設計画と現在の状況について、事務局より資料（配布資料―２、スライド資料）に基づいて説明。主な質疑は以下の通り。

（河村委員長）
	立坑を掘削した際の残土の処分地は具体的に決まっているのか。

（事務局)
	掘削残土の処理については、瑞浪市と相談させていただいているが、瑞浪市の方で研究所用地の北にある半原地区に用意していただけるとのことで、そこに処分をする予定である。

（河村委員長）
	土石流などの対応は考えられているのか。

（事務局)
	用地境界の尾根筋については対応済み。狭間川については、瑞浪市の方で整備いただいており心配はないと考えている。その他いくつか沢筋があるが、集水面積が大きくなく、また、今年の大雨でも問題は出ていないことから、十分対応できると考えている。

（河村委員長）
	東海豪雨クラスでなんともなければ、まあいいと思うが、最近１時間に100mm を超えるような大雨が最近方々で発生しているので。雨水が立坑に入ったら大変なことになるので、そのような対応はなされていると思う。

（３）今後の進め方について
　今後の進め方について、事務局より提案の内容を資料（配布資料―３）に基づいて説明。提案については異議なく承認された。主な質疑は以下の通り。

（髙嶋副委員長）

　ガラス張りのエレベーターで堆積岩と花崗岩の地層を見学できる学習の場として整備するという岐阜県知事の希望がある。技術的に、かつ安全にエレベーターをおろせるのはどれくらいの深さまでか。また、跡利用のイニシャルコスト・ランニングコストがかかると瑞浪市としても検討の対象とならないと考えている。

（事務局)
	坑道は、コンクリートを巻いて安全を確保することになるため地層が見えない。何らかのアイディアを出して、直接見るのと同等の効果が得られるような方策について検討してゆきたい。また、コストも今後検討したい。

（髙嶋副委員長）
	立坑については、コンクリートで覆われるため地層が見ることはできないのは理解しているが、中間ステージなどの水平坑道に入って見学することは技術的に、また安全上は可能か。

（大澤委員）
	化石のあるような地層の部分に連絡坑道で入っていただいて、見学していただくということは可能である。安全確保が大前提だが、中間ステージなどを見学していただくことも考えている。

（髙嶋副委員長）
	安全確認委員会の中で、掘削段階で立坑を見学したいという話があった。このような申し出に対応はできるか。

（大澤委員）
	安全に配慮して、積極的に見学していただけるような機会を設けるなどの対応をしていく考えである。

（髙嶋副委員長）
	1025ｍまで掘削して、飲料水に適した水が出れば有意義であると考える。水の成分については、飲料水として適しているかを含めて予想はできるのか。

（事務局)

　温泉の定義からすれば、立坑深部の地下水はほぼ温泉になると予想されるが、どの程度の量が出るかが課題であり、今後の研究の結果を待つ必要がある。地下の深部は酸素のない水であるが、飲料に適しているか、健康上良いかは承知していない。飲料水以外の用途のアイディアもあるかもしれない。

（飯尾委員）
	地下の学習というと化石という話がすぐ出るが、どのようにして穴を掘るかという科学技術について見せてあげられると良い。安全性を確保して、横穴を掘削する様子を子供たちに見てもらえるような機会を設けていただきたい。

（大澤委員）
	たとえば工事を止めるなどして、安全確保大前提で実現できるよう考えたい。

（髙嶋副委員長）
	先日のおもしろ科学館の時に、東濃地科学センターが展示していた掘削の模型は実際に掘削する時とほぼ類似したものを展示したのか。

（大澤委員）
	ほぼ忠実に再現している。あれはコンピューターの中に入っている映像であるため、ちょっと時間をいただければ、他のところでもご覧頂くことは可能だと考えている。

（清野委員）
	工事の安全性と工事の方法を見せるような３DのCGの製作をゼネコンに依頼しているところ。出来上がれば当委員会でも紹介したい。

（河村委員長）
	只今の事務局提案について、本委員会で承諾することに異議はないか。　異議はないため、今後、事務局提案の方針で本委員会を進めることとする。

４．閉会の挨拶
（１）髙嶋副委員長より挨拶　
　研究はまだ始まったばかり。きちっとした研究成果が確保され、その後、1000mの立坑が瑞浪市及び東濃地域にとって、多くの人に訪れて頂けるような誘客のある施設になってほしいという思いを込めて、皆様から英知を頂戴し良い跡利用ができるように、先ず第一は安全確保、またランニングコストの件がクリアされるなかで、知恵を絞って頂きたいと考えている。

５．その他
会議終了後、瑞浪超深地層研究所を視察。

以上　