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国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発

研究開発課題ごとの報告書(平成31年度/令和元年度)

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全項共通/ 人工バリア等の信頼性向上に関する研究/ 安全評価手法の高度化に関する研究地質環境特性調査・評価手法に関する研究地質環境の長期安定性に関する研究

全項共通

著者 タイトル(クリックで要旨) 投稿、発表先 発表年
地層処分研究開発推進部

平成30年度 研究開発・評価報告書 評価課題「地層処分技術に関する研究開発」(中間評価)

日本原子力研究開発機構は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」及び「文部科学省における研究及び開発に関する評価指針」並びに原子力機構の「研究開発課題評価実施規程」等に基づき、平成30年11月8日に「地層処分技術に関する研究開発」に係る中間評価を地層処分研究開発・評価委員会に諮問した。これを受けて、地層処分研究開発・評価委員会は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」等に則り事前に定めた評価手法に従い、第3期中長期計画期間のうち、平成27年度〜平成30年度の研究開発の実施状況について、評価を行った。本報告書は、地層処分研究開発・評価委員会より提出された中間評価の検討過程やその結果を取りまとめるとともに、「評価結果(答申書)」を添付したものである。

JAEA-Evaluation 2019-010 2020

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安全評価手法の高度化に関する研究

著者 タイトル(クリックで要旨) 発表先 発表年
Y. Sugiura, T. Suyama and Y. Tachi

Development of JAEA Sorption Database (JAEA-SDB): Update of Sorption/QA Data in FY2019

放射性廃棄物地層処分の性能評価において、放射性核種の緩衝材、岩石及びセメント系材料中での収着現象は、その移行遅延を支配する重要な現象の一つである。今回、性能評価における収着分配係数(Kd)設定のための統合的手法の構築の基礎として、収着データベース(JAEA-SDB)のデータ拡充を行った。本報告ではKd設定や収着モデル開発の最近の取り組みにおいて課題として抽出された以下に示す3つの系(粘土、堆積岩及びセメント系材料)に着目して実施した、Kdデータと信頼度情報の拡充について報告する。今回の更新において、60の文献から6,702件のKdデータとその信頼度情報が追加され、JAEA-SDBに含まれるKdデータは69,679件となり、全データのうちの約72%のデータに対して信頼度情報が付与されたこととなる。今回更新されたJAEA-SDBによって、今後の性能評価における収着パラメータ設定に向けて、有効な基盤情報を提供するものと期待される。

JAEA-Data/Code 2019-022 2020

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地質環境特性調査・評価手法に関する研究

著者 タイトル(クリックで要旨) 発表先 発表年
中山雅、雑賀敦、木村駿、他

幌延深地層研究計画における地下施設での調査研究段階
(第3段階:必須の課題2015-2019年度) 研究成果報告書

幌延深地層研究計画は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施している地層処分技術に関する研究開発の計画である。幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの調査研究段階に分けて進めている。原子力機構の第3期中長期計画では、本計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としている。本稿では、第3期中長期計画期間のうち、平成27年度から令和1年度までの地下施設での調査研究段階(第3段階)における調査研究のうち、原子力機構改革の中で必須の課題として抽出した①実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、②処分概念オプションの実証、③地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証、の3つの研究開発課題について実施した調査研究の成果を取りまとめた。

JAEA-Research 2019-013 2020
松岡稔幸、濱克宏

超深地層研究所計画における調査研究
-必須の課題に関する研究成果報告書-

日本原子力研究開発機構核燃料・バックエンド研究開発部門東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を主な対象とした超深地層研究所計画を進めている。超深地層研究所計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる計画である。超深地層研究所計画では、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」および「深地層における工学技術の基盤の整備」について第1段階から第3段階までを通した全体目標として定め、調査研究を進めている。本報告書では、第3期中長期計画期間のうち、平成27年度から平成31年度までの深度500mまでの研究坑道を利用して実施した調査研究の成果を取りまとめた。具体的には、原子力機構改革の中で必須の課題として抽出した(1)地下坑道における工学的対策技術の開発、(2)物質移動モデル化技術の開発、(3)坑道埋め戻し技術の開発、の3つの研究開発課題の設定の考え方、必須の課題の内容、課題解決のために実施した調査研究の成果を取りまとめた。

