第12回 超深地層研究所跡利用検討委員会 議事録

超深地層研究所跡利用検討委員会事務局

日 時: 平成24年12月21日(金)16:00〜17:00
場 所: 瑞浪市産業振興センター
 出席者:
副委員長
水野 光二
(瑞浪市長)
 
副委員長
辻倉 米藏
(原子力機構副理事長)
 
委  員
小島 三明
(土岐市副市長)
委  員
水野  正
(瑞浪市総務部長)
 
委  員
成重 隆志
(瑞浪市議会議長)
委  員
山田 正和
(土岐市議会まちづくり特別委員会委員長)
 
委  員
渡邉 勝利
(瑞浪市連合自治会会長)
委  員 宮地 富子
(瑞浪市食生活改善推進協議会会長)
 
委  員
永井 新治
(土岐市連合自治会会長)
 
委  員
加納 春海
(瑞浪市明世町:戸狩区代表)
 
委  員
伊藤 征史
(瑞浪市明世町:山野内区代表)
 
委  員
飯尾 正和
(岐阜県先端科学技術体験センター館長)
 
委  員
鈴木洋一郎
(資源エネルギー庁放射性廃棄物等対策室長)
 
委  員
野村 茂雄
(原子力機構理事)
 
委  員
藤井 文人
(原子力機構東濃地科学センター所長)
(欠席:池永輝之(元岐阜経済大学教授)、秦康之(岐阜県環境生活部長)片桐卓朗(岐阜県東濃振興局長))
プレス:2社(中日新聞、岐阜新聞社)

議 題:
(1)超深地層研究所計画の状況について
(2)瑞浪超深地層研究所の施設活用について
(3)その他

配布資料:
第12回超深地層研究所跡利用検討委員会次第
超深地層研究所跡利用検討委員会名簿
〔資料−1〕超深地層研究所計画の状況について
〔資料−2〕瑞浪超深地層研究所の施設活用について(PDF)
瑞浪超深地層研究所の現状(スライド資料−1)(PDF)
瑞浪超深地層研究所の施設活用について(スライド資料−2)(PDF)

1.開会
事務局より委員会の位置づけについて説明、出席者の紹介

2.挨拶
(1)水野副委員長
 池永委員長がご欠席でございますので、私が委員長代行を務めさせていただきます。この跡利用検討委員会は12回目で、瑞浪超深地層研究所は、深度300mの水平坑道を先ほどご視察いただきましたが、現在、深度約500mまで立坑の掘削が行われ、今年の7月に主立坑と換気立坑をつなぎます深度500mの水平坑道が貫通をしたところです。引き続き、水平坑道の掘削及び調査・研究が進められているところです。研究所は、学術的な研究の場としての利用だけではなく、地域振興などの幅広い活用の可能性を持っていると考えております。
 昨年度開催しました第11回の委員会におきましては、委員から、サイエンスワールドと瑞浪超深地層研究所がタイアップをして、地元の子供たちを対象に何か企画を考えてもらったらどうかというご意見もあり、今回の委員会におきまして、機構から、研究所計画の報告とあわせまして、前回の委員会開催以降の取り組み状況をご説明いただき、議論を進めてまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いします。
 各委員のご協力のもと、活発な議論を行いまして、施設の活用方策を提案いただければと考えており、よろしくお願いします。

(2)原子力機構(辻倉副理事長)
 本日は大変お忙しい中、超深地層研究所跡利用検討委員会にご出席賜りまして誠にありがとうございます。感謝申し上げます。 超深地層研究所計画を進めております原子力機構を代表して、一言ご挨拶をさせていただきます。
 まず、岐阜県や瑞浪市並びに土岐市をはじめ、関係各位におかれましては、日頃から、当機構の事業に対しまして、ご理解、ご支援賜っておりますこと、この場をお借り致しまして、深く御礼申し上げます。
 さて、私ども当機構の取組と致しましては、昨年3月11日に東電の事故がございましたが、事故の収束、並びに、環境回復、これが近々の課題ということで最優先に取り組んでまいります。現在、福島技術本部には約200名の私どもの職員を常駐派遣致しまして、日夜、関係機関とタイアップ致しまして環境のモニタリングや除染活動を行うとともに、発電所の中の滞留水の処理処分につきましても、研究を続けているところでございます。やがては原子炉の廃止処置に向けた研究開発といったことに取り組んでいくよう、努力をさせていただいているところです。東濃地科学センターからも、兼務者を含めて約15名の研究員がこの活動に参加させていただいております。
 一方で国においては、エネルギー・環境会議の決定を受けまして「革新的エネルギー・環境戦略」等が出されています。また、これを受けました閣議決定がなされています。高レベル放射性廃棄物につきましては、処理処分に関します展開として、日本学術会議が見解を示されておりますし、これを受けた原子力委員会の見解といったものが出されている、といった動きがされています。これを受けまして、具体的な活動は、これから展開されていくと思いますけれども いずれに致しましても、地層処分技術につきましては、その必要性や重要性はなんら変わるものではないものと考えております。私どもはこの地の研究所で、しっかりと研究開発に取り組みさせていただきたいと考えております。
 超深地層研究所の活動につきましては、後ほど詳しくご紹介させていただきますので省略させていただきますが、現在、深度500mまで掘り進めまして、水平坑道を掘削させていただいている状況です。研究所の活動につきましては、県並びに市のご指導の下に、環境保全協定を遵守いたしまして、今後も万全の環境対策を行いながら進めて参りたいと考えております。
 本委員会は、研究終了後の跡利用に関する委員会ということですが、それに関わらず、当研究所の活動につきまして、幅広いご意見をいただければ、ぜひ検討させていただき、開かれた研究所の活動に反映させていただければ幸いなことと考えております。昨年の委員会以降の私どもの活動につきましては、後ほどご報告申し上げたいと思いますが、ぜひとも、忌憚のないご意見を宜しくお願い致します。
 また、市長からもお話しのありました、サイエンスワールドさんとの活動ですが、色々とご相談させていただきながら取り組みをさせていただいているところです。この場をお借りしてサイエンスワールドさんのご協力に対しまして厚く御礼を申し上げます。

