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国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発

研究開発課題ごとの報告書(平成27年度)

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全項共通/ 人工バリア等の信頼性向上に関する研究 安全評価手法の高度化に関する研究地質環境特性調査・評価手法に関する研究地質環境の長期安定性に関する研究

全項共通

著者 タイトル(クリックで要旨) 投稿、発表先 発表年
地層処分研究開発推進部

平成26年度 研究開発・評価報告書評価課題「地層処分技術に関する研究開発」(中間評価)

地層処分研究開発・評価委員会は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」等に則り事前に定めた評価手法に従い、第2期中期計画期間(平成22年4月–平成27年3月)の研究開発の実施状況及び次期の計画の見通しについて、研究開発の必要性、有効性、効率性等の観点から評価を行った。その結果、第2期中期計画期間における研究開発の着実な進展や、地層処分技術の信頼性の向上と実用化に向けた成果の重要性等を確認する一方、地層処分について国民との相互理解の促進や総合的な技術基盤の維持・強化に加え、処分事業の長期性を考慮に入れ技術・知識の継承等の観点から、今後の研究開発を着実に進めていくための提言を行った。本報告書は、地層処分研究開発・評価委員会より提出された中間評価の結果を取りまとめるとともに、「評価結果(答申書)」を添付したものである。

JAEA-Evaluation 2015-014 2016

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安全評価手法の高度化に関する研究

著者 タイトル(クリックで要旨) 発表先 発表年
澤田淳、坂本和彦

核種移行評価上の岩盤と緩衝材の境界の取り扱いに関する考察

高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性を評価する技術開発の一環として、岩盤と緩衝材の境界における核種移行概念に着目し、その境界のモデル化上の取扱いが核種移行解析結果に与える影響について事例的に検討した。具体的には、H12レポートの設定を参考に構築した3次元亀裂ネットワークモデルの中央に処分坑道を模擬した任意の長さの線オブジェクトを設定し、線オブジェクトの長さをH12レポートと同じ100mから、50m, 10m, 5m, 3m, 1mと変えて、線オブジェクトから下流側境界へ至る移行経路での地下水移行時間の分布がどのように変化するかについて粒子追跡解析により検討した。また、粒子追跡解析によって得られた地下水移行時間や移行距離などの移行経路情報を用いた核種移行解析により、Cs–135を事例に、線オブジェクト長さの変化が核種移行の遅延効果の評価結果に与える影響を評価した。その結果、線オブジェクト長さの減少が核種移行率の減少に大きく寄与することがわかった。それに加えて、長さ1m–10m程度の空間分解能で透水量係数を測定して、透水量係数が高い区間には廃棄体を設置しないなどの対策を組み合わせることにより、さらに核種移行率が減少することがわかった。

JAEA-Research 2015-020 2016
Y. Tachi and T. Suyama

Development of JAEA Sorption Database (JAEA-SDB) : Update of Sorption / QA Data in FY2015

放射性廃棄物地層処分の性能評価において、放射性核種の緩衝材及び岩石中での収着・拡散現象は、その移行遅延を支配する重要な現象である。この目的のために、原子力機構(JAEA)では、緩衝材及び岩石を対象として、収着・拡散パラメータに関するデータベース開発を進めている。今後の性能評価におけるニーズへの対応を念頭に、データベースの改良・更新を継続的に実施してきた。本報告は、性能評価におけるKd設定のための統合的手法の構築の基礎として、収着データベースの開発と更新の現状について報告する。はじめにJAEA-SDBの開発の現状として、データベースの構造、内容、今回拡充した複数のパラメータ依存性の評価手法を含む機能、さらには、操作方法並びに性能評価への適用法等の概要をまとめる。Kdデータと信頼度情報の更新については、Kd設定や現象論モデル開発との関連に着目して実施した。今回の更新において、83の文献から11,206件のKdデータとその信頼度情報が追加され、JAEA-SDBに含まれるKdデータは約58,000件となり、全体に対して約60%のデータに対して信頼度情報が付与されたこととなる。今回更新されたJAEA-SDBによって、収着データベースから利用可能な関連データ群の速やかな抽出、Kd設定の際に参照すべきデータの適切な選定が、一層の効率性、追跡性、透明性をもって可能となると考えられる。

JAEA-Data/Code 2015-028 2016
舘幸男、陶山忠宏

緩衝材及び岩石中の拡散データベース(JAEA-DDB)の整備 —2015年度におけるデータ拡充—

放射性廃棄物地層処分の性能評価において、放射性核種の緩衝材(ベントナイト)及び岩石中での収着・拡散現象は、その移行遅延を支配する重要な現象である。日本原子力研究開発機構では、ベントナイト及び岩石を対象として、収着・拡散パラメータに関するデータベース開発を進めている。本報告は、今後の性能評価における最新の知見に基づく拡散パラメータ設定に資するため、拡散データベース(JAEA-DDB)に対する最新データの導入・更新について報告する。はじめにJAEA-DDBの現状として、データベースの構造、これまでに拡充してきたデータの分析評価に係る機能拡充等の概要をまとめる。今回の更新において、主にベントナイト、花崗岩、泥岩系を中心とした国内外の221の文献から約3,500件の拡散データ(De、 Da)が追加され、JAEA-DDBに含まれる拡散データは約5,000件となった。今回更新されたJAEA-DDBによって、国内外の最新の拡散データを含む実測データ群から、拡散パラメータ設定の際に参照すべきデータの適切な選定が、一層の効率性、追跡性、透明性をもって可能となると考えられる。