JAEA-Research 2019-012 2020
青柳和平、陳友晴、石井英一、他

幌延深地層研究センターにおける掘削損傷領域の可視化手法の検討(その2)(共同研究)

本研究では、坑道掘削により周辺岩盤に形成された掘削損傷領域の割れ目の可視化を行うことを目的とした。幌延深地層研究センターの地下350mに掘削した直径4mの試験坑道を対象として、紫外線照射により発光する蛍光剤を添加した樹脂を坑道周辺の岩盤に注入し、掘削損傷領域の割れ目を固定した。これにより、割れ目を可視化して観察することに成功した。注入孔周辺で試料を採取し、紫外線照射下で観察を行い、割れ目の連結性や開口幅を分析した。結果として、割れ目の最大発達範囲は、孔口から約0.9m、すなわち坑道壁面岩盤から約0.75mの範囲であった。また、孔口から0.4mまでの範囲では割れ目密度が高く、0.4m以深では割れ目の間隔が広くなることがわかった。さらに、割れ目の開口幅を測定した結果、孔口から近いほど割れ目の開口幅も大きいことがわかった。特に、孔口から0.3mまでの範囲では、樹脂が浸透した割れ目が多く観察され、開口幅が最大で1.02mmであった。一方、孔口から0.3m以深は、樹脂が浸透した割れ目が少なく、開口輻は最大で0.19mmであった。

JAEA-Research 2019-011 2020
阿部寛信、畠山信也、山崎雅直、他

火災時の通気挙動の検証 (委託研究)

日本原子力研究開発機構は、北海道幌延町において、立坑を主体とした地下研究施設を建設中である。建設地点の地質は、新第三紀の堆積岩でメタンを主成分とした可燃性ガスを賦存するため、地下施設内で火災等が発生した場合を想定し、入坑者を安全に地上まで避難可能な坑内構造および防災システムを構築することが重要な課題である。立坑主体の地下施設内において、火災発生時は、火災ガスが浮力効果等により複雑な挙動をしめし、強制換気の下でも予期しない箇所まで影響を及ぼす可能性がある。しかし、このような火災ガスの挙動に関する研究はこれまでほとんど実施されていなかった。このため、地下施設建設時及び運用時の火災時防災システムの構築に資する観点から、地下研究施設の通気挙動を実験的に明らかにし、また、通気解析手法の妥当性の検証を目的として、地下坑道を模擬した室内立坑火災実験を実施し、火災で発生する浮力による火災ガスの逆流現象、通気主流の逆転現象、水平坑道の風門を開閉した場合の通気挙動を把握した。また、把握した諸現象をある程度再現可能で計算時間が現実的な解析手法に基づき、プロトタイプの解析システムを構築し、火災実験と同様の条件でシミュレーションを実施した。その結果、構築した解析手法は、火災実験で把握した諸現象を概ね再現できることを確認した。本成果を地層処分施設の建設を念頭においた地下施設における火災時の通気挙動予測ツールとして適用するため、今後は、(1)通気挙動予測ツールとして定量的な解析精度を得るために必要な機能の開発、(2)火災ガス濃度等の表示機能やメンテナンス環境機能の整備、(3)ユーザーフレンドリーでメンテナンスが容易なソフトにするための設計と開発を行い、実用的で一般性の高いプログラムを開発していく予定である。

JAEA-Research 2009-019 2020
沖原光信、矢萩良二、岩月輝希、他

モニタリング装置用配管の設置に関わる概念設計

原子力機構東濃地科学センターでは、深地層の科学的研究の一環として、超深地層研究所計画を進めている。本計画においては、研究開発課題の1つとして地質環境特性の擾乱や回復、定常化プロセスに関するモニタリング技術の構築を挙げている。本報告書では、現在、各深度の研究坑道に設置して使用している地下水の水圧・水質観測装置を活用し、地上において地下水を採水可能とすることを目的として、立坑に設置する採水用配管の概念設計を行うものである。

JAEA-Technology 2019-021 2020
宮川和也、女澤徹也、望月陽人、他

幌延深地層研究計画で得られた地下水の水質データ(2017年度~2019年度)

