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国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発

研究開発課題ごとの報告書(平成25年度)

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全項共通/人工バリア等の信頼性向上に関する研究/安全評価手法の高度化に関する研究地質環境特性調査・評価手法に関する研究地質環境の長期安定性に関する研究



安全評価手法の高度化に関する研究

著者 タイトル(クリックで要旨) 発表先 発表年
柴田雅博、澤田淳、舘幸男、他

概要調査段階における設計・性能評価手法の高度化(その2) −NUMO-JAEA共同研究報告書(2012年度)− (共同研究)

原子力機構(JAEA)及び原子力発電環境整備機構(NUMO)は、平成24年度に引き続き、JAEAがこれまで蓄積してきた技術やノウハウを、NUMOが今後行う精密調査地区の選定等の処分事業に直接適用できるよう、実施主体の視点に沿って実用化を図っていくことを目的として、概要調査段階における処分場の設計・性能評価に関連する主要な技術テーマについて検討した。(1)水理の観点からみた母岩の適性を評価する方法に関する検討については、平成24年度に引き続き、結晶質岩を対象とした地下水移行時間の評価ツリーを拡充するとともに、新たに堆積岩を対象とした評価ツリーを作成した。(2)シナリオの構築に関する検討については、平成24年度の状態設定手順を実務的な観点から見直し、緩衝材を対象として試行した。また、安全機能への不確実性の影響について解析的検討を行った。(3)核種移行パラメータの設定に関する検討については、母岩の分配係数を対象に、国内外の事例調査をもとに複数の条件変換手法を含む設定手法を整理し、堆積岩及び花崗岩への適用を通じ妥当性や課題を確認した。さらに、溶解度について、溶解度制限固相の決定を含む設定手法を検討し、主要核種への適用を通じ妥当性や課題を確認した。

JAEA-Research 2013-037 2013
注連本英典、山口正秋、若杉圭一郎、他

高レベル放射性廃棄物処分場を対象とした隆起・侵食および気候・海水準変動による影響評価手法の検討 −わが国における河川侵食による地形変化モデルの構築−

本研究では天然現象のうち隆起・侵食/気候・海水準変動事象に着目し、地下深部に設置された処分場が地表に近接した場合の影響を定量的に評価すべく、わが国における侵食作用の中で主要、かつ速度が大きいと考えられる河川の侵食作用に注目し、河川侵食により生じる地形変化の概念モデルを流域により異なる河川侵食/堆積のシステムごとに構築した。河川侵食による地形変化の概念モデルは、これまで未着手であった河川の下流〜河口部、および源流部を対象として、過去12万年程度の隆起・侵食および気候・海水準変動の影響による河川の地形変化の記録を模式化することにより概念モデルを構築した。さらに、処分場の地表近接プロセスの評価において必要となる侵食量を見積もるために、沖積層の情報をもとに河川の流路付近の下刻及び側方侵食の深さと幅を分析し、モデルにおけるディメンジョンの設定方法を例示した。源流部の概念モデルでは、中部山岳地帯のDEMデータをもとに谷に関するディメンジョンを例示した。以上の検討を通じて、わが国の河川侵食の特徴を踏まえた地形変化の概念モデルの開発と、河川侵食による処分場の地表近接による影響を評価するための基盤情報を整備した。

JAEA-Research 2013-012 2013
D. Rai and M. Yui

Thermodynamic Data Development Using the Solubility Method (Joint Research)

溶解度法は次のような熱力学データを信頼性高く求めるのに有力な方法の一つである。その熱力学データとは、1)個々の固相や複塩の溶解度積、2)種々の配位子の錯生成定数、3)広範囲なpH域にわたるデータ、4)極めて難溶性な固相(例えば、4価のアクチニド)を生成する金属のデータ評価、5)様々な廃棄物中での溶解度制限固相の決定、6)酸化還元に鋭敏な系に対する温度上昇である。本書は、溶解度法によってこのような熱力学データを取得する際の様々な特徴を記述することに焦点をあてたものである。本書は、研究テーマの選定、重要な変数を定義するためのモデル、変数や実験パラメータの範囲の選定、予測される結果、一般的な設備要求、実験の実施および実験データの解釈、といった溶解度試験の実施における様々な特徴を記述している。

JAEA-Technology 2013-002 2013

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地質環境特性調査・評価手法に関する研究

著者 タイトル(クリックで要旨) 発表先 発表年
落合彰二、浅森浩一、常盤哲也、他

幌延深地層研究計画における地震研究 −地震観測データおよびそれらの解析結果(2003〜2012年度)−

本研究の目的は、地質環境の長期安定性に関する地震データを得るために必要な観測技術と解析技術を検討することである。幌延地域を事例とした地震観測網の整備と約9年間の観測を通じて、多雪寒冷な環境下に対するピットを用いた地震計設置の有効性などの観測技術を確認した。比較的軟弱な地盤における観測点の性能は、バックグラウンドノイズと地震を識別できる加速度が1mGal程度であった。解析技術については、観測データが震源決定に有効な範囲を確認した。また、Multiplet-clustaring法とDouble-Difference法(DD法)を適用することにより、震源決定精度を高めるための解析条件を確認した。これらの解析法は震源が集中するときに適用性が高いと推定された。DD法は震源に近い観測点を含む多数のデータを用いた結果、解析結果の信頼性が向上した。メカニズム解を求めた結果、東西圧縮の逆断層型が認められた。これは想定されている広域応力場や地質構造と調和した。