JAEA-Data/Code 2015-027 2016

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地質環境特性調査・評価手法に関する研究

著者 タイトル(クリックで要旨) 発表先 発表年
野原壯、三枝博光、岩月輝希、他

超深地層研究所計画における研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)研究成果報告書

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を主な対象とした超深地層研究所計画を進めている。超深地層研究所計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」及び「深地層における工学技術の基盤の整備」を全体目標として定め、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階に区分して調査研究を進めている。本稿では、深度500mの研究坑道掘削終了までの「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」における調査研究の成果や、その後の解析評価を通じて得られた成果を取りまとめている。第2段階では、第1段階において実施した調査・解析・評価手法の妥当性を確認するとともに、第2段階において地質環境を段階的に調査・評価するための体系的な方法論を整備した。さらに、地下施設の設計・施工に関して、研究坑道の施工・維持・管理に関わる工学技術の有効性を確認した。

JAEA-Research 2015-026 2016
市川康明、木本和志、佐藤稔紀、他

結晶質岩を対象とした連成現象が長期挙動におよぼす影響に関する研究 (2014年度) (委託研究)

高レベル放射性廃棄物の地層処分坑道の力学的安定性は、建設・操業時から坑道埋戻し後の数千年〜数万年という長期にわたって要求される。時間依存的挙動を示す岩石や岩盤の長期的な挙動を把握することは重要な課題である。一方で、岩石中の地下水の化学的な反応も長期挙動に影響を及ぼすことが明らかになった。この力学と化学の連成現象にも影響を及ぼすマイクロクラックの評価については、研究坑道を利用した調査研究段階(第3段階)においては、重点的に取組むべき課題でもある。平成27年度は、昨年度に引き続き、結晶質岩のマイクロクラックによる、超音波の散乱減衰挙動を調べるための数値解析および計測技術の開発を行った。実験は万成花崗岩を用い、水中でヘッドウェーブを、空気中でレーザー振動計を用いて表面波の計測を行った。一方、数値シミュレーションでは、FDTD法(時間領域差分法)による弾性波の伝播散乱解析を実施した。シミュレーションの予想と実験結果に有意な差があり、この原因として、マイクロクラックおよび造岩鉱物の結晶異方性の影響が考えられる。そのため、これらの2点の影響について更に検討を行う必要があることが明らかとなった。

JAEA-Research 2015-025 2016
小橋昭夫、尾上博則、山本真哉、他

逆解析を用いた地下水流動のモデル化・解析に関する研究 (共同研究)

高レベル放射性廃棄物の地層処分事業においては、地表より300m以深の地下深部に数km四方の地下施設が建設される。地層処分の安全性の評価にあたっては、放射性核種の主要な移行媒体となる地下水の流動特性やその不均質性を把握することが重要である。岩盤中には周辺岩盤と比較して数桁に渡り透水性の異なる断層や亀裂といった不連続構造が分布している。それらは空間的な透水不均質性の要因であり、地下水の流動方向や流速に大きな影響を与えている。このような透水不均質を効率的に推定するにあたっては、揚水試験などによる地下水圧変化データを用いた地下水流動の逆解析が有効な手法の1つとして挙げられる。一方で、原位置調査には調査数量や工期といった様々な制約があり、取得される調査データは限られたものとなる。また、調査の量や質に応じて最適な逆解析手法を選定する必要があると考えられる。そこで、本研究では地下水流動評価における逆解析手法の適用方法の検討に資することを目的として、複数の解析手法を用いた数値実験を実施した。さらに、得られた結果に基づき、解析手法の違いが解析結果に及ぼす影響の分析、およびそれぞれの手法の適用性を整理した。比較検討には、変分法による随伴方程式を用いたデータ同化手法であるアジョイント法、および逐次データ同化手法の一種であるアンサンブルカルマンフィルタによる逆解析手法を適用した。

JAEA-Research 2015-022 2016
深谷正明、畑浩二、秋好賢治、他

瑞浪超深地層研究所における工学技術に関する検討(平成26年度) —掘削影響の修復・軽減技術の開発— (委託研究)

瑞浪超深地層研究所計画における平成26年度の工学技術に関する検討5「掘削影響の修復・軽減技術の開発」の研究の一環として、将来実施が計画されている冠水坑道を地下水で満たす試験に必要となる止水壁他の検討を行った。具体的には、(1)止水壁の機能、構造、材料、施工及び品質管理方法等の検討、(2)冠水坑道を地下水で満たす試験時の止水壁周辺岩盤への影響の解析的予測、を実施した。その結果、予測される最大水圧、温度応力及び地震力に対する岩盤を含む構造安全性、漏水抑制、冠水坑道へのアクセス確保及び計測ケーブルの貫通等の要求を満足する止水壁等の仕様を決定するとともに止水壁設置後の冠水による止水壁周辺岩盤の挙動に関する予察的な知見を得た。

JAEA-Technology 2016-002 2016
小林伸司、新美勝之、辻正邦、他

瑞浪超深地層研究所における工学技術に関する検討(平成26年度) —設計・施工計画および施工対策技術の開発— (委託研究)

超深地層研究所計画では、「研究坑道の設計・施工計画技術の開発」、「研究坑道の建設技術の開発」、「研究坑道の施工対策技術の開発」、「安全性を確保する技術の開発」、「掘削影響の修復・軽減技術の開発」を目的として、工学技術に関する研究を進めている。本研究では、研究坑道の設計・施工計画技術の開発および施工対策技術の開発を目的として、地震動特性と湧水抑制対策技術に関する検討を実施した。地震動特性に関する検討については、瑞浪超深地層研究所に設置した地震計等の計測結果を分析し、各深度の方向ごとの計測データや地質状況との関係を総括的に評価した。湧水抑制対策技術に関する検討としては、平成25年度に立案した施工試験計画に基づいてポストグラウトを施工した結果を評価し、今後の技術開発の方向性について検討を加えた。