幌延深地層研究計画における深地層の科学的研究では、実際の地下の地質環境特性を調査するための技術開発や、得られた地質環境特性に基づく地質環境モデルの構築が進められている。地質環境モデルの1つである地下水の地球化学モデルの構築・見直しにあたっては、地下施設周辺における地下水の水質データが必要である。本報告は、2017年度~2019年度までの3年間に、幌延深地層研究計画で得られた地下水の水質データとして、物理化学パラメータおよび水質の測定・分析結果を取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2020-001 2020
佐俣洋一、石井英一

幌延深地層研究計画における350m試験坑道掘削影響領域を対象とした透水試験(その2)

幌延深地層研究計画においては、坑道掘削が坑道周辺の水理特性に与える影響を把握することを目的として、掘削影響領域を対象とした透水試験を実施している。本報では、2016年4月から2019年3月までに実施した透水試験結果および透水試験実施期間以外の間隙水圧観測結果についてまとめた。

JAEA-Data/Code 2019-020 2020
福田健二、渡辺勇輔、村上裕晃、他

超深地層研究所計画における地下水の地球化学に関する調査研究
—瑞浪層群・土岐花崗岩の地下水の地球化学特性データ集— (2018年度)

日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2018年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データおよび微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所、試料採取時間、採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。

JAEA-Data/Code 2019-019 2020
望月陽人、宮川和也、笹本広

幌延深地層研究センター350m調査坑道における地下水の地球化学モニタリング装置による地下水圧の連続観測結果(2016~2018年度)

幌延深地層研究センターでは、地層科学研究の一環として、地下施設内の調査坑道に設置された地下水の地球化学モニタリング装置を用い、岩盤中地下水の水圧・水質変化を継続的に観測している。本報告は、350m調査坑道に設置された地下水の地球化学モニタリング装置を利用 して、2016年度~2018年度の3年間に取得した地下水圧の観測結果を取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2019-014 2020
宮良信勝、松岡稔幸

幌延深地層研究計画(第2段階)における地震観測データ集

日本原子力研究開発機構では、堆積岩を対象とした深地層の研究施設計画を北海道幌延町において進めている。本データ集は、幌延深地層研究計画(第2段階)において取得した地震観測データを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2019-013 2020
竹内竜史、岩月輝希、松井裕哉、他

超深地層研究所計画 年度報告書(2018年度)

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。本報告書は、2018年度に実施した超深地層研究所計画のそれぞれの研究分野における調査研究、共同研究、施設建設等の主な結果を示したものである。

JAEA-Review 2020-001 2020
中山雅、棚井憲治

モニタリング機器の放射線影響に関する検討

高レベル放射性廃棄物の地層処分におけるモニタリングには、施工上の品質を確認するためのモニタリング、人工バリアの状態把握や処分施設周辺部における地質環境条件に関するモニタリング、建設・操業・閉鎖の各作業を安全かつ確実に進めるための作業安全のモニタリング、処分場敷地周辺部の環境に関するモニタリングなどの種々のモニタリングが挙げられる。これらのモニタリングのうち人工バリアが設計で想定した状態を逸脱することなく性能が発揮されていることを確認し評価するための人工バリアの状態把握に関わるモニタリングに関しては、国際共同研究としてその考え方や具体的な方法等について検討が進められている。このようなモニタリング機器が置かれる環境条件には、温度、湿度、圧力、放射線や水質などがあり、地質環境や埋設深度、埋設する廃棄物の種類によって変動するため、モニタリング機器の検討を行う際には、環境条件を考慮した整理が必要である。そこで、人工バリアの状態を把握する際、緩衝材やオーバーパック表面、あるいはその周囲に設置されるモニタリング機器がオーバーパックから放出される放射線に曝されることから、ここではこれらモニタリング機器の放射線による影響について、代表的なセンサーに用いられている材料の耐放射線性と解析により求めた緩衝材中の吸収線量との比較を行った結果、モニタリング機器の使用寿命に影響を及ぼす線量ではないことが推定された。しかしながら電子部品を内蔵するモニタリング機器については、照射試験により信頼できるデータの取得の可能性について検証することが必要である。