JAEA-Research 2014-002 2014
市川康明、木本和志、佐藤稔紀、他

結晶質岩を対象とした連成現象が長期挙動におよぼす影響に関する研究(2012年度) (委託研究)

岩盤は断層や節理などのさまざまなスケールの不連続面群と鉱物を非均質に内包した複合材料であり、結晶質岩についてミクロな視点で岩石を見ると、個々の結晶粒子と粒界及び粒子内における微視亀裂の集合体である。岩盤の長期挙動の研究では、応力と化学反応が連成した現象を理解することが重要である。そこで本研究では、(1)石英の溶解に関する理論的並びに実験的研究、(2)結晶質岩の弾性波速度伝播に関する実験的研究を実施した。石英の溶解に関する理論的並びに実験的研究では、石英供試体の溶解速度を実験的に得るとともに石英に対する溶解速度式を提案した。結晶質岩の弾性波速度伝播に関する実験的研究では、花崗岩のコアサンプルを用いて超音波伝播速度を計測し、数百kHz数MHz帯の弾性波の位相や周波数等をはじめとする伝播特性を調べた。

JAEA-Research 2013-045 2014
丹野剛男、佐藤稔紀、真田祐幸、他

超深地層研究所計画(岩盤力学に関する調査研究)深度300mおよび深度400mにおける岩盤力学調査

岩盤力学に関する調査研究では、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」の一環として、安全評価の観点から、「掘削影響領域の地質環境特性の把握」を個別目標に設定しており、設定された目標に対して、(i)掘削影響領域の範囲の把握、(ii)掘削影響領域の物理・力学特性分布の把握、(iii)掘削影響領域の応力状態の把握を課題に掲げている。また、地下空洞の設計・施工の観点から、「地下空洞の力学安定性の把握」を個別目標に設定しており、設定された目標に対して、(iv)応力場の把握、(v)岩盤の物理・力学特性の把握、(vi)不連続構造などの有無の把握を課題に掲げている。本報告は、瑞浪超深地層研究所の深度300mおよび深度400mで実施した岩盤力学に関する調査研究、(1)深度300mおよび深度400mを対象とした室内物理・力学試験、(2)深度300mにおける円錐孔底ひずみ法による初期応力測定(3)深度300mおよび深度400mにおけるボーリングコアを用いた初期応力測定、の結果をまとめたものである。

JAEA-Research 2013-044 2014
引間亮一、平野享、山下雅之、他

掘削体積比エネルギーを用いた原位置岩盤物性評価に関する研究(共同研究)

高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発では、岩盤の力学特性や初期応力状態を評価して岩盤力学モデルを構築し、坑道掘削時の力学的安定性を評価するとともに、岩盤の長期的な挙動を評価することが重要な課題とされている。坑道掘削前のボーリングコアなど限られた情報からでは、割れ目を含む原位置岩盤の力学特性を精度よく評価することは困難であるため、原位置岩盤の力学特性を簡便で精度よく把握する手法として、掘削機械の掘削データから得られる掘削体積比エネルギーに基づく原位置岩盤物性評価手法に関する研究を実施した。その結果、以下の知見を得た。(1)基礎実験から得られたSEによる強度推定式より、原位置の岩盤強度を概ね正しく評価することができ、その誤差は20〜30%であった。(2)基礎実験から得られた削孔速度による強度推定式では、岩盤強度を正しく評価できないことがわかった。(3)1つの推定式からより広範囲の岩盤強度を算出できる可能性を示した。本報告書は、2010年度〜2012年度の3年間で実施した共同研究の成果をまとめたものである。

JAEA-Research 2013-040 2014
中司昇、佐藤治夫、棚井憲治、他

地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究 −平成24年度成果報告− (共同研究)

原子力機構と原子力環境整備促進・資金管理センターは、原子力環境整備促進・資金管理センターが受注した「地層処分実規模設備整備事業」の工学技術に関する研究を共同で実施するため、「地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究」について共同研究契約を締結した。本共同研究は深地層研究所(仮称)計画に含まれる地層処分研究開発のうち、処分システムの設計・施工技術の開発や安全評価手法の信頼性確認のための研究開発の一環として実施されている。本報告は、上記の共同研究契約に関わる平成24年度の成果についてまとめたものである。具体的成果としては、平成20年度に策定した全体計画に基づき、緩衝材定置試験設備や、実物大の緩衝材及びオーバーパック(模擬)の展示を継続するとともに、ブロック式緩衝材定置試験設備の自動運転用ソフトウェアを製作した。また、緩衝材の浸潤試験を継続した。

JAEA-Research 2013-034 2014
井尻裕二、納多勝、延藤遵、他

瑞浪超深地層研究所における工学技術に関する検討(平成21年度、平成22年度)(委託研究)

超深地層研究所計画では、「研究坑道の設計・施工計画技術の開発」、「研究坑道の建設技術の開発」、「研究坑道の施工対策技術の開発」、「安全性を確保する技術の開発」を目的として、工学技術に関する研究を進めている。本研究では、これら4項目の工学技術研究として、深度460mまでの研究坑道の施工によって取得された計測データを用いて、設計の妥当性の検討や施工管理のための計測結果の分析と課題の抽出、パイロットボーリングから得られた情報の有効性に関する評価を行うとともに、研究坑道掘削工事で適用される技術の抽出と有効性評価を実施し、今後の技術開発の方向性について検討を加えた。