3.議事
(1)超深地層研究所計画の状況について
 瑞浪超深地層研究所の現状について、事務局より資料に基づいて説明。


(2)瑞浪超深地層研究所の施設活用について
 瑞浪超深地層研究所の施設活用について、事務局より資料に基づき説明。主な質疑・意見は以下のとおり。

(伊藤委員)
 前回も質問したのですけれども、跡地利用のことは未だ考えていらっしゃらないと言われたのですが、施設活用が跡地利用の布石と捉えて良いのか、その辺を答えていただきたい。

(事務局)

 第3回の委員会の議論もございましたけれども、現在の施設利用を考えていく中で、跡利用に繋がるようなものも段々見えてくるかもしれないということで、現状は具体的な跡利用ではなく、現状の施設の活用を考えていく中で、そういうものに繋がるものを見い出して行こうという形で進めさせていただいております。
(伊藤委員)
 地域に戻ってから、委員会では何をやっているのか、跡利用について、今後何に利用するのかということを聞かれます。現状は、研究所の状況報告が中心との報告しかできないのですが、そもそも検討委員会というのは何だということなのですが。
(事務局)
 現状は、跡利用に繋がるような現状の施設の活用状況を具体的に説明させていただきましたけれども、学生、生徒の皆さんへの教育の場とか、科学に関する一般の方への実習の場とか、そういう形での活用を進めているということでお話ししていただければ良いのではないかと思います。
(伊藤委員)
 布石として捉えていいのですね。
(事務局)
 もちろん、その中で何か将来的に活用できるものがあれば、それは引き続き跡利用でも考えていけば良いのではないかと考えております。
(水野副委員長)
 ありがとうございます。跡利用につきましては夢みたいな話を一時期、話し合ったこともありましたが、先ず地についた施設の活用を探りながら将来のヒントをつかむため、検討していただいておりますので、よろしくお願いします。
(伊藤委員)
 きちんとした跡利用方法が決まれば、ここが処分場にならないということが皆に納得させられると考えています。だから、現時点ではあやふやな段階ではないかと思っているところです。それを明白にしていただきたいと思います。
(水野副委員長)
 跡利用に関係なく処分場になることは絶対ありませんので、それは切り離して考えていただければ良いかと思います。
(飯尾委員)
 色々とサイエンスワールドと一緒にやっていただきまして、どうもありがとうございます。私どもが外部でやっているイベントにも、いつも気持ち良く参加していただきまして、嬉しく思っています。実は、昨年のこの会議で是非一緒になって何かをやりたいということで、話を進めてきました。サイエンスワールドは今、親子でいろんなことをやっていただこうという方針でやっていまして、地層探究の公開講座として、親子12組を募集しましたところ、多くの方の応募がありました。明日、開催する予定です。本当は地下に入れると非常に良いのですけれども、研究所の都合で、明日は残念ながら地下には入れないということですので、また来年度も是非このようなことを計画していきたいと思います。
 我々サイエンスワールドは、とにかく子供達、親子の科学技術に関する意識の高揚、将来、科学技術者になるような夢を持たせようということで、スタッフを活動させていますので、ぜひ一緒になってこれからもよろしくお願いしたいと思います。
 今、説明を聞いておりまして、ここで一つ提案ですけど、明日から「しんかい6500」という、パネル展示を初めてやります。いろいろな研究機関が科学館へパネルを貸し出すという事業の一つです。たとえば研究成果のパネル、模型みたいなものを貸し出すという事業で、是非、この地科学センターもそういう事業にも参加していただければと思います。全国の科学館を1年間で回るということです。良いPRとなると思いますのでパネル展示だけでも良いので企画されてはと思います。
 先日、JAXAの宇宙学校というものをやりました。研究者が2、3人来まして宇宙の概略の話をします。それに対して子供たちが質問をします。20分の講義後、後は、子供たちがドンドン質問をするわけです。これに対して研究者たちが答えるわけです。非常に好評でした。地下というものをテーマとするのも面白いのではないかと思います。パソコン一つでできるわけですので、そういうことも企画されては、色々とPRできて良いのではないかと思います。