JAEA-Review 2019-032 2020
雑賀敦

幌延深地層研究計画 平成30年度調査研究成果報告

幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施している。平成30年度は、「幌延深地層研究計画 平成30年度調査研究計画」に従って、調査研究および地下施設の建設を進めた。研究開発は従来通り、「地層科学研究」と「地層処分研究開発」に区分して行った。具体的には、「地層科学研究」では、地質環境調査技術開発、地質環境モニタリング技術開発、深地層における工学的技術の基礎の開発、地質環境の長期安定性に関する研究、という研究課題を設定し、「地層処分研究開発」では、人工バリアなどの工学技術の検証、設計手法の適用性確認、安全評価モデルの高度化および安全評価手法の適用性確認、という研究課題を設定している。幌延深地層研究計画の成果は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)における他の研究開発拠点での成果と合わせて一連の地層処分技術として、処分事業や安全規制に適宜反映していく。そのため、国内外の研究機関との連携を図り、大学などの専門家の協力を得つつ、本計画を着実かつ効率的に進めていく。また、研究開発業務の透明性・客観性を確保する観点から研究計画の策定から成果までの情報を積極的に公表し、特に研究成果については国内外の学会や学術誌などを通じて広く公開していく。

JAEA-Review 2019-018 2020
中山雅、大野宏和

幌延深地層研究計画における人工バリア性能確認試験
—350m調査坑道における人工バリアの設置および坑道の埋め戻し—

原子力機構が北海道幌延町で実施している幌延深地層研究計画では、堆積岩を対象として、深地層の科学的研究、地層処分技術の信頼性向上や安全評価手法の高度化等に向けた基盤的な研究開発および安全規制のための研究開発を実施している。平成26年度からは幌延深地層研究センターの地下施設の350m調査坑道(試験坑道4)において、幌延の地質環境をひとつの事例に、処分孔竪置き方式を対象として実規模の人工バリアを設置し、実環境下において人工バリア定置後の再冠水までの過渡期の現象(熱-水-応力-化学連成挙動)を評価する事を目的とした人工バリア性能確認試験を実施している。本報告では、人工バリア性能確認試験において実施した、試験坑道および試験孔の掘削、緩衝材および模擬オーバーパックの設置、転圧締め固めおよび埋め戻し材ブロックによる坑道の埋め戻し、コンクリートプラグの設置およびコンタクトグラウト工の実施、計測システムの整備および計測の開始、などについて述べる。上記の作業を通じて、開発した大口径掘削機による試験孔掘削の実証、緩衝材ブロック定置における真空把持装置の適用性、埋め戻し材転圧締め固めにおける品質管理手法の提示、低アルカリ性セメント材料によるコンクリートプラグの施工などについて確認を行い、実環境において処分概念の構築が十分に可能であることを示した。

JAEA-Research 2019-007 2019
市川康明、木本和志、松井裕哉

結晶質岩を対象とした連成現象が長期挙動におよぼす影響に関する研究(2)および(3)  (共同研究)

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、処分坑道周辺岩盤の力学的安定性は、建設・操業時はもとより、埋め戻し部分の状態変化を可能な限り小さくするため閉鎖後にわたって維持されることが重要である。一方、坑道周辺の岩盤は、長期的にはクリープや応力緩和などの力学的な時間依存性挙動を示すことが知られており、その挙動を把握・評価できる技術の構築が地層処分の技術的信頼性向上のための課題の一つとなっている。このため、微視的亀裂の進展に着目した室内実験および化学反応も考慮できるような数値解析による研究を通じ、一般性の高い岩盤の長期挙動メカニズムに関する知見を得ることを目的とした研究を、岡山大学との共同研究として2016年度より開始した。2017年度および2018年度の研究では、2016年度までの研究成果を踏まえ、2次元的に多点での表面波計測が可能な自動計測システムを構築するとともに、微視的構造特性の評価の観点から弾性波に関する幾つかのパラメータを算出した上で、それらの有用性について予察的な検討を実施した。

JAEA Research 2019-005 2019
尾上博則、木村仁

超深地層研究所計画 (岩盤の水理に関する調査研究)再冠水試験・坑道埋め戻しに伴う地下水環境の回復挙動の予測

本研究では、再冠水試験や坑道埋め戻しによって坑道周辺の地下水の水圧や水質変化に与える影響を確認するための予測解析を行った。再冠水試験の予測解析では、坑道の冠水条件の違いに着目した解析を実施した。その結果、再冠水試験の計画立案に有益な情報として、坑道の冠水速度による周辺岩盤の地下水環境の変化の違いを定量的に確認することができた。また、坑道埋め戻しの予測解析では、坑道の埋め戻し材の透水性の違いに着目した解析を実施した。その結果、坑道埋め戻し後10年程度の地下水圧および塩化物イオン濃度の変化を推定することができた。また、周辺岩盤と比べて高い透水性の埋め戻し材を用いる場合には、坑道内部が地下水の移行経路となり地下深部の塩化物イオン濃度の高い地下水が引き上げられることが示された。

JAEA Research 2019-001 2019
河野勝、葉山和則、松井裕哉、他

光ファイバ式ひび割れ検知センサの安全確保技術としての適用性に関する研究(平成27年度~平成30年度) (共同研究)

本共同研究では、東京測器研究所の光ファイバ式ひび割れ検知センサが、数十年間の長期的な安全確保技術として有効に機能しうるかに関する検証を行うことを主目的として、平成22年度(2010年度)から平成26年度(2014年度)まで実施していた東京測器研究所との共同研究を継続し、瑞浪超深地層研究所において、原位置での長期耐久性試験を実施した。この試験の結果、光ファイバ式ひび割れ検知センサシステムに関する地下坑道内での長期計測システムとしての適用性やその維持管理方法を実証的に確認したと同時に、今後の課題も明らかにした。

JAEA-Technology 2019-011 2019
尾上博則、竹内竜史

広域地下水流動研究における地下水の水圧長期モニタリング(2018年度)

日本原子力研究開発機構では、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、広域地下水流動研究を実施している。本研究は、広域における地表から地下深部までの地質・地質構造、岩盤の水理や地下水の水質を明らかにするために必要な調査・解析技術などを開発することを目標として、1992年度より調査研究を開始し、2004年度末をもって主な現場調査を終了した。2005年度からは、土岐花崗岩における水理学的・地球化学的な基礎情報の取得および地下水流動解析結果の妥当性確認のためのデータ取得を目的として、既存の観測設備を用いた表層水理観測および既存のボーリング孔を用いた地下水の水圧長期モニタリングを継続している。本報告書は、2018年度に実施した地下水の水圧長期モニタリングデータを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2019-010 2019
尾上博則、竹内竜史

超深地層研究所計画における研究坑道での湧水量計測データ集
—2016~2018年度—

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、岐阜県瑞浪市において結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。この計画は、「地表からの調査予測研究段階(第1段階)」、「研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)」、「研究坑道を利用した研究段階(第3段階)」の3段階からなる。研究所用地における第1段階の調査研究は、2002年度から2004年度まで実施され、2004年度からは第2段階の調査研究が、2010年度からは第3段階の調査研究が開始されている。研究坑道内に湧出する地下水については、超深地層研究所計画の「研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)」における岩盤の水理に関する調査研究の一環として計測体制が整備されて計測を開始し、「研究坑道を利用した研究段階(第3段階)」においても、湧水量計測を継続している。本データ集は、2016年度~2018年度に実施した研究坑道内での湧水量計測で取得したデータを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2019-009 2019
佐俣洋一、岩田樹哉、石井英一

幌延深地層研究計画におけるPB-V01孔を利用した原位置透水試験

幌延深地層研究計画においては、地下施設周辺のボーリング孔に設置した水圧モニタリング装置を用いて地下施設建設が水圧に及ぼす影響を観測している。PB-V01孔では、2008年10月から水圧観測を開始したが、現在では当時と比較して水圧が最大3MPa程度低下している。本報では、この水圧低下が岩盤の透水性に与える影響を評価するために、同孔内に設置された長期水圧モニタリング装置を用いた原位置透水試験を実施した結果を取りまとめた。

JAEA-Data/Code 2019-008 2019
酒井利啓、松岡稔幸

幌延深地層研究計画における広域スケールを対象とした地質構造モデルの構築データ集

日本原子力研究開発機構では、堆積岩を対象とした深地層の研究施設計画を北海道幌延町において進めている。 本データ集は、幌延深地層研究センターが導入した三次元地質構造モデル化ソフトウェア (VulcanTM:Maptek社)を用いて構築した広域スケールの三次元地質構造モデルとその数値データを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2019-007 2019
竹内竜史、岩月輝希、松井裕哉、他