JAEA-Technology 2013-047 2014
露口耕治、黒岩弘、川本康司、他

深度500m研究アクセス北坑道における先行ボーリング調査報告書(12MI27号孔、12MI33号孔)

本報告書は、深度500m研究アクセス北坑道における先行ボーリング(12MI27号孔、12MI33号孔)の調査結果を取りまとめたものである。調査では、地質学的、水理学的、地球化学的データを取得するとともに、12MI33号孔では第3段階の再冠水試験のための地下水の水圧・水質モニタリング装置を設置した。調査の結果、割れ目の少ない中粒から粗粒の等粒状組織を示す黒雲母花崗岩が分布し、岩級はCH〜B級である。また、12MI33号孔では当初モデルで推定していなかった断層ガウジを伴う小規模断層が認められた。主立坑断層に近い12MI27号孔での割れ目密度は、12MI33号孔に比べ大きくなる傾向がある。孔内湧水は両孔ともに少ない。透水係数は、非変質帯で湧水量が少ない区間で4.8E-10〜6.1E-09m/sec、非変質帯で湧水量が多い区間で1.1E-07〜2.7E-07m/secの範囲であった。地下水の水質は、Na, Clに富む水質であった。

JAEA-Technology 2013-044 2014
大森一秋、新宮信也、増田薫、他

超深地層研究所計画における地下水の地球化学に関する調査研究 −瑞浪層群・土岐花崗岩の地下水の地球化学特性データ集− (2012年度)

日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響を把握することを目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2012年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2013-024 2014
別府伸治、狩野智之、竹内竜史、他

超深地層研究所計画における地下水の水圧長期モニタリング(2012年度)

超深地層研究所計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階および第3段階における調査研究を進めている。本計画の第2段階では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築および研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を目標としており、その一環として、地下水の水圧長期モニタリングを実施している。本報告書は、2012年度に実施した地下水の水圧長期モニタリングデータを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2013-023 2014
稲垣大介

幌延深地層研究計画 平成24年度地下施設計測データ集

日本原子力研究開発機構は、幌延深地層研究計画に基づき、地下施設の建設とともに第2段階の調査研究を実施している。本調査研究では、計測データを当該切羽や後続施工箇所の設計・施工にフィードバックする情報化施工プログラムを適用しており、掘削ごとに岩相および割れ目などの壁面観察や、エコーチップ硬さ試験および点載荷試験等の原位置試験を行い、さらに特定断面では覆工コンクリート応力測定および地中変位測定等のデータを取得している。また、これらのデータを用い、第1段階で実施した地下施設の設計の妥当性評価を実施している。本報告書は、2012年度(平成24年度)に施工した東立坑と350m調査坑道で得られた調査・計測データをとりまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2013-022 2014
佐藤成二、尾方伸久、竹内竜史、他

超深地層研究所計画における研究坑道での湧水量計測(2004〜2011年度)データ集

日本原子力研究開発機構 東濃地科学研究ユニットでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、岐阜県瑞浪市において結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「地表からの調査予測研究段階(第1段階)」、「研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)」、「研究坑道を利用した研究段階(第3段階)」の3段階からなる。研究所用地における第1段階の調査研究は、2002年度から2004年度まで実施され、2004年度からは第2段階の調査研究が、2010年度から第3段階の調査研究が開始されている。第2段階の調査研究では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築および研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を段階目標の一つとして調査研究を実施しており、その一環として、研究坑道内への湧水量計測を2005年2月から実施している。本データ集は、2004年度から2011年度までに実施した研究坑道内での湧水量計測で取得したデータを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2013-020 2014
西尾和久、島田顕臣

「平成25年度 東濃地科学センター 地層科学研究 情報・意見交換会」資料集

日本原子力研究開発機構 東濃地科学センターにおいては、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(以下、地層科学研究)を実施している。地層科学研究を適正かつ効率的に進めていくため、研究開発の状況や成果、さらに今後の研究開発の方向性について、大学、研究機関、企業の研究者・技術者等に広く紹介し、情報・意見交換を行うことを目的とした「情報・意見交換会」を毎年開催している。本報告書は、平成25年10月29日に岐阜県瑞浪市で開催した「平成25年度 東濃地科学センター 地層科学研究 情報・意見交換会」で用いた発表資料を取りまとめたものである。

JAEA-Review 2013-060 2014
濱克宏、見掛信一郎、西尾和久、他

超深地層研究所計画 年度報告書(2012年度)

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2012年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2012年度に実施した1)調査研究、2)施設建設、3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

JAEA-Review 2013-050 2014
濱克宏、見掛信一郎、西尾和久、他

超深地層研究所計画 年度計画書(2013年度)

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる。2013年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めていく。本計画書は、2010年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた2013年度の超深地層研究所計画の調査研究計画、施設建設計画、共同研究計画などを示したものである。

JAEA-Review 2013-044 2014
中山雅

幌延深地層研究計画 平成24年度調査研究成果報告

幌延深地層研究計画は、「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて実施されている。平成24年度は、「幌延深地層研究計画平成24年度調査研究計画」に従って、調査研究および地下施設の建設を継続した。研究開発は従来通り、「地層科学研究」と「地層処分研究開発」に区分して実施した。具体的には、「地層科学研究」では、地質環境調査技術開発、地質環境モニタリング技術開発、深地層における工学的技術の基礎の開発、地質環境の長期安定性に関する研究、という研究課題を設定し、「地層処分研究開発」では、人工バリアなどの工学技術の検証、設計手法の適用性確認、安全評価モデルの高度化および安全評価手法の適用性確認、という研究課題を設定している。本報告書はそれらの成果を取りまとめたものである。幌延深地層研究計画の成果は、原子力機構における他の研究開発拠点での成果と合わせて一連の地層処分技術として、処分事業や安全規制に適宜反映していく。

JAEA-Review 2013-037 2014
福井勝則、羽柴公博、丹野剛男、他

結晶質岩を対象とした長期岩盤挙動評価手法に関する研究(2012年度)(委託研究)

長期にわたる岩石や岩盤の時間依存性挙動を把握することは、坑道の長期安定性を評価する上で重要な課題である。そこで、岩石や岩盤の時間依存性挙動を、精密な試験や観察・計測から直接的に検討する手法(現象論的方法)で解明し、岩盤構造物の長期挙動予測評価手法を開発する研究を行ってきた。本報告書は、2012年度に実施した岩石や岩盤の時間依存性挙動に関する研究をまとめたものである。第1章では、これまでの研究内容とその背景を概括した。第2章では、1997年度から継続している田下凝灰岩のクリープ試験結果について報告した。第3章では、岩石の時間依存性挙動把握のため、載荷速度依存性に関するデータの整理と分析を行った。第4章では、原位置試験計画の策定のため、空洞の周辺岩盤に生じる応力が一本の円形坑道を掘削した際の周辺岩盤の応力状態よりも大きくなるような条件下での坑道の安定性について検討した。

JAEA-Research 2013-031 2013
長谷川健、山田信人、遠藤令誕、他

ヘリコプターを用いた空中物理探査データの再解析

花崗岩分布域における空中物理探査の適用性を評価するために、平成9年から平成11年にかけて岐阜県東濃地域の花崗岩分布域を対象にヘリコプターを用いた空中物理探査(空中電磁探査、空中磁気探査、空中γ線探査)が実施された。今回、当時取得したデータを再解析し、以下の結果を得た。(1)空中電磁探査;見掛比抵抗の新たな計算方法を考案しデータの再処理を行った。その結果、それぞれの岩石の比抵抗に応じた見掛比抵抗を計算することが可能となり、その値を用いて作成した見掛比抵抗コンター図から、花崗岩体の深度の変化を明瞭に読み取ることができた。(2)空中磁気探査;当該地域の花崗岩の磁化率は岩体全体で均一ではなく、磁化率の観点から花崗岩はおよそ五つの部分に区分可能であることが判った。また、カラー陰影図は磁気異常の定性解析に有効であることが判った。(3)空中γ線探査;γ線の局所異常を示す地点を新たに抽出した。抽出された異常点は開口性の断裂を反映しているのではなく、花崗岩の露頭あるいはウラン鉱床の露頭を反映している可能性が高い事が推論された。今回の解析結果から、ヘリコプターを用いた空中物理探査が地表での調査計画の立案に必要な多くの情報を提供可能であることが再確認された。

JAEA-Research 2013-028 2013
中司昇、佐藤治夫、棚井憲治、他

地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究 −平成23年度成果報告− (共同研究)

原子力機構と原子力環境整備促進・資金管理センターは、原子力環境整備促進・資金管理センターが受注した「地層処分実規模設備整備事業」の工学技術に関する研究を共同で実施するため、「地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究」について共同研究契約を締結した。本共同研究は深地層研究所(仮称)計画に含まれる地層処分研究開発のうち、処分システムの設計・施工技術の開発や安全評価手法の信頼性確認のための研究開発の一環として実施されている。本報告は、上記の共同研究契約に関わる平成23年度の成果についてまとめたものである。具体的成果としては、平成20年度に策定した全体計画に基づき、ブロック式緩衝材定置試験設備の一部を製作した。また、製作済みの緩衝材定置試験設備や実物大の緩衝材ブロック等の公開を継続するとともに、緩衝材可視化試験を実施した。

JAEA-Research 2013-027 2013
中司昇、畑中耕一郎、佐藤治夫、他

地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究 −平成22年度成果報告− (共同研究)

原子力機構と原子力環境整備促進・資金管理センターは、原子力環境整備促進・資金管理センターが受注した「地層処分実規模設備整備事業」の工学技術に関する研究を共同で実施するため、「地層処分実規模設備整備事業における工学技術に関する研究」について共同研究契約を締結した。本共同研究は深地層研究所(仮称)計画に含まれる地層処分研究開発のうち、処分システムの設計・施工技術の開発や安全評価手法の信頼性確認のための研究開発の一環として実施されている。本報告は、上記の共同研究契約に関わる平成22年度の成果についてまとめたものである。具体的成果としては、平成20年度に策定した全体計画に基づき、ブロック式緩衝材定置試験設備の一部を製作した。また、試験および展示を行うための設備建屋にて、製作済みの緩衝材定置試験設備や実物大の緩衝材ブロック等の公開を継続するとともに、緩衝材把持試験を実施した。

JAEA-Research 2013-026 2013
菱谷智幸、前村庸之、木村仁、他

超深地層研究所計画(岩盤の水理に関する調査研究)研究坑道掘削に伴う地下水流動場及び地下水水質の変化を考慮した地下水流動のモデル化・解析 (2010年度)

本研究では、深度約460mまでの研究坑道の掘削に伴う地下水圧や地下水水質の変化に関する情報に基づき、地質環境モデルを構築するとともに、それらの妥当性を確認するために数値解析的な検討を実施した。さらに、それらの結果を反映した地下水流動解析による水理地質構造モデルのキャリブレーションを実施し、これまでに取得されているデータを統合的に説明できる水理地質構造モデルの構築を試みた。その結果、水理地質構造や坑道近傍の透水性及び有効間隙率が、研究坑道の掘削に伴う湧水量や周辺の地下水圧分布ならびに地下水水質の変化に与える影響を把握することができた。また、研究坑道からの湧水量、それに伴う地下水圧や塩化物イオン濃度の変化傾向を概括的に再現することができた。

JAEA-Research 2013-023 2013
岩月輝希、湯口貴史、大森一秋、他

瑞浪超深地層研究所における深度500mまでの地球化学調査および調査技術開発

瑞浪超深地層研究所計画第2段階の調査研究では、「地表からの調査予測研究段階(第1段階)」において構築された地球化学モデルの妥当性を確認するとともに、施設建設が周辺の地球化学特性に与える影響の観測とそれに基づく将来予測を行った。第3段階の調査研究では、坑道で利用する調査技術として地下水の酸化還元電位の観測技術、コロイド/有機物の調査技術の開発を行った。深度500mまでの調査研究の結果、堆積岩および花崗岩における施設操業、維持管理時の水質変化が、塩分濃度の異なる地下水の混合状態の変化に起因することが明らかになった。また、坑道周辺の地下水の水質が将来的に花崗岩浅部の地下水の組成に変化していくことが明らかになった。これらの結果に基づき、第1段階および第2段階の調査に関わる留意点として、地球化学特性の擾乱に関わる高透水性の地質構造に焦点を当てたモニタリングの考え方や多変量解析の有効性を提示することができた。

JAEA-Research 2013-021 2013
石橋正祐紀、笹尾英嗣、窪島光志、他

超深地層研究所計画におけるサイトスケール地質構造モデルの構築 −第2段階におけるshaft460およびshaft500地質構造モデルへの更新−

日本原子力研究開発機構 東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、現在は第2段階および第3段階の調査研究を進めている。第2段階での地質・地質構造に関する研究では、研究坑道の掘削に伴う研究坑道の壁面地質調査結果や研究坑道から実施したボーリング調査結果等に基づき、第1段階に構築した地質構造モデル(SB3地質構造モデル)の更新を行なっている。現在までに、6回の更新を実施しており、本報告書では、これまでに更新してきた地質構造モデル(Shaft180地質構造モデルからStage300地質構造モデル)の概要と、新たに構築したShaft460地質構造モデルおよびShaft500地質構造モデルの更新結果について示す。

JAEA-Research 2013-019 2013
小島圭二、大西有三、青木謙治、他

坑道周辺岩盤の概念再構築に関する研究 −平成24年度−(委託研究)

本報告書は、地層処分におけるニアフィールド(NF)コンセプトをより現実的に再構築する研究に関するものである。地層処分施設における地下坑道周辺岩盤を含むニアフィールドでの、現実的な核種移行シナリオとして、地層処分場の掘削〜操業期間〜閉鎖後の時系列変化を、ステージ0〜Wの5段階に区分して、提示することを試みた。特に地層処分場の閉鎖後の時空間における「場」の状態に着目し、各時空間断面において「場」の環境要因が連成して変化する現実的な「場」の状態の設定を行うことを2012年度の目標とし、各時空間断面における「場」の状態や要因の相互作用の網羅性を重要視し、次年度以降の検討課題のリストを提示した。

JAEA-Research 2013-015 2013
鶴田忠彦、笹尾英嗣、川本康司、他

超深地層研究所計画 地質・地質構造に関する調査研究 −深度300mから500mまでの地質・地質構造−

日本原子力研究開発機構では、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を岐阜県瑞浪市において進めている。本計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」及び「深地層における工学技術の基盤の整備」を全体目標として定め、「第1段階:地表からの調査予測研究段階」、「第2段階:研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階:研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画である。現在は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めている。そのうち第2段階における地質・地質構造の調査研究では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築及び研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を段階目標の一つとして調査研究を進めている。本報告書は、今後の調査研究に資するため、第2段階における地質・地質構造の調査研究結果に基づき、瑞浪超深地層研究所の深度300mから500mまでのうち、2008〜2012年度の掘削範囲で認められた地質・地質構造を取りまとめた。本取りまとめ結果は、第2段階で更新された地質構造モデルに反映した。

JAEA-Research 2013-014 2013
山本信幸、岩野圭太、並川正、他

坑道掘削に伴う周辺岩盤の変化に関する力学−水理連成解析技術の検討 (委託研究)

多数の割れ目を有する岩盤中に坑道を掘削する場合、坑道周辺では割れ目の挙動に起因する力学特性や水理特性の変化が生ずると考えられる。このため、掘削影響領域の評価には割れ目発生等に起因する力学・水理挙動を原位置計測で把握するとともに、割れ目の挙動を考慮できる連成解析による評価が必要となってくる。本研究では、MBCモデル(Micromechanics-Based Continuum model)を用いた水平坑道掘削に伴う3次元力学-水理連成解析の事前・事後解析を実施した。事前解析では、140m調査坑道掘削初期段階において、地上および地下の調査データを用いた解析を実施した。その結果、MBCモデルによる割れ目の開口と透水係数とがシンクロし、当解析が坑道周辺岩盤の掘削挙動予測に適用可能であることを確認した。事後解析では、140m調査坑道掘削が完了した段階で、事前解析の時点から新たに得られた調査データを基に初期応力、岩盤力学物性、岩盤水理物性を見直すとともに、割れ目物性に関するデータを追加して解析を実施した。その結果、解析結果は原位置計測結果と力学的にも水理的にも整合がとれ、実現象に近い坑道周辺岩盤の掘削挙動予測が可能であることを確認した。

JAEA-Research 2013-003 2013
横田秀晴、天野健治、前川恵輔、他

幌延深地層研究計画における原位置トレーサ試験結果の評価手法に関する検討 (委託研究)

岩盤中の割れ目を対象とした原位置トレーサ試験結果を評価する上で課題となる割れ目の不均質性やスケール効果の影響を明らかにするために、コンピュータ上でモデル化した2次元単一割れ目において孔間トレーサ試験のシミュレーションを実施し、得られた濃度破過曲線に対して1次元モデルおよび2次元モデルで物質移行パラメータを同定することにより、モデルの適用性を検討した。分散長に着目すると、割れ目の透水性が均質・不均質にかかわらず、1次元モデルで同定された分散長が2次元モデルでの値よりある相関をもって過大に評価されることが明らかとなった。また、1次元モデルで同定された分散長は、不均質場全体に対して同定された値よりも、場合によっては過小あるいは過大に評価されることが示され、その変動は放射状流の影響や、不均質場を規定する相関長と孔間距離の関係に起因することが明らかとなった。これらの結果は、原位置試験実施時のより良い条件や孔配置を提案するとともに、試験結果を評価する際に不均質場の特性を考慮する必要があることを意味する。

JAEA-Research 2013-002 2013
久慈雅栄、浅井秀明、橋詰茂、他

瑞浪超深地層研究所における新しい定量的岩盤分類法の適用性評価

岩盤分類は、岩盤地下構造物の設計や施工管理を行う上で一般的に用いられるが、既往の岩盤分類法は定性的な評価項目が多く、サイト固有の岩盤性状を定量的に評価する上で限界がある。一方、高レベル放射性廃棄物の地層処分などの大型の岩盤地下構造物の合理的・効果的な設計施工や安全確保の観点からは、地上からの調査や掘削中の壁面観察結果からサイト固有の岩盤の力学的性質を反映しつつ設計等に必要な岩盤物性を決定しうる岩盤分類法の構築が課題のひとつとなっている。本研究では、「岩盤の工学的分類法」をベースとした新しい定量的岩盤分類法(新分類法)を考案し、瑞浪超深地層研究所の堆積岩部および結晶質岩部に適用した。新分類法の適用性評価は、電研式岩盤分類法の岩盤等級区分と比較することにより行った。その結果、換気立坑側の堆積岩部において、CL級の評価範囲に低い評価点が分布する傾向はあるものの、両分類法による評価は良好な相関性を示すことがわかった。一方、結晶質岩部においては、新分類法の評価点分布が岩盤状況の変化のトレンドを概ね捉えているものの、個々に見ると電研式との相関性は堆積岩部よりも劣っていることが明らかになった。

JAEA-Technology 2013-022 2013
澤田純之、中山雅、石川誠

幌延深地層研究計画地下施設建設におけるプレグラウチングの注入実績データ集 −換気立坑のプレグラウチング結果−

幌延深地層研究計画は、原子力政策大綱に示された深地層の研究施設計画の一つであり、堆積岩を対象として、日本原子力研究開発機構が北海道幌延町で進めているプロジェクトである。幌延深地層研究計画 第U期工事の完成時には、3本の立坑(換気立坑、東立坑、西立坑)を3深度の水平坑道(140m水平坑道、250m水平坑道、350m水平坑道)で結んだ地下研究施設が建設される予定である。本研究施設の建設場所は、北海道幌延町の北進地区であり堆積軟岩が広がっている。また、地下施設の建設箇所は声問層と稚内層の地層境界部に位置している。地上からのボーリング調査結果より、建設箇所には湧水を伴う断層の存在が確認され、地下水から遊離するメタンガスの発生も確認されている。本施設の工事中における安全確保の観点、地下施設建設後の地下施設からの坑内湧水量を抑制する観点から、湧水抑制対策としてプレグラウチングを実施している。本データ集では、1)グラウチングデータの共有化および散逸防止を図ること、2)今後のプレグラウチングを実施するための基礎データとすることを目的として、本施設建設工事の中で湧水抑制対策として実施された、換気立坑のプレグラウチングに関するデータを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2013-018 2013
佐藤成二、尾方伸久、竹内竜史、他

広域地下水流動研究における表層水理観測データ集 −2011年度−

日本原子力研究開発機構東濃地科学研究ユニットでは、広域地下水流動研究の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量の水収支解析による算出、水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータの取得を目的として、表層水理観測を実施している。観測項目は降水量および河川流量であり、柄石川および日吉川を観測流域としている。本報告では、2011年度の表層水理観測で得られた降水量、河川流量について、データの欠測や異常値を示すデータの補正・補完を行い、データセットとして取りまとめた。

JAEA-Data/Code 2013-017 2013
佐藤成二、尾方伸久、竹内竜史、他

超深地層研究所計画における表層水理観測データ集 −2010〜2011年度−

日本原子力研究開発機構東濃地科学研究ユニットでは、超深地層研究所計画の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量の水収支解析による算出、水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータの取得および研究坑道掘削に伴う浅層の地下水環境の変化の把握を目的として、表層水理観測を実施している。表層水理観測は、蒸発散量算出のための気象要素、降水量、河川流量、地下水位および土壌水分の観測を、正馬川流域、正馬川モデル流域および瑞浪超深地層研究所用地で実施している。本報告では、2010〜2011年度の上記流域等で得られた気象要素、降水量、河川流量、地下水位、土壌水分について、欠測や異常値を示すデータの補正・補完を行い、データセットとして取りまとめた。また、研究坑道掘削工事における周辺環境モニタリング調査の一環で取得されている狭間川の河川流量データを用いて、2003〜2011年度の本流域の岩盤浸透量を算出した。

JAEA-Data/Code 2013-016 2013
別府伸治、狩野智之、竹内竜史

広域地下水流動研究における地下水の水圧長期モニタリング(2012年度)

広域地下水流動研究は、広域における地表から地下深部までの地質・地質構造、岩盤の水理や地下水の水質を明らかにするために必要な調査・解析技術などを開発することを目標として、1992年度より調査研究を開始し、2004年度末をもって主な現場調査を終了した。2005年度からは、土岐花崗岩における水理学的・地球化学的な基礎情報の取得および地下水流動解析結果の妥当性確認のためのデータ取得を目的として、既存の観測設備を用いた表層水理観測および、既存のボーリング孔を用いた地下水の水圧長期モニタリングを継続している。本報告書は、2012年度に実施した地下水の水圧長期モニタリングデータを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2013-012 2013
濱克宏、佐藤稔紀、笹尾英嗣、他

超深地層研究所計画 統合化データフローの構築(研究坑道の掘削を伴う研究段階:第2段階)

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる。現在は、第2段階および第3段階の調査研究を進めている。第2段階の調査研究では、第1段階で適用した地質環境特性評価に関わる調査計画立案や調査手法、モデル化手法などの個別要素技術の有効性などを評価する。また、設計・施工と安全評価の観点から、地質環境調査結果を安全評価や設計に反映するための合理的な調査項目の組み合わせ方や、調査から解析、評価までのデータの流れを整理した統合化データフローを更新する。統合化データフローとは、調査からモデル化・解析までの合理的な道すじを示したものである。本報告書では、第2段階の調査研究における研究成果を基に、統合化データフローを更新した結果を取りまとめたものである。なお、統合化データフローは研究の進捗などを踏まえて適宜更新する。

JAEA-Data/Code 2013-010 2013
狩野智之、竹内竜史

超深地層研究所計画における地下水の水圧長期モニタリング(2011年度)

超深地層研究所計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画であり、現在は、第2段階における調査研究を進めている。本研究では、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤整備」および「深地層における工学技術の基盤整備」を第1段階から第3段階までを通した全体目標としている。そのうち第2段階では、「研究坑道の掘削を伴う調査研究による地質環境モデルの構築および研究坑道の掘削による深部地質環境の変化の把握」を目標としており、その一環として、地下水の水圧長期モニタリングを実施している。本報告書は、2011年度に実施した地下水の水圧長期モニタリングデータを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2013-007 2013
湯口貴史、石橋正祐紀、森川佳太、他

瑞浪超深地層研究所の深度300m研究アクセス坑道で実施したグラウト充填割れ目を含む岩石試料の採取と薄片作成・観察

日本原子力研究開発機構東濃地科学研究ユニットでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。超深地層研究所計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる約20年の計画である。本計画は、「深部地質環境の調査・解析・評価技術の基盤の整備」および「深地層における工学技術の基盤の整備」を第1段階から第3段階までを通した全体目標として定めている。2005年3月には第1段階の研究を終了し、現在は、第2段階および第3段階における調査研究を進めている。本研究は第3段階における物質移動に関する調査研究の一環として、2011年度に深度300m研究アクセス坑道において、グラウト材が充填された割れ目(グラウト充填割れ目)を含む岩石試料を採取し、琢磨薄片の作成および観察を実施した。グラウト材は、深度300m研究アクセス坑道の先行ボーリング時および坑道掘削時の湧水抑制対策のために、水みちに充填された。このためグラウト充填割れ目は、地下水や物質の移動経路と捉えることが可能である。本報告書はグラウト充填割れ目を含む岩石試料の採取の手法および琢磨薄片作成・観察結果を取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2013-004 2013
佐藤成二、武田匡樹、竹内竜史

広域地下水流動研究における表層水理観測データ集 −2010年度−

日本原子力研究開発機構東濃地科学研究ユニットでは、広域地下水流動研究の一環として、地下水流動解析における上部境界条件を与える岩盤浸透量を表層の水収支解析によって算出すること、および水理地質構造モデルのキャリブレーションに必要なデータを取得することを目的として、表層水理観測を実施している。観測項目は降水量および河川流量であり、柄石川および日吉川を観測流域にしている。本報告では、2010年度の表層水理観測で得られた降水量、河川流量について、欠測や異常値を示すデータの補正・補完を行うとともに、補正・補完前後のデータを取りまとめた。また、観測で得られたデータを「観測データセット」、補正・補完後のデータを「補正・補完データセット」として、DVD-ROM化を添付した。

JAEA-Data/Code 2013-003 2013
狩野智之、竹内竜史

広域地下水流動研究における地下水の水圧長期モニタリング(2011年度)

広域地下水流動研究は、広域における地表から地下深部までの地質・地質構造、岩盤の水理や地下水の水質を明らかにするために必要な調査・解析技術などを開発することを目標として、1992年度より調査研究を開始し、2004年度末をもって主な現場調査を終了した。2005年度からは、土岐花崗岩における水理学的・地球化学的な基礎情報の取得および地下水流動解析結果の妥当性確認のためのデータ取得を目的として、既存のボーリング孔を用いた地下水の水圧長期モニタリングを継続している。本報告書は、2011年度に実施した地下水の水圧長期モニタリングデータを取りまとめたものである。

JAEA-Data/Code 2013-002 2013
大森一秋、新宮信也、萩原大樹、他

超深地層研究所計画における地下水の地球化学に関する調査研究 −瑞浪層群・土岐花崗岩の地下水の地球化学特性データ集−(2011年度)

日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響を把握することを目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2011年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データをとりまとめたものである。データのトレーサビリティーを確保するため、試料採取場所、試料採取時間、採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。

JAEA-Data/Code 2013-001 2013
中山雅

幌延深地層研究計画 平成25年度調査研究計画

本計画は、原子力機構が堆積岩を対象に北海道幌延町で実施している。原子力機構の第2期中期計画では高レベル放射性廃棄物の処分技術に関する研究開発について、「「地層処分研究開発」と「深地層の科学的研究」の2つの領域において、他の研究開発機関と連携して研究開発を進め、地層処分の安全確保の考え方や評価に関わる様々な論拠を支える「知識ベース」を充実させる」こととしている。本計画では、深地層の科学的研究として、「深地層環境の深度(地下350m程度)まで坑道を掘削しながら調査研究を実施し」、「地上からの精密調査の段階に必要となる技術基盤を整備し、実施主体や安全規制機関に提供する」こととする。また、地層処分研究開発として、「深地層の研究施設等を活用して、実際の地質環境条件を考慮した現実的な処分概念の構築手法や総合的な安全評価手法を整備する」こととしている。さらに、「業務の合理化・効率化の観点から、幌延深地層研究計画に係わる研究坑道の整備等に民間活力の導入を図る」こととしている。本計画は、全体で20年程度とし「地上からの調査研究段階(第1段階)」、「坑道掘削(地下施設建設)時の調査研究段階(第2段階)」、「地下施設での調査研究段階(第3段階)」に分けて実施することとしている。平成25年度は、地下施設の建設および第2段階および第3段階の調査研究を継続する。

JAEA-Review 2013-022 2013
國丸貴紀、見掛信一郎、西尾和久、他

超深地層研究所計画 年度報告書(2011年度)

日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2011年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2011年度に実施した1)調査研究、2)施設建設、3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。

JAEA-Review 2013-018 2013
引間亮一、丹野剛男、真田祐幸、他

超深地層研究所計画における岩盤力学に関する調査研究 年度報告書(2011年度)

本報告は、超深地層研究所計画の一環として、2011年度に実施した岩盤力学に関する調査研究項目の概要をまとめたものである。本報告書にとりまとめた調査研究項目は、(1)深度400m地点におけるボーリングコアを用いた初期応力測定、(2)室内試験による岩盤物性評価、(3)第3段階における施工対策影響評価試験の計画検討、(4)掘削体積比エネルギーを用いた原位置岩盤物性評価に関する研究、(5)種々の計測結果に基づく深部岩盤中の応力場評価に関する基礎的研究である。

JAEA-Review 2013-017 2013

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地質環境の長期的安定性に関する研究

著者 タイトル(クリックで要旨) 発表先 発表年
安江健一、浅森浩一、丹羽正和、他

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(平成24年度)

本報は、深地層の科学的研究のうち、「地質環境の長期安定性に関する研究」について、第2期中期計画期間(平成22年度〜平成26年度)の3年目である平成24年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第2期中期計画期間においても第1期中期計画に引き続き、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を反映できるよう、(1)概要調査などに必要となる、自然現象に関する過去の記録や現在の状況を調査するための体系的な技術の整備(調査技術の開発・体系化)、(2)変動シナリオを考慮した安全評価の基盤となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化を予測・評価するための手法の整備(長期予測・影響評価モデルの開発)のほか、(3)最先端の分析装置などを用いた放射年代測定や鍵層の高分解能同定法などによる編年技術の高度化(年代測定技術の開発)を進めている。本報では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果および今後の課題などについて述べる。

JAEA-Research 2013-047 2014
安江健一、浅森浩一、丹羽正和、他

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(平成25年度)

本書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究についての第2期中期計画期間(平成22年度〜平成26年度)における平成25年度の研究開発計画を述べたものである。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第2期中期計画に基づき、第1期中期計画期間(平成17年度〜平成21年度)における研究成果、平成22年度から平成24年度の研究成果、関係研究機関の動向や大学などで行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関のニーズなどを考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みでこれを推進していく。

JAEA-Review 2013-023 2013

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