JAEA-Technology 2015-039 2016
細谷真一、山下正、岩月輝希、他

結晶質岩における坑道閉鎖時の地質環境モニタリング技術に関わる情報収集

超深地層研究所計画で研究開発を進めている三つの必須の課題のうち、坑道埋め戻し技術の開発においては、地下施設閉鎖時・後の地質環境の回復能力等の評価、地質環境条件に応じた埋め戻し技術の構築、及び長期モニタリング技術の開発を実施することとしている。 坑道埋め戻し技術の研究開発に資するため、先行して坑道の埋め戻しや、それに関わるモニタリングを実施している諸外国の結晶質岩中に建設された地下施設を対象として、坑道閉鎖に関わる制約条件、坑道周辺の地質環境条件、坑道閉鎖の方法・材料・工程、モニタリング方法の情報を収集・整理した。また、ヨーロッパ諸国で行われている坑道閉鎖試験やモニタリングに関わる国際プロジェクトについても情報収集・整理を行った。加えて、地下施設閉鎖に関わる計画立案、施工管理、モニタリング、安全評価に携わった実務経験を有する専門家にインタビューを行った。これらの情報収集・整理結果に基づき、瑞浪超深地層研究所における坑道全体を閉鎖する際の計画立案や施工管理、モニタリングに関わる考え方や留意事項、さらには坑道埋め戻し技術の開発における調査研究に関わる留意事項を整理した。

JAEA-Technology 2015-027 2016
上野哲朗、竹内竜史

広域地下水流動研究における表層水理観測データ集 2014年度

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、広域地下水流動研究の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量の水収支解析による算出、水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータの取得を目的として、表層水理観測を実施している。観測項目は降水量および河川流量であり、柄石川と日吉川を観測流域としている。本報告では、2014年度の表層水理観測で得られた降水量、河川流量について、データの欠測や異常値に対して補正・補完を行いデータセットとして取りまとめた。この表層水理観測は相当量のデータが蓄積されたため2014年度末を以て終了した。

JAEA-Data/Code 2015-032 2016
上野哲朗、竹内竜史

超深地層研究所計画における表層水理観測データ集 —2014年度—

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、超深地層研究所計画の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量の水収支解析による算出、水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータの取得および研究坑道掘削に伴う浅層の地下水環境の変化の把握を目的として、表層水理観測を実施している。この表層水理観測では、蒸発散量算出のための気象要素、降水量、河川流量、地下水位および土壌水分の観測を、正馬川流域、正馬川モデル流域および瑞浪超深地層研究所用地で実施している。本データ集は、2014年度の表層水理観測で得られたデータについて、欠測や異常値の補正・補完を行ってデータセットとして取りまとめた。また、研究坑道掘削工事における周辺環境モニタリングの一環で取得されている狭間川の河川流量データを用いて、同流域の岩盤浸透量も算出した。この表層水理観測は、相当量のデータが蓄積されたため2014年度末を以て終了した。

JAEA-Data/Code 2015-031 2016
草野友宏、石井英一

幌延深地層研究計画(第1段階)における深層ボーリング調査の割れ目データ集

日本原子力研究開発機構では、堆積岩を対象とした深地層の研究施設計画を北海道幌延町において進めている。本データ集は、幌延深地層研究計画(第1段階)において実施した深層ボーリング調査の割れ目データに関する情報を取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2015-024 2016
櫻井彰孝、青柳和平、藤田朝雄、他

幌延深地層研究センターの350m調査坑道における原位置岩盤の長期変形挙動の計測

高レベル放射性廃棄物の地層処分では、人工バリアおよびその周辺の岩盤領域の環境の明確化の観点から、熱—水理—力学連成現象を長期的に検討し、地層処分システムの安全評価へ反映していく必要がある。また、処分施設では、廃棄体定置後の処分施設の埋戻し後も考慮した長期的な岩盤の安定性が求められるため、原位置岩盤の長期的な力学挙動を検討していくことが重要となる。これらの背景を踏まえ、本報告書では、処分孔周辺岩盤の長期的な力学挙動に関する計測データの取得を目的として、幌延深地層研究センターの350m調査坑道において処分孔を模擬した鉛直孔(テストピット)を無支保で掘削し、テストピット内およびその周辺岩盤の変形挙動を計測し、テストピット掘削に伴う周辺地山への影響や、無支保のテストピット内の長期的な変形挙動の評価に資するためのデータを取得した。なお、本報告書では、テストピットの掘削、地質観察結果、計測器の仕様・設置方法および、平成26年2月から平成27年9月までの計測結果をとりまとめ、巻末付録にデジタルデータを収録した。

JAEA-Data/Code 2015-023 2016
大野宏和、武田匡樹、松岡稔幸

深層ボーリング孔を利用した地質学的調査および力学試験データ集 (HDB-1〜11孔)

幌延深地層研究センターでは、幌延深地層研究計画における地上からの調査研究段階において、深層ボーリング調査(HDB-1〜11孔)を実施した。本データ集はそれらの調査結果のうち、岩芯記載、孔壁画像検層、ボアホールテレビュアー、力学試験及び物理試験結果の結果をとりまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2015-021 2016
西尾和久、弥富洋介