超深地層研究所計画 年度計画書(2019年度)

日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。本計画書は、2015年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」および「超深地層研究所計画における調査研究計画—第3期中長期計画における調査研究計画—」に基づき、2019年度の超深地層研究所計画の調査研究計画、施設計画、共同研究計画等を示したものである。

JAEA-Review 2019-014 2019
青柳和平

幌延深地層研究計画 平成31年度調査研究計画

幌延深地層研究計画(本計画)は、日本原子力研究開発機構(原子力機構)が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施しているものである。原子力機構の第3期中長期計画では、本計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としている。幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階) 」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階) 」、「地下施設での調査研究段階(第3段階) 」の3つの調査研究段階に分けて進めることとしており、全体の期間は20年程度を考えている。平成31年度は、地下施設での調査研究段階(第3段階)を継続しながら、第3期中長期計画の5年度目として、同計画に掲げた3つの課題を達成していくための調査研究を実施するとともに、成果の取りまとめを行う。

JAEA-Review 2019-008 2019
竹内竜史、岩月輝希、松井裕哉、他

超深地層研究所計画 年度報告書(2017年度)

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。本報告書は、2017年度に実施した超深地層研究所計画のそれぞれの研究分野における調査研究、共同研究、施設建設等の主な研究成果を示したものである。

JAEA-Review 2019-005 2019

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地質環境の長期的安定性に関する研究

著者 タイトル(クリックで要旨) 発表先 発表年
後藤翠、村上雅紀、酒井隆太郎、他

地震及び断層活動による二次的影響に関する知見の整理 (受託研究)

地層処分システムに影響を及ぼす可能性がある天然現象の一つに、地震及び断層活動が挙げられる。地震及び断層活動では、断層変位による直接的な影響に加え、地震動に伴う湧水の発生や泥火山の活動、地震断層の活動により引き起こされる流体の移行経路の変化や副断層の形成のような二次的な影響も考慮する必要がある。本稿では、これらの二次的な現象による地層処分システムヘの影響の理解を目的として、水理学的影響(湧水・泥火山)、力学的な影響(副断層)を対象に、既往研究を収集し取りまとめた結果を報告する。関連するキーワードを各国語で検索することで、国内外の142編の文献を収集することができた。その結果、それぞれの二次的影響の研究事例を概観し、地層処分の観点で今後の評価技術の高度化に必要な課題を抽出した。地震等の影響による湧水については、湧出機構、影響範囲、活動履歴に関する事例の蓄積を課題として示した。泥火山については、形成の要因となる異常間隙水圧のメカニズムの検討及び予測手法の高度化を課題として示した。副断層については、詳細な分布の把握と形成機構の検討の蓄積が課題であると示した。

JAEA-Review 2020-003 2020
石丸恒存、尾方伸久、花室孝広、他

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(平成30年度)

本報は、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度~令和3年度)における平成30年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報告では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果及び今後の課題等について述べる。

JAEA Research 2019-006 2019
國分陽子、松四雄騎、石坂千佳、他

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターにおける加速器質量分析による石英中のベリリウム-10及びアルミニウム-26測定用試料調整法

本書は、岩石あるいは堆積物に含まれる石英中に生成したベリリウム-10(10Be) 及びアルミニウム-26(26Al) を加速器質量分析 (Accelerator Mass Spectrometry: AMS) によって測定するための試料調製法を示したものである。本書は、京都大学防災研究所の松四雄騎准教授が作成したラボマニュアル「Chemistry for in-situ 10Be and 26Al measurement for terrestrial quartz by AMS at MALT ver.1.3及びver.2.2」を元に、日本原子力研究開発機構東濃地科学センターで行っている手順をまとめた。

JAEA-Testing 2019-002 2019
石丸恒存、尾方伸久、花室孝広、他

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和元年度)

本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度~令和3年度)における令和元年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画−第3期中長期計画に基づき、第2期中期目標期間(平成22年度~平成26年度)における研究開発の成果、関係研究機関の動向や大学等で行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関のニーズ等を考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進していく。

JAEA-Review 2019-010 2019

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