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2026年8月
米国核燃料サイクル、イノベーション技術
「SHINE社、核燃料リサイクル分野におけるAI活用の進展を目指すDOE「ジェネシス・ミッション」の2件のプロジェクトに選定」 SHINE Technologies(SHINE)社は、AIを活用して米国の科学成果の飛躍的な向上を目指す、総額50億ドル超の歴史的な国家イニシアチブである米国エネルギー省(DOE)の「ジェネシス・ミッション」に選定された。使用済燃料リサイクル技術を開発するSHINE社は、本イニシアチブにおいて、1件のプロジェクトを主導するとともに、別のプロジェクトにも参画するという2つの役割を担うこととなる。具体的に同社は、アルゴンヌ国立研究所(ANL)を技術パートナーとするフェーズIプロジェクト「AIを活用した燃料サイクル施設の最適化」の主契約者になるとともに、アイダホ国立研究所(INL)が主導する「ジェネシス・ミッション」のフェーズIIプロジェクト「プロメテウス(Prometheus)」にも参加する。さらにSHINE社は、医療用同位体製造施設「クリサリス(Chrysalis)」で実証済みのプロセス化学技術を応用し、使用済燃料のリサイクルに向けた商業パイロット事業の構築を進めている。クリサリスは、米国原子力規制委員会(NRC)による運転許可審査も完了しており、これは将来的にリサイクル施設が経ることになる規制プロセスと同様のものである。こうした実績と知見が、今回の「ジェネシス・ミッション」採択の重要な基盤となっている。
SHINE Technologies
米国SMR、RI製造
「オクロ社、同位体試験炉Grovesの初臨界を達成」 オクロ社は、米国エネルギー省(DOE)の原子炉パイロットプログラムの下、テキサス州コールドウェル郡のロックハート近郊の同社施設内で開発を進めている同位体試験炉Grovesが初臨界を達成したことを8月6日に発表した。DOEの認可を受けた原子炉としては5基目となる。同社によると、Grovesは着工から1年足らずで初臨界を達成した。また、原子炉パイロットプログラムの下で、更地の敷地に一から建設され、燃料を含むすべての機器・部品を製造または商業調達するとともに、運転プログラムも自社で開発した初の原子炉となった。同社はGrovesを通じて、医療、産業、研究、宇宙、および国家安全保障分野向けの国内同位体生産能力の構築に取り組んでいる。
米国エネルギー省(DOE)、オクロ、World Nuclear News
米国新型炉燃料、SMR(高温ガス炉)
「セントラス・エナジー社とX-エナジー社がHALEU供給契約を締結」 セントラス・エナジー(セントラス)社とX-エナジー社は、セントラス社がX-エナジー社のXe-100高温ガス炉型小型モジュール炉(SMR)向け燃料用の低濃縮ウラン(LEU)および高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)の濃縮サービスを提供することで合意した。LEUおよびHALEUは、オハイオ州パイク郡にあるセントラス社のAmerican Centrifuge Plantで生産される。HALEUは、X-エナジー社の燃料子会社であるTRISO-X社に供給され、テネシー州オークリッジの同社燃料製造キャンパスにおいて、TRISO-X被覆粒子燃料の製造に使用される。
X-エナジー、World Nuclear News
米国SMR(鉛冷却高速炉)、新型炉燃料
「newcleo社、米国で先進型核燃料製造施設を建設するための規制計画を提出」 newcleo社は、米国で計画している混合酸化物(MOX)燃料製造施設について、規制対応計画(Regulatory Engagement Plan:REP)を米国原子力規制委員会(NRC)に提出した。同社は7月にも、開発を進める200MWeの商業規模の鉛冷却高速炉(LFR)「LFR-AS-200」に関するREPをNRCに提出している。REPはnewcleo社がNRCとの申請前協議(pre-application engagement)を進めるための枠組みを示すものであり、NRCスタッフと協議する主要な規制上および技術上の論点を特定するとともに、技術資料の提出計画や協議実施時期を示す概略的なスケジュールを含んでいる。