「平成27年度 東濃地科学センター 地層科学研究 情報・意見交換会」資料集

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターにおいては、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(以下、地層科学研究)を実施している。地層科学研究を適正かつ効率的に進めていくため、研究開発の状況や成果、さらに今後の研究開発の方向性について、大学、研究機関、企業の研究者・技術者等に広く紹介し、情報・意見交換を行うことを目的とした「情報・意見交換会」を毎年開催している。本報告書は、平成27年10月29日に岐阜県瑞浪市で開催した「平成27年度 東濃地科学センター 地層科学研究 情報・意見交換会」で用いた発表資料を取りまとめたものである。

JAEA-Review 2015-041 2016
小林正人、齋藤雅彦、岩谷隆文、他

地層処分実規模設備運営等事業における工学技術に関する研究 —平成26年度成果報告— (共同研究)

原子力機構と原子力環境整備促進・資金管理センター(原環センター)は、地層処分研究ならびに技術開発を進めている。原子力機構は、北海道幌延町において幌延深地層研究計画を進めており、地層科学研究および地層処分研究開発を実施している。一方、国は深地層の研究施設等を活用して、国民全般の高レベル放射性廃棄物地層処分への理解促進を目的として、実規模・実物を基本とするが、実際の放射性廃棄物は使用せずに、地層処分概念とその工学的な実現性や人工バリアの長期挙動までを実感・体感できる設備の整備等を行う「地層処分実規模設備整備事業」を平成20年度から公募事業として進めており、平成26年度は事業名称を「地層処分実規模設備運営等事業」に変更した。原子力機構と原環センターは、原環センターが受注した「地層処分実規模設備運営等事業」の工学技術に関する研究を共同で実施するために、共同研究契約「地層処分実規模設備運営等事業における工学技術に関する研究」を締結した。なお、本共同研究は幌延深地層研究計画のうち、処分システムの設計・施工技術の開発や安全評価手法の信頼性確認のための研究開発の一環として実施する。本報告は、本共同研究における平成26年度の成果について取りまとめたものである。

JAEA-Research 2015-018 2015
小島圭二、大西有三、青木謙治、他

坑道周辺岩盤の概念再構築に関する研究 —平成26年度— (委託研究)

本報告書は、地層処分におけるニアフィールドコンセプトをより現実的に再構築する研究に関するものである。平成27年度は、当委員会の最終年度に当たるため、ニアフィールドコンセプトの再構築に関する検討概要と基本的考え方のまとめを行った。また、委員会での検討事項を整理して、「現実的なニアフィールドコンセプトの再構築」の残された課題を抽出した。特に、「2011年東日本大震災」後に、安全に関する社会のパラダイムが大きくシフトしたことを考慮して、地層処分に関して、社会が従来の安全概念では受け入れがたくなっていると考えられる事項も整理した。また、地下研究施設⁄ニアフィールド領域で実証可能な、地層処分 「必須の重要事項 」への対応を検討した。これらを通して、今後の地層処分⁄ニアフィールド領域の研究開発の方向を示した。

JAEA-Research 2015-017 2015
福井勝則、羽柴公博、佐藤稔紀、他

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究 (2014年度) (委託研究)

高レベル放射性廃棄物の地層処分において、処分坑道の力学的安定性は、建設・操業時はもとより閉鎖後も千年程度にわたって要求される。一方、処分坑道をとりまく岩石や岩盤は、クリープや応力緩和などの力学的な時間依存性挙動を示すことが知られており、その挙動を把握することは処分坑道の安定性評価における課題となっている。この課題を受け、調査研究開発を進めてきた。試験は中断することなく、試験期間は17年を越えた。また、湿潤状態かつ常温から100℃程度での、岩石の変形・破壊特性および時間依存性を調べるための試験方法について検討した。さらに、室内試験結果と地圧測定結果を用いて、三軸応力下での岩石の長期強度について検討した。

JAEA-Research 2015-015 2015
三枝博光、尾上博則、石橋正祐紀、他

割れ目分布に起因した水理特性の不均質性を考慮した水理地質構造のマルチスケールモデル化手法開発に関わる検討

割れ目系岩盤を対象とした高レベル放射性廃棄物の地層処分における地下水移行シナリオに基づく安全評価にあたっては、地下水流動特性の評価が重要であり、そのためには、地下水流動の卓越経路となる割れ目やその水理特性の空間分布を推定する必要がある。このことから、岩盤中の割れ目分布に起因した水理特性の不均質性を考慮した水理地質構造のマルチスケールモデル化手法を構築することを目的に、割れ目ネットワークモデルを適用した数十m四方程度の領域における三次元地質構造モデルおよび水理地質構造モデルを構築した。さらには、構築した割れ目ネットワークモデルに基づき、水理特性の空間的不均質性を考慮した連続体モデルを用いた数km四方程度の領域における水理地質構造モデルを構築した。これらの検討を通じて、調査データの種類や量に応じた割れ目ネットワークモデルを適用した地質構造モデルや水理地質構造モデルを構築するための方法論や、水理特性の空間的不均質性を考慮した連続体モデルによる水理地質構造モデルを構築するための方法論を提示した。

