市有地における超深地層研究所の平成13年度事業計画
平成14年1月21日
核燃料サイクル開発機構
東濃地科学センター


 平成13年度は、市有地における超深地層研究所の研究及び施設の計画について、以下のように進めます。

 研究の計画については、地表からの調査予測研究段階(第1段階)として、市有地やその周辺における断層等の有無や地層の境界を推定するための地上物理探査と、地表から深さ200m付近まで分布していると考えられる堆積岩中の地下水の様子などを調べるためのボーリング調査を開始します。また、以前に市有地周辺で掘削されたボーリング孔の岩石サンプルを用いて、岩石の強度などを把握するための室内試験を開始します。

 施設の計画については、平成14年度の超深地層研究所の着工に向けた準備作業として、研究坑道等や地上施設の検討、構内の整備及び測量や土質調査を含め敷地造成に関する検討などを行います。


1.研究計画
1)地上物理探査
 市有地やその周辺に、断層や大きな割れ目帯などの有無や花崗岩と堆積岩の境界を推定するため、人工的に発生させる振動を用いる弾性波探査と呼ばれる地上物理探査を行います。
 この地上物理探査は、主に振動装置を用いて人工的な振動を繰り返し発生させ、一定の間隔で測線上に配置した測定装置により地層中を経由して届く振動を観測します。主に市有地周辺の道路沿いに測定器を並べ(これを測線といいます)調査を行う計画です。測定器を並べる測線は5列程度で、その総延長は8km程度を予定しています。現場での調査期間は事前の測量などを含めて約1ヶ月を予定しており、平成14年3月から4月の間に開始する計画です。


2)浅層ボーリング調査
 花崗岩中の地下水の性質や地下水の流れを知るために、地表から深さ200m付近まで連続していると推定される堆積岩中の地下水の様子などを調べるもので、市有地内において、ボーリング調査を行います。
 市有地内では、地下の堆積岩と花崗岩の境界に数十m程度の凹凸が予測されており、堆積岩と花崗岩の境界付近および堆積岩中の地下水の流れは場所により異なる可能性があります。このことから、ボーリング調査は3〜4地点とし、それぞれのボーリング孔は堆積岩を通過して花崗岩の上端まで届くように深さ200〜300m程度を計画しています。具体的なボーリングの位置については、市有地を目視調査した後に決定します。
 それぞれのボーリング孔では、岩石サンプルを連続して採取します。ボーリング掘削中および掘削後には、地層中の水圧や透水性を調べるための水理試験や地下水を採取するための採水試験などを行います。このボーリング調査は平成14年3月から10月までの期間で行う計画です。

3)室内試験
 市有地の近くで以前に掘削したボーリング(DH-2号孔)で採取した岩石サンプルを用いて、超深地層研究所の設計などに必要な基礎的なデータを取得するための室内試験を実施します。
 この試験では、ボーリングで得られた岩石サンプルから合計90個程度を選び、地下の圧力を再現した状態で強度などを計測します。試験は平成14年2月から3月の期間で行う計画です。

(参考) 平成14年度の調査計画
 平成14年度は、平成13年度に開始する地上物理探査と浅層ボーリング調査を引き続き実施します。なお、浅層ボーリング孔には、調査終了後に水圧や水質を長期間連続して観測するために観測装置を設置し観測を開始します。市有地やその周辺で、地表に表れた岩の性質や断層などを調べる調査(地質調査)を行います。また、深さ約1500mのボーリング調査などを開始する計画です。


2.施設計画
1)研究坑道等及び地上施設の検討
 研究坑道掘削に必要な地上施設や研究坑道等の設計、及び掘削工事の手順検討などを行います。

2)構内整備等
 下草刈りなどの環境整備を行います。また、構内整備や敷地造成の検討のための作業の監理や安全を確保するため、仮設の現場事務所や安全柵を設置します。
 また、将来の研究坑道掘削工事に備え、周辺の河川水及び井戸などへの影響の有無を確認するための基礎資料として、市有地周辺での現況を文献などにより調査します。

3)敷地造成の検討
 市有地の測量やボーリングを含む土質調査を行い、それを基に敷地造成の設計や造成工事の手順検討などを行います。

(参考)平成14年度の施設計画
 平成14年度は、敷地造成の設計結果をもとに、7月頃より超深地層研究所の建設に着工します。具体的には、用地の造成として沈砂池設置工事、上下水道布設工事、進入路設置工事、盤整形工事などを順次実施します。
 また地上施設については、櫓(やぐら)や巻上機などの諸設備の工場製作を平成14年度後半から行う予定です。

3.安全対策等
 東濃地科学センターでは、仮設の現場事務所に職員を常駐させ、市有地における作業の安全を確保するとともに、地域の皆様のお問い合わせなどに適切に対応して参ります。
以 上
作業スケジュール