(水野副委員長)
 全国の科学館で話題提供する中で超深地層研究のPRの発表の場にしたらどうかということと、サイエンスワールドで行われている学習展示会、意見勉強会において超深地層をテーマにした機会を設けたらどうかという話ですが、事務局の方から今のことに対して意見がありますか。
(藤井委員)
 飯尾館長のほうから、まことに斬新なアイデアを提案いただきまして感謝しています。明日の企画にしましても、サイエンスワールドの方で大変精力的に、ご準備いただきまして、本当に感謝しております。今、いただいた案件につきましても、意義のあるものだと思っております。地下について、研究開発しているわけですが、いろんな研究者がいますので、その研究者の姿を、子供たちと一緒に見てもらうことも非常に重要なことだと思っています。また、ご指導いただきながら、一緒にやらせていただきたいと思います。
(水野副委員長)
 一緒にというお話がありましたので、今の提案が来年度反映できるかどうかつきまして、一度ご相談していただいて、しかるべきタイミングを図っていただければと思います。
(加納委員)
 跡利用検討委員会の趣旨から外れるかもしれませんが、お聞きしたい事があります。先のニュースとか新聞報道によりますと、「我が国の原子力行政は、核のゴミ処分場の当てのないまま進んでおり、今後も手を挙げる自治体の見込みもなく、処分方法も地下処分にとらわれる事なく、一旦ゼロベースに再考すべきである」という意見が、日本学術会議で出されたようですが、このような状況を踏まえまして、瑞浪の超深地層研究所の事業に、今後どのような影響が出てくるとお考えなのか、お聞かせ願います。
(事務局)
 研究の重要性、必要性につきましては、先ほどお話しがありましたが、いずれにしても廃棄物の問題というのは残っておりますので、変わらないものだと考えています。地上保管、暫定保管という話しが出てきておりますが、最終的な処分というのは必要となってきますので、研究所における研究開発の重要性は、今のところ変わりはないと考えています。
(野村委員)
 学術会議の答申が出ましたが、我が国の地層処分の立地は、うまく進んでいません。最近、アメリカでは100年の中間貯蔵といったブルーリボンのミッションのポジションというのがあります、日本ではどのように進めていったら良いか、根本的な見直しをするという提言を学術会議にお願いして、原子力委員会が学術会議の答申を受けて意見を出した訳ですが、基本的には、立地問題、最終処分をどうしていったらよいかを、改めて過去の反省に基づいて、国を中心に進めるという事で理解しており、国内での処分場立地のやり方について、今一度考えていくものと理解しています。我々研究機関としては、長期の安定性や地下の状況について、科学的な調査を実施してきているが、客観的に整理して、事業主体の調査に活かしていくという事で、直ちに我々の研究を変えてやるような事はありません。基本的には、地層処分というのは最終的な姿だというのは、世界的に認めており、それに進むプロセスとして、いろいろ考えているところです。
(加納委員)
 予算的には、今の規模で行けるのか。それとも減らされるとお考えでしょうか。
(野村委員)
 予算的には、独立行政法人は苦しい状況ですが、無駄を削って、必要なところはしっかりやっていきます。地下研の部分は 瑞浪と幌延と二つの地下研がありますが、そこについては計画通りしっかりと行っていきますので、大きく変わることはありません。ただ東海地区では直接処分の研究など、いろいろなオプションが出てきておりますので、それについては答申等に従って研究の幅を広げたいと思っています。福島第一で溶けた燃料もあります。そういったものはどのように処分していったらいいのか、そういうものも応用問題として出てきます。基本的には従来の方針で、研究に必要な予算は確保していきたいと考えています。
(水野副委員長)
 今まで通り目的は変わらないというご説明でしたので、宜しくお願いします。

4.閉会の挨拶
(水野副委員長)
 以上をもちまして、第12回の超深地層研究所跡利用委員会を終了させていただきます。円滑な議事の進行にご協力をいただき、ありがとうございました。
 なお、次回の委員会の開催につきましては、事務局と調整をさせていただき、後日連絡させていただきます。

5.その他
委員会開催前、瑞浪超深地層研究所を視察
 

以 上