JAEA-Research 2015-011 2015
鵜山雅夫、人見尚、中嶋悟、他

瑞浪超深地層研究所でのプレグラウト領域の岩石の採取と室内分析

日本原子力研究開発機構は、経済産業省資源エネルギー庁からの委託研究として「地下坑道施工技術高度化開発」を進めてきた。本委託研究の一環として、瑞浪超深地層研究所深度200m予備ステージ避難所において、プレグラウチングによって岩盤に注入されたグラウト材の浸透範囲や、グラウト材の浸透による透水性の改善効果などを、多種多様な調査により把握した。「瑞浪超深地層研究所でのプレグラウト領域の岩石の採取と室内分析」では、これらの調査の継続として、グラウト材が岩盤固層部に及ぼす化学的影響に関する情報を取得するための調査を実施した。具体的には、グラウト材の浸透固化が予測される場所にチェックボーリングを掘削してサンプルを採取するとともに、割れ目内に見られるグラウト材および岩盤との接触部を対象に蛍光X線分析、透過電子顕微鏡観察等を行うことにより、グラウト材が岩盤固層部に及ぼす化学的影響に関する情報を取得した。

JAEA-Research 2015-010 2015
尾上博則、小坂寛、竹内竜史、他

超深地層研究所計画(岩盤の水理に関する調査研究) 第2段階におけるサイトスケールの水理地質構造モデルの構築

日本原子力研究開発機構では、地層処分研究開発の基盤となる深地層の科学的研究の一環として、岐阜県瑞浪市において結晶質岩を対象とした超深地層研究所計画(以下、MIU計画)を進めている。MIU計画では、研究坑道の建設工程やこれに伴う調査研究の課題、対象、空間スケールなどの違いを考慮し、第1段階(地表からの調査予測研究段階)、第2段階(研究坑道の掘削を伴う研究段階)、第3段階(研究坑道を利用した研究段階)の3つの段階に区分して研究を進めている。本研究では、サイトスケール(研究所用地を中心とした2km四方の領域)の水理地質構造モデルの構築・更新に係る方法論の整備を目的として、第1段階および第2段階で取得されたデータを用いた地下水流動解析を実施し、水理地質構造モデルのキャリブレーションを実施した。その結果、研究坑道掘削前の地下水圧分布ならびに研究坑道掘削に伴う湧水量や地下水圧分布の変化を総合的に精度よく再現できる第2段階のサイトスケールの水理地質構造モデルを構築することができた。

JAEA-Research 2015-008 2015
濱克宏、水野崇、笹尾英嗣、他

第2期中期計画期間における研究成果取りまとめ報告書 —深地層の研究施設計画および地質環境の長期安定性に関する研究—

日本原子力研究開発機構の第2期中期計画期間(平成22〜26年度)における、超深地層研究所計画および幌延深地層研究計画、地質環境の長期安定性に関する研究の成果を取りまとめた。研究成果については、地層処分事業におけるサイト選定から処分開始に関する意思決定ポイントまでに必要な技術情報を、事業者・規制機関が活用可能な形式で体系化し、所期の目標としていた精密調査(前半)の段階に必要となる技術基盤として整備した。

JAEA-Research 2015-007 2015
桑原和道、佐藤稔紀、真田祐幸、他

超深地層研究所計画(岩盤力学に関する調査研究)深度500mにおける岩盤力学調査

本報告は、岩盤力学に関する調査研究のうち応力場の把握および岩盤の物理・力学特製の把握を目的として、瑞浪超深地層研究所の深度500mの研究坑道で実施した、深度500mを対象とした室内物理・力学試験、深度500mにおける円錐孔底ひずみ法による初期応力測定、深度500mにおけるDSCA法による初期応力測定、岩盤力学モデルの構築の成果を取りまとめたものである。

JAEA-Research 2015-005 2015
酒井利啓、松岡稔幸

幌延地域を対象とした地表踏査および地形データにもとづく地質分布の推定

幌延深地層研究計画において、地質図に関しては舟木ほか(2005a)がそれまでの文献データの詳細検討を行い、20万分の1地質図幅をベースに幌延町域の地質図を作成するとともに検討に使用した地表踏査結果をデータベース化した。2007年には幌延深地層研究計画のうち第1段階の成果として深地層研究所設置地区周辺におけるデータのうち特に大曲断層に関する知見を取り込んで地質図を更新した。一方、幌延町周辺は資源探査(石油、天然ガス、石炭等)を目的とした既存の地質調査データが豊富にあり、文献として公表されている。このため今回、舟木ほか(2005a)が作成した地表踏査データベースに幌延町周辺で公表されている文献のデータを加えて地表踏査データベースの更新を行うとともに、この情報と酒井ほか(2014)による地形データをもとに幌延町周辺の数値地質図を作成し、GISデータとしてまとめた。本報告書の成果は、幌延深地層研究計画における地質環境のモデル化・解析やその長期変遷の解析・評価に反映させることで、それらの精度の向上に役立つと期待できる。

JAEA-Research 2015-004 2015
高山裕介、佐藤稔紀、真田祐幸、他

クラックテンソルモデルを用いた瑞浪超深地層研究所を対象とした三次元坑道掘削解析

日本原子力研究開発機構では、結晶質岩を対象とした深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備と、深地層における工学技術の基盤の整備を目標として、岐阜県瑞浪市において超深地層研究所計画を進めている。超深地層研究所計画における岩盤力学分野の研究では、地上からの調査予測研究段階において、研究坑道の掘削に伴い周辺岩盤中に生じる掘削影響の評価方法の構築を課題の一つとして設定している。本報告では、深度500mの換気立坑連接部、研究アクセス北坑道の地中変位計設置断面周辺、および斜坑部・冠水坑道の3箇所を対象として、クラックテンソルを算定し、掘削解析を実施した。研究アクセス北坑道の地中変位計設置断面周辺の解析結果については計測データとの比較を行った。また、換気立坑連接部の掘削解析においては、第1段階および第2段階で取得したクラックテンソルや初期応力測定結果を用い、第1段階と第2段階の解析結果の差異を比較・検討した。

JAEA-Research 2015-003 2015
平岩健一、平井和英、佐野禎、他

光ファイバ式ひび割れ検知センサの安全確保技術としての適用性に関する研究 (共同研究)

日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構と称す)は、地層処分のための技術基盤の整備を主たる目標として、瑞浪超深地層研究所および幌延深地層研究所において地下施設の建設に伴う研究プロジェクトを進行している。本共同研究では、操業時の空洞安定性等に影響を及ぼす可能性のある支保工のひび割れ発生を迅速に検知する技術として、東京測器研究所(以下、TMLと称す)光ファイバ式ひび割れ検知センサをとりあげた。本センサが数十年間の長期的な安全確保技術として有効に機能しうるかに関する検証を行うことを主目的として、瑞浪超深地層研究所では「光ファイバ式ひび割れ検知センサおよび支保工接着部の長期耐久性確認試験」、幌延深地層研究所では「光ファイバ式ひび割れ検知センサの性能確認試験」を原位置にて実施した。試験の結果、光ファイバ式ひび割れ検知センサは、支保工のひび割れ発生を迅速に検知する計測技術として有効活用することが可能と考えられる。

JAEA-Technology 2015-033 2015
戸谷成寿、小川賢、岩月輝希、他

観測装置の地上移設に関わる概念設計

MIU計画においては、今後の研究開発課題の1つとして研究坑道閉鎖(埋戻し)時・後の地質環境特性の回復や定常化に至るプロセスに関する知見の蓄積を挙げており、研究坑道閉鎖時・後における観測体系の構築が必要となる。本報告書では、現在、研究坑道に設置して使用している観測装置の地上移設に関する詳細設計に資することを目的とし、各観測装置の地上移設に関わる制約や坑道閉鎖時・後の観測に要求される要件等を整理し、概念設計を行った。

JAEA-Technology 2015-023 2015
長谷川隆、川本康司、山田信人、他

深度500m研究アクセス北坑道におけるボーリング調査報告書(13MI38号孔〜13MI44号孔)

本報告書は、瑞浪超深地層研究所の深度500m研究アクセス北坑道におけるボーリング(13MI38号孔: 掘削長102.10mabh、13MI39号孔: 掘削長16.40mabh、13MI40号孔: 掘削長16.60mabh、13MI41号孔: 掘削長16.60mabh、13MI42号孔: 掘削長11.55mabh、13MI43号孔: 掘削長11.60mabh、13MI44号孔: 掘削長11.67mabh)の調査により得られた地質学的、水理学的、地球化学的データ(岩盤等級、湧水箇所、湧水量、湧水圧、透水係数等)と、各ボーリング孔に設置した観測装置(岩盤変位計、地下水の水圧・水質モニタリング装置)の概要を取りまとめたものである。

JAEA-Technology 2015-011 2015
青柳和平、川手訓

幌延深地層研究計画 平成25年度地下施設計測データ集

日本原子力研究開発機構は、幌延深地層研究計画に基づき、地下施設の建設とともに第2段階の調査研究を実施している。本調査研究では、計測データを当該切羽や後続施工箇所の設計・施工にフィードバックする情報化施工プログラムを適用しており、掘削ごとに岩相および割れ目などの壁面観察や、エコーチップ硬さ試験および点載荷試験等の原位置試験を行った。さらに特定断面では、覆工コンクリート応力測定および地中変位測定等のデータを取得している。これらのデータを用い、第1段階で実施した地下施設の設計の妥当性評価を実施している。本報告書は、2013年度(平成25年度)に施工した350m調査坑道と換気立坑の350m以深で得られた調査・計測データをとりまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2015-017 2015
吉野浩光、岸敦康、横田秀晴

幌延深地層研究計画における深層ボーリング孔を利用した長期水圧観測

幌延深地層研究計画においては、地下施設周辺のボーリング孔に設置した水圧モニタリング装置を用いて地下施設建設が水圧に及ぼす影響を観測している。本報では、水圧観測開始から2015年3月までにHDB-1〜11孔及び換気立坑先行ボーリング(PB-V01孔)において取得された地下水間隙水圧観測結果を取りまとめた。

JAEA-Data/Code 2015-014 2015
中山雅、大野宏和、中山真理子、他

幌延深地層研究計画における人工バリア性能確認試験 計測データ集(平成26年度)

原子力機構が、北海道幌延町で実施している幌延深地層研究計画は、深地層の科学的研究、地層処分技術の信頼性向上や安全評価手法の高度化等に向けた基盤的な研究開発および安全規制のための研究開発を実施している。平成26年度からは、第3段階の調査研究として、地下施設の350m調査坑道において、人工バリア性能確認試験を実施している。この試験は、幌延の地質環境を事例に、処分孔竪置き方式を対象として実規模の人工バリアを設置し、実環境下において人工バリア定置後の再冠水までの過渡期の現象を評価する事を目的としている。本データ集は、取得したデータについて取りまとめたものであり、各種計測データの散逸防止を図ることを目的としている。また、計測データには、原環センターとの共同研究において設置した、地中無線モニタリング装置によって取得されたものも含まれる。なお、地中無線モニタリング装置の開発は、経済産業省資源エネルギー庁の実施する「地層処分技術調査等事業 処分システム工学確証技術開発」において開発された。データ集録期間は、平成26年12月から平成27年3月までである。今後もある程度の期間ごとにデータを取りまとめて公開する予定である。

JAEA-Data/Code 2015-013 2015
青柳和平、櫻井彰孝、丹生屋純夫

幌延深地層研究センターの250m大型試錐座(西)における初期地圧測定

幌延深地層研究センターの地下施設周辺岩盤の応力場を把握するため、250m大型試錐座(西)にて、方向、傾斜の異なる3本のボーリング孔を掘削し、水圧破砕法による3次元初期地圧測定を実施した。初期地圧を評価するにあたっては、14深度で観測されたき裂に作用する法線応力、5深度で生じたブレイクアウトの破壊位置および2深度で生じた縦き裂の開口圧に関する観測方程式を用いた。結果として、調査地点の初期地圧状態は、主応力の方位に関しては、両ケースにおいて、最大主応力が北方向から約70°西寄りで、鉛直方向下向きから約70°傾き、最小主応力は南から約20°西寄りで鉛直下方より約60°傾く結果となった。最大主応力の値は2.6MPa、最小主応力は2.1MPaであった。

JAEA-Data/Code 2015-012 2015
青柳和平、櫻井彰孝、丹生屋純夫

幌延深地層研究センターの250m小型試錐座(南)における初期地圧測定

幌延深地層研究センターの地下施設周辺岩盤の応力場を把握するため、250m小型試錐座(南)から直径76mm、長さ20mのボーリング孔である10-E250-M01孔(水平)、10-E250-M02孔(水平)および10-E250-M03孔(傾斜)を掘削し、水圧破砕法による3次元初期地圧測定を実施した。10-E250-M01孔では、ボーリング孔まわりの応力集中によって生じたブレイクアウトと考えられる連続的な破壊が孔壁に沿って認められた。ブレイクアウトの発生位置は、初期地圧によるボーリング孔まわりの応力集中を反映した孔壁の応力状態によって主に支配されるので、初期地圧の評価に利用することができる。そこで、3本のボーリング孔の31深度でおこなった水圧破砕試験のうち、16深度で測定されたき裂に作用する法線応力および10-E250-M01孔の3深度で測定されたボアホールブレイクアウトの破壊中央位置から初期地圧を評価した。調査地点の初期地圧状態は、最大主応力は方向がほぼEW方向からENE方向で水平に近いと評価され、その値は3.97MPaであった。この最大主応力の方向は、10-E250-M01孔で生じたブレイクアウトの位置および10-E250-M03孔で生じた縦き裂の方向から考えて合理的であった。

JAEA-Data/Code 2015-011 2015
青柳和平、櫻井彰孝、丹生屋純夫

幌延深地層研究センターの350mポンプ座における初期地圧測定

幌延深地層研究センターの地下施設周辺岩盤の応力場を把握することを目的として、350mポンプ座にて水圧破砕法による3次元初期地圧測定を実施した。初期地圧を評価するにあたっては、異なる方向へ掘削した4本のボーリング孔の31深度で水圧破砕により造成された横き裂に作用する法線応力、1深度で生じたブレイクアウト発生位置および12深度で生じた縦き裂の開口圧に関する観測方程式を用いた。水圧破砕試験結果の解析では、ボアホールブレイクアウトの発生条件を加味した場合と、加味しない場合の2ケースで初期地圧を評価した。その結果、ブレイクアウト発生条件を加味した場合、最大主応力が約12MPaと、推定される土被り圧約6MPaの2倍程度の値となる。また、最大主応力と最小主応力の比が約6となり、差応力が大きな結果となった。また、ブレイクアウトの発生条件を加味しない場合は、最大主応力が6MPa程度であり、推定土被り圧と同程度の値を示す。また、最大主応力と最小主応力の比も、2.7程度であり、主応力差がそれほど生じなかったという観点から見ると、地上からの調査段階の結果に整合する傾向となった。主応力の方位に関しては、両ケースにおいて、最大主応力が北方向から約30°西寄りで、鉛直方向から約45°傾いた結果となった。

JAEA-Data/Code 2015-010 2015
上野哲朗、竹内竜史

超深地層研究所計画における表層水理観測データ集 —2013年度—

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、超深地層研究所計画の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量の水収支解析による算出、水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータの取得および研究坑道掘削に伴う浅層の地下水環境の変化の把握を目的として、表層水理観測を実施している。この表層水理観測では、蒸発散量算出のための気象要素、降水量、河川流量、地下水位および土壌水分の観測を、正馬川流域、正馬川モデル流域および瑞浪超深地層研究所用地で実施している。本データ集は、2013年度の上記流域等で得られた気象要素、降水量、河川流量、地下水位、土壌水分について、欠測や異常値を示すデータの補正・補完を行ってデータセットとして取りまとめた。また、研究坑道掘削工事における周辺環境モニタリング調査の一環で取得されている狭間川の河川流量データを用いて、2013年度の同流域の岩盤浸透量も算出した。

JAEA-Data/Code 2015-007 2015
上野哲朗、竹内竜史

広域地下水流動研究における表層水理観測データ集 —2013年度—

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、広域地下水流動研究の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量の水収支解析による算出、水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータの取得を目的として、表層水理観測を実施している。観測項目は降水量および河川流量であり、柄石川と日吉川を観測流域としている。本報告では、2013年度の表層水理観測で得られた降水量、河川流量について、データの欠測や異常値に対して補正・補完を行いデータセットとして取りまとめた。

JAEA-Data/Code 2015-006 2015
石橋正祐紀、笹尾英嗣

深層ボーリング調査によって確認された土岐花崗岩中の割れ目データ集

日本原子力研究開発機構バックエンド研究開発部門東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)を進めている。本データ集は、地層科学研究の一環として実施した地表からのボーリング調査のうち、深層ボーリング調査によって確認された土岐花崗岩中の割れ目に関する情報を取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2015-004 2015
黒岩弘、川本康司、山田信人、他

超深地層研究所計画 瑞浪超深地層研究所 研究坑道におけるボーリングデータ集(12MI27号孔〜14MI51号孔)

日本原子力研究開発機構では、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」および「深地層における工学技術の基盤の整備」を第1段階から第3段階までを通した全体目標として定め、「第1段階:地表からの調査予測研究段階」、「第2段階:研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階:研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる計画である。本報告書は、2012年度から2014年度にかけて、瑞浪超深地層研究所の研究坑道において実施した20本のボーリング調査の掘削仕様、各種データの取得結果を取りまとめたものである。

JAEA Data/Code 2015-003 2015
濱克宏、見掛信一郎、石橋正祐紀、他

超深地層研究所計画 年度報告書 (2014年度)

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2014年度は、2014年2月における深度500mステージの研究坑道の掘削工事の完了に伴い、超深地層研究所計画における深度500mまでの第2段階の調査研究を一旦終了し、これまで実施してきた各種モニタリングを含め、物質移動試験や再冠水試験等の第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2014年度に実施した調査研究、施設建設、共同研究等の成果を取りまとめたものである。

JAEA-Review 2015-024 2015
濱克宏、竹内竜史、三枝博光、他

超深地層研究所計画 年度計画書 (2015年度)

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画書は、2015年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づき、2015年度の超深地層研究所計画の調査研究計画、施設計画、共同研究計画などを示したものである。2015年度の調査研究としては、2014年度に原子力機構改革を契機に抽出された超深地層研究所計画における三つの必須の課題(「物質移動モデル化技術の開発」、「坑道埋め戻し技術の開発」、「地下坑道における工学的対策技術の開発」)の調査研究を進める。

JAEA-Review 2015-021 2015
花室孝広

幌延深地層研究計画 平成26年度調査研究成果報告

幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施されている。平成26年度は、「幌延深地層研究計画 平成26年度調査研究計画」に従って、調査研究および地下施設の建設を継続した。研究開発は従来通り、「地層科学研究」と「地層処分研究開発」に区分して実施した。具体的には、「地層科学研究」では、地質環境調査技術開発、地質環境モニタリング技術開発、深地層における工学的技術の基礎の開発、地質環境の長期安定性に関する研究、という研究課題を設定し、「地層処分研究開発」では、人工バリアなどの工学技術の検証、設計手法の適用性確認、安全評価モデルの高度化および安全評価手法の適用性確認、という研究課題を設定している。本報告書はそれらの成果を取りまとめたものである。幌延深地層研究計画の成果は、原子力機構における他の研究開発拠点での成果と合わせて一連の地層処分技術として、処分事業や安全規制に適宜反映していく。

JAEA-Review 2015-017 2015
地層科学研究部

超深地層研究所 地層科学研究基本計画

2014年、高速増殖原型炉「もんじゅ」における保守管理の不備などを契機に行われた原子力機構改革において、超深地層研究所計画について、これまでの研究開発成果を取りまとめ、残された必須の課題を提示した。今回の改訂では、原子力機構の改革計画により提示した必須の課題に基づき、研究坑道を利用した研究段階(第3段階)の研究計画を具体化した。

JAEA-Review 2015-015 2015
花室孝広

幌延深地層研究計画 平成27年度調査研究計画

本計画は、原子力機構が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施している。原子力機構の第3期中長期計画では、幌延深地層研究計画について、「実際の地質環境における人工バリアの適用性確認、処分概念オプションの実証、地殻変動に対する堆積岩の緩衝能力の検証に重点的に取り組む。また、平成31年度末までに研究終了までの工程やその後の埋戻しについて決定する。」としている。幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの調査研究段階に分けて進めることとしており、全体の期間は20年程度を考えている。平成27年度は、地下施設での調査研究段階(第3段階)を継続しながら、第3期中長期計画の初年度として、同計画に掲げた3つの課題を達成していくための調査研究を実施する。

JAEA-Review 2015-010 2015

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地質環境の長期的安定性に関する研究

著者 タイトル(クリックで要旨) 発表先 発表年
梅田浩司、安江健一、國分陽子、他

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書 (平成27年度)

本計画書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期計画期間(平成27年度–平成33年度)における平成27年度の研究開発計画である。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画–第3期中長期計画に基づき、第2期中期計画期間(平成22年度–平成26年度)における研究開発の成果、関係研究機関の動向や大学等で行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関のニーズ等を考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進していく。

JAEA-Review 2015-019 2015
梅田浩司、安江健一、國分陽子、他

「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画 第3期中長期計画(平成27年度〜平成33年度)

本計画書は、深地層の科学的研究のうち、「地質環境の長期安定性に関する研究」における今後7か年(第3期中長期計画期間、2015年度–2021年度)の基本計画である。本計画の策定にあたっては、関係研究機関の動向や大学などで行われている基礎研究を精査した上で、関係法令や報告に留意しつつ、研究の基本的な考え方、研究の方向性、研究課題、達成目標、推進方策などを取りまとめた。さらに、実施主体や規制機関の様々なニーズのうち重要性と緊急性を考慮して研究計画の重点化を図った。なお、第3期中長期計画では、調査技術の開発・体系化、長期予測・影響評価モデルの開発、年代測定技術の開発の3つの枠組みで研究開発を推進していく。

JAEA-Review 2015-012 2015

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