newcleo、World Nuclear News
米国SMR
「Deep Fission社、Gravity原子炉の原子力安全設計協定の米国DOE承認を取得」 地下1マイルのボーリング孔に設置する加圧水型小型モジュール炉(SMR)Gravity を開発中のDeep Fission社は、米国エネルギー省(DOE)が、Gravityに関する原子力安全設計協定(NSDA)を承認したと発表した。GravityはDOEの原子炉パイロットプログラムの下、カンザス州パーソンズのグレートプレーンズ工業団地にて建設が進められている。
Deep Fission、World Nuclear News
米国核燃料サイクル
「Curio、ニュースケール、フラマトムが提携し、先進炉向けの燃料ソリューションで協力」 先進的な核燃料リサイクルに取り組むCurio社は、小型モジュール炉(SMR)開発企業であるニュースケール社との間で、覚書(MOU)を締結したと発表した。フランスを拠点とし、原子炉の設計・建設・保守サービスを手がけるフラマトム社も、この合意に参加している。各社は、本協力を通じて、使用済燃料から回収される物質が、将来の燃料および製品のサプライチェーンをどのように支えることができるかを評価するとともに、各組織が有する燃料リサイクル、燃料開発、製造、認証、先進原子炉導入に関する専門知識を活用することを目指している。Curio社独自のNuCycle技術は、使用済燃料をリサイクルし、将来の原子力エネルギー利用に活用可能な価値ある物質を回収するよう設計されている。同社によると、NuCycleプロセスは残存廃棄物量を最大97%削減すると同時に、戦略的核物質を回収することで、より持続可能で、安全性が高く、経済性に優れた核燃料サイクルの実現に貢献するとしている。
POWER
米国新型炉燃料
「TRISO-X社、ORNLとの先進燃料分野における研究提携を延長」 X-エナジー社の完全子会社であるTRISO-X社は、オークリッジ国立研究所(ORNL)との共同研究開発契約を30か月延長したと発表した。両者は2016年以降、共同研究、技術移転、製造プロセスの開発を通じて、TRISO燃料の商用規模での開発・製造を進めてきた。今回の契約延長により、同社はORNL敷地内の既存のパイロット施設の運営を継続し、燃料の品質と収率の向上、評価手法や製造工程の改善など、TRISO燃料の商用化に向けた取り組みを進める。この提携は、同社がテネシー州オークリッジで整備を進める商用燃料製造キャンパスを補完するものである。同社は同キャンパスに専用の研究開発センターを建設する計画で、同計画はテネシー州の「原子力エネルギー・サプライチェーン投資基金」による支援を受けている。
X-エナジー、Nuclear Engineering International
インド原子力政策
「ジテンドラ・シン博士、インド下院で自立した国際競争力のある原子力エネルギー・エコシステム構築に向けた政府のロードマップを提示」 ジテンドラ・シン博士(人事・国民苦情・年金担当国務大臣兼首相府担当)は、インド議会下院(Lok Sabha)における書面答弁で、インド政府が、先進的な原子炉技術、小型モジュール炉(SMR)、国内製造能力、民間部門の参画、および同国に豊富に存在するトリウム資源の長期的活用に重点を置き、国産の原子力エネルギー・エコシステムを着実に強化していると述べた。インドの長期的な原子力エネルギー戦略は、トリウム資源の活用を目指す「3段階の原子力計画」に基づく。インド政府は、2047年までに原子力発電設備容量を100GWeへ拡大するとともに、2033年までに少なくとも5基の国産小型モジュール炉(SMR)を開発・運用することを目指している。また、「インドの変革に向けた原子力の持続可能な活用と推進(SHANTI)法(2025年)」の制定や国内製造、および先進炉技術の開発を通じて原子力分野の自立性と国際競争力を強化する方針である。
インド原子力省(DAE)、Greater Kashmir
カナダSMR(溶融塩炉)
「Nuclea Energy社、Moltex Energy社の先進原子力技術ポートフォリオを買収へ」 Moltex Energy(Moltex)社は、Nuclea Energy(Nuclea)社が、Moltex社の先進原子力技術ポートフォリオを取得する最終契約を締結したと発表した。買収対象には、10年以上にわたり開発されてきた使用済燃料リサイクルプロセス「Waste to Stable Salt(WATSS)」、安定塩原子炉「Stable Salt Reactor – Wasteburner(SSR-W)」、および「FLEX」原子炉技術が含まれる。本契約に基づき、Nuclea Energy Canada社は、管財手続き中のMoltex Energy Limited(MoltexFlex LimitedおよびMoltex Energy Canada社の英国に拠点を置く親会社。2025年3月に経営破綻)から、関連する技術資産と子会社を取得する。取引完了には英国当局の承認などが必要で、完了後はMoltex Energy Canada社を、取得技術の研究開発、エンジニアリング、規制対応を担う事業体として存続させる方針である。
Moltex Energy、World Nuclear News
中国SMR(高温ガス炉)、原子力熱利用
「CNNC、徐圩原子力発電所の高温ガス炉建設に向け契約手続きへ」 中国核工業集団公司(CNNC)は、中国江蘇省の徐圩(Xuwei)原子力発電所プロジェクト第1期における高温ガス炉(HTGR)3号機について、エンジニアリング請負契約の調達手続きを開始する計画である。徐圩プロジェクト第1期は、2024年8月に中国国務院が承認した11基の原子炉建設計画の1つである。CNNCは、江蘇省連雲港市の同サイトに、出力1208MWeの「華龍一号(HPR1000)」加圧水型原子炉(PWR)2基(1、2号機)と、出力660MWeの高温ガス炉(HTGR)1基(3号機)を建設する計画である。同プロジェクトには蒸気熱交換ステーションが設置され、熱供給と発電を組み合わせた(熱電併給)方式が初めて採用される。CNNCは同プロジェクトを、「第3世代PWRと第4世代HTGRを組み合わせた世界初のデュアル・カップリング実証プロジェクト」と位置付けている。CNNCは、3号機の設計、機器・資材の調達および納入、建設・試運転支援などを含む契約を、子会社であるCNNC Energy Technology Company Ltdに直接発注する計画である。3号機の初コンクリート打設は、2026年末までに実施される見込みである。
World Nuclear News
米国SMR(マイクロリアクター、高温ガス炉)
「マイクロリアクター「Kaleidos」、INLへの輸送を開始」 Radiant Industries(Radiant)社の可搬型マイクロリアクター「Kaleidos」は、カリフォルニア州エルセグンドにある同社施設を出発し、アイダホ国立研究所(INL)の試験施設「DOME(マイクロ炉実験機の実証)」への輸送を開始した。DOMEへの設置後、米国エネルギー省(DOE)およびINLの監督の下、Standard Nuclear社がRadiant社の仕様に基づいて製造したTRISO燃料が装荷される予定である。Kaleidosは2025年7月、DOMEテストベッドで実施される試験対象に選定された。Radiant社は同施設で5段階の原子炉開発試験プログラムを実施する計画で、ゼロ出力臨界試験から、最大出力での熱・電力生成、さらに運転員の介入なしで最低150時間の連続運転へと段階的に試験を進める。これらの試験は、Kaleidosの商用化に向けた準備状況を実証する重要なマイルストーンとなる。
Radiant Industries、World Nuclear News
米国・韓国SMR(高速炉)
「テラパワー社、韓国企業との協力を拡大し、Natrium炉の商用展開を加速」 テラパワー社は、同社経営陣の韓国訪問に合わせ、現代建設(HDEC)社およびSKイノベーション社と、米国、韓国、および今後選定する海外市場における「Natrium」技術の開発・商用化に向けた2件の合意を締結したと発表した。HDEC社とは、Natrium炉の商業展開を支援する枠組み協定を締結した。テラパワー社はHDEC社を設計・調達・建設(EPC)事業者に選定し、米国および今後選定する海外市場で、将来のNatrium炉を最大8基建設する計画である。また、SKイノベーション社とは、韓国初の商用Natrium発電所の開発と国際展開に向けた基本合意書(タームシート)に署名した。両社は、世界各国の規制、産業、電力網の状況を統合的に検討し、韓国型ナトリウム冷却SMRの事業モデル「K-Sodium」の具体化を段階的に進める方針である。
テラパワー、World Nuclear News
韓国・米国高速炉
「斗山エナビリティ社、テラパワー社の「Natrium」原子炉向け主要機器の製造契約を締結」 斗山エナビリティ社は、ワイオミング州ケンメラーで建設が進められているテラパワー社の「Natrium」原子炉向け主要機器について、製造契約を締結したと発表した。本契約に基づき、同社は原子炉ガードベッセル、原子炉支持構造物、および原子炉内部構造物を製造する。2024年12月に、テラパワー社は同炉の原子炉格納システムを構成する主要機器サプライヤーを選定しており、斗山エナビリティ社は炉心バレル、ガードベッセル、および内部支持構造物を供給することとなっていた。なお、この際、スペインのエンジニアリング企業Equipos Nucleares SAが原子炉ヘッド、韓国のHD現代社が原子炉容器、仏国の機械・設備メーカーMarmen社が回転プラグの供給サプライヤーとしてそれぞれ選定されている。
斗山エナビリティ、World Nuclear News
米国新型炉燃料
「NANO Nuclear社とQNI社、米国内におけるHALEU燃料供給の推進に向けたMOU締結」 NANO Nuclear Energy(NANO Nuclear)社は、統合的な核燃料サイクル能力の構築を進めるQuadrant Nuclear Industries(QNI)と、高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)燃料の将来的な供給に関する協力に向け、法的拘束力のない枠組みを定める覚書(MOU)を締結したと発表した。本MOUは、米国内の核燃料サプライチェーンの強化、NANO Nuclear社の「KRONOS MMRエネルギーシステム」を含む先進原子炉の導入加速、および米国のエネルギー安全保障と脱炭素化目標への貢献に向けた両社の共通方針を示すものである。両社は今後数年にわたり、QNI社がアイダホ国立研究所(INL)に建設を計画している「Vanguard」施設で生産されるHALEUについて、将来的な供給と長期購入の可能性を協議する。
NANO Nuclear Energy、Nuclear Engineering International
米国SMR(鉛ビスマス冷却高速炉)
「FANCO、HALEU燃料製造施設に関する規制当局対応計画を米国NRCが受理」 鉛ビスマス共晶冷却高速炉「EAGL-1」を開発するFirst American Nuclear社(FANCO)は、同社が計画するカテゴリーIIの高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)再転換(deconversion)・燃料製造施設に関する規制当局への対応計画(REP:Regulatory Engagement Plan)が、米国原子力規制委員会(NRC)に受理されたと発表した。REPの提出により、FANCOは、同施設の許認可申請に先立つNRCとの協議を本格化させる。同施設では、EAGL-1およびその他の先進炉顧客向けにセラミック燃料を製造するほか、NRCの承認と将来の認可条件の下で、六フッ化ウラン(UF6)形態のHALEUをその他の燃料形態に加工する能力も備える計画である。今回のREP提出は、FANCOが2026年8月6日にNRC宛てに送付した意向表明書(LOI)に続くものである。同社は、10 CFR Part 70に基づき、計画中の燃料製造施設の建設、所有および運転に必要な特殊核物質の保有・使用許可の取得を目指しており、2027年第4四半期中に許可申請書を提出する予定としている。EAGL-1は、240 MWeの鉛ビスマス冷却高速スペクトル小型モジュール炉(SMR)で、工場製造と拡張可能な複数基展開を想定して設計されている。
First American Nuclear Co(FANCO)、World Nuclear News
米国SMR(マイクロリアクター)
「Deployable Energy社とHornbeck Offshore社、海上原子力発電の推進に向け提携」 Deployable Energy社は、同社の可搬型のヘリウム冷却の高温ガスマイクロリアクター「Unity Nuclear Battery」を活用し、5つの戦略的な海事・洋上市場での事業展開を推進するため、Hornbeck Offshore社と覚書(MOU)を締結したと発表した。Hornbeck Offshore社は、Deployable Energy社に対して戦略的投資も実施した。本提携では、Deployable Energy社の可搬型マイクロリアクター技術と、Hornbeck Offshore社が有する豊富な船舶運航の知見を組み合わせ、内陸水路、オフショア船舶・プラットフォーム、国家安全保障分野の物流、自律航行船、発電バージ、浮体式データセンターを対象に、海洋原子力の活用に向けた取り組みを進める。両社は、船舶への統合、経済性、許認可プロセス、資金調達、商業スキームを検討する合同ワーキンググループを設置し、近い将来に米国で実用化することに特に重点を置く。Unity Nuclear Batteryは、出力1MWeの量産型・可搬式マイクロリアクターで、船舶を原子炉に合わせて建造するのではなく、既存の船体設計に原子炉を統合できるよう設計されている。5年を超える燃料交換間隔を想定し、安定性・強靭性に優れた排出ガスのない電力を供給するとともに、単体での利用から複数ユニットによる大規模展開まで拡張できるとしている。
Deployable Energy
米国核燃料サイクル
「SHINE Technologies社、ANLおよびCWRUと核燃料リサイクル用分離技術の開発で協力」 SHINE Technologies(SHINE)社は、アルゴンヌ国立研究所(ANL)およびケース・ウェスタン・リザーブ大学(CWRU)と協力し、SHINE社が開発中の核燃料リサイクルプロセスへの化学分離技術の適用を進めている。この共同研究は、米国エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)のCURIEプログラムを通じ、追加資金を受けてCWRUが主導するプロジェクトの一環として実施されており、SHINE社は下請事業者として参加している。共同研究では、ANLが開発する放射化学分離用充填遠心装置「PaCERS(Packed Centrifugal Equipment for Radiochemical Separation)」を、複数の分離工程へ適用する。PaCERS は、通常の重力を上回る遠心力を利用して化学分離の効率を高める、大量処理かつ溶媒使用量の少ない技術である。具体的には、医療、製造、先進的な発電システムでの利用が想定されるストロンチウム90(Sr-90)やアメリシウム241(Am-241)などの放射性同位体を分離する工程に同技術を適用する。また、ほかの元素を抽出した後に残る長寿命放射性物質であるマイナーアクチニド(MA)の回収工程にも、PaCERSを組み込む予定である。これらの技術は、SHINE社が核燃料リサイクルプロセス「REDUCE:Recover Elements – Destroy Undesirables – Create Energy」のコスト競争力向上を支えるものである。SHINE社は、使用済燃料からウラン、プルトニウム、その他の高価値物質を効率的かつ核拡散抵抗性を備えた方法で抽出する先進的リサイクル技術について、初の商用利用の実現を目指している。
HINE Technologies
米国核燃料
「ウレンコ社、新たな濃縮施設の建設に着手」 ウレンコUSA社は、米国で唯一の商業規模のウラン濃縮施設であるニューメキシコ州ユーニスの「National Enrichment Facility」の今後の拡張に向け、クリス・ライト米国エネルギー長官らが出席する起工式を開催した。同社は2026年6月、同施設の生産能力を約50%拡大すると発表しており、今回のプロジェクトは、米国で原子力発電の利用拡大が見込まれる中、同国の核燃料サプライチェーンを強化する大規模な取り組みとなる。数十億ドル規模の戦略的投資により、「National Enrichment Facility」の敷地内に新たなウラン濃縮施設を建設し、米国のエネルギー安全保障に不可欠な低濃縮ウラン(LEU)の生産能力を増強する。このプロジェクトでは、同社が実績を有するガス遠心分離法を採用し、24の遠心分離機カスケードによって、年間210万分離作業単位(SWU)の濃縮能力を新たに追加する。最初のカスケードは2032年に生産を開始し、その後、2036年までに残りのカスケードを順次導入する予定である。
ウレンコ、World Nuclear News
米国SMR(高速炉)
「テラパワー社、データセンター向け原子炉計画を2026年内に発表へ、2027年に2号機着工の見通し」 テラパワー社CEOは、データセンター向けに設計した原子炉プロジェクトを2026年末までに発表する方針を明らかにした。顧客名は公表していない。計画どおりに進めば、同社は2027年に「Natrium」原子炉の2号機を着工する見通しである。これに先立ち、テラパワー社は韓国の複数のパートナー企業と、Natrium技術の展開を支援する契約を締結しており、このうち現代建設社との契約は、最大8基のNatrium原子炉を対象としている。出力345MWeのNatrium原子炉は、従来の大型原子炉よりも需要地の近くに設置しやすく、段階的な建設も可能とされる。単一の大規模データセンターや産業拠点への電力供給にも適しており、再生可能エネルギーと組み合わせることも想定されている。テラパワー社がデータセンター市場に注力する背景には、AIの普及などに伴う安定的な電力需要の増加がある。また、現代建設社との提携には、既存の建設ノウハウを活用して建設工程を標準化し、複数の原子炉を継続的に建設できる体制を整える狙いがある。
Briefs Finance
米国新型炉燃料
「Standard Nuclear社、Radiant社とTRISO燃料供給契約を締結」 炉型を問わずTRISO燃料を供給し、産業規模のTRISO燃料製造施設を有する米国唯一の企業であるStandard Nuclear社は、可搬型マイクロリアクター「Kaleidos」を開発するRadiant Industries(Radiant)社と、拘束力のある新たな燃料供給契約を締結したと発表した。本契約により、Radiant社は2031年までに順次納入される複数メトリックトンのTRISO燃料を確保した。
Radiant Industries、Standard Nuclear
米国新型炉燃料
「TRISO-X社、TX-1燃料製造施設の建設を次段階へ」 X-エナジー社の子会社であるTRISO-X社は、テネシー州オークリッジで建設中の先進原子炉燃料製造施設「TX-1」について、建設工事が次の段階に移行したと発表した。新たな段階では、付帯建物の建設に加え、施設内部の仕上げ工事と燃料製造設備の設置を開始する。TX-1は、先進原子炉向けのTRISO燃料の製造に特化した、米国初の商業施設となる見込みである。同施設は、米国エネルギー省(DOE)の先進炉実証プログラム(ARDP)の下、X-エナジー社がDow社と共同で進める高温ガス炉型小型モジュール炉(SMR)「Xe-100」の初の導入計画に燃料を供給する予定である。稼働開始後、TX-1は年間70万個のTRISO-Xペブル、ウラン量換算で年間5メトリックトン(MTU)を生産し、最大11基のXe-100に必要な燃料を供給できる見込みである。
X-エナジー
米国原子力政策
「米国DOE/NRIC、「Nuclear Energy Launch Pad」で新たに13件のプロジェクトを選定」 米国エネルギー省(DOE)の国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)は、民間の原子力開発事業者を対象に、原子炉および燃料施設に関するDOEの承認手続きや試験、導入を支援するプログラム「Nuclear Energy Launch Pad」において、12社の13件のプロジェクトを新たに選定したと発表した。同プログラムは、DOEが2025年に開始した「原子炉パイロットプログラム」と「燃料ラインパイロットプログラム」の成果を踏まえて設けられたものである。選定されたプロジェクトは、原子炉開発のほか、燃料製造、濃縮、転換などの核燃料サイクル技術を対象としている。選定された12社のうち8社は、これまで両パイロットプログラムまたは「Launch Pad」に選定されたことがない企業であり、Atlas Atomics社、Forge Atomics社、Hexium社、Lightbridge社、Nusano社、Raven-Flint Nuclear社、Scaled Atomics社、Sublime Atomics社である。残る4社のAntares Nuclear社、Deployable Energy社、Oklo社、Valar Atomics社は、いずれも燃料を装荷した原子炉でゼロ出力臨界を達成した企業である。これまで同マイルストーンを達成した企業のうち、今回選定されなかったのはAalo Atomics社のみである。
アイダホ国立研究所(INL)、World Nuclear News
米国SMR(マイクロリアクター)
「ウェスチングハウス社のeVinciマイクロリアクターがゼロ出力臨界を達成」 ウェスチングハウス・エレクトリック社は、同社が開発するeVinciマイクロリアクターについて、ゼロ出力臨界試験を完了したと発表した。同試験により、解析モデルと炉心設計の前提条件が検証された。試験は、米国ネバダ州のネバダ国家安全保障サイト(NNSS)内にある国家核安全保障局(NNSA)の施設「国家臨界実験研究センター(NCERC)」において、ロスアラモス国立研究所(LANL)およびアイダホ国立研究所(INL)と共同で実施された。eVinciは、ヒートパイプ冷却式のマイクロリアクターであり、15MWtの炉心設計により最大5MWeを発電できる。TRISO燃料を用いた炉心は、燃料交換を行わずに8年以上フル出力で運転できるよう設計されている。また、工場で製造・組み立てた原子炉をコンテナに収納して輸送できる設計となっている。
Westinghouse Electric Company、World Nuclear News
スウェーデンSMR(鉛冷却高速炉)
「Blykalla社、スウェーデンで2か所目となる原子炉パークを申請」 スウェーデンのBlykalla社は、ティエルプ自治体のウントラに、最大8基の鉛冷型先進モジュール炉(AMR)で構成される商用原子炉パークを建設する計画をスウェーデン政府に提出した。総発電容量は最大440MWeとなる。今回の申請は、2026年5月に提出した、イェーヴレ自治体のノルスンデットに6基を建設する計画に続くもので、同社にとってスウェーデン国内で2か所目の原子炉パーク計画となる。同社は、鉛冷却高速炉(LFR)型の小型モジュール炉(SMR)「SEALER(Swedish Advanced Lead Reactor)」を開発しており、初の商用炉となる「SEALER-55」(140MWt/55MWe)を2030年代初頭に運転開始することを目指している。
Blykalla、World Nuclear News
米国SMR
「DOE支援の下、INLでホルテック社のSMR-300試験施設「HI-TEST」の整備が進展」 ホルテック・インターナショナル(ホルテック)社は、アイダホ国立研究所(INL)に設置するSMR-300の試験施設「HI-TEST」について、主要機器の製造と設置準備が進んでいると発表した。同施設は、米国エネルギー省(DOE)の「先進原子炉実証プログラム(ARDP)」の支援を受けて整備されて約3分の1スケールの試験施設で、定常・過渡状態におけるSMR-300の設計裕度を検証し、将来の出力向上を支援する。SMR-300は、電気出力約300MW、熱出力1050MWの加圧水型原子炉(PWR)である。同社は、ミシガン州のパリセーズ原子力発電所サイトに「Pioneer 1」「Pioneer 2」としてSMR-300を2基導入する計画で、建設許可申請は米国原子力規制委員会(NRC)の審査中にあり、同サイトでは建設前作業が進められている。
Holtec International、World Nuclear News
仏国原子力政策、SMR(鉛冷却高速炉)
「newcleo社主導のコンソーシアム、浮体式原子力発電の開発資金を獲得」 newcleo社は、同社が主導するコンソーシアムが、フランスの公的投資銀行Bpifranceによる海事部門の脱炭素支援プロジェクトに選定され、約100万ユーロの助成金を獲得したと発表した。「n-Floating」と呼ばれる本プロジェクトでは、出力200MWeのLFR-AS-200を複数基搭載する非自航式浮体ユニットについて、その有用性と技術的実現性を検証する。コンソーシアムには、船級協会Bureau Veritas Marine & Offshoreと、海事・原子力分野のエンジニアリング企業ABMIグループが参加する。作業期間は約18か月で、2036年までの実用化に向けた開発設計とロードマップを策定する。
newcleo
米国新型炉燃料
「Antares社、Standard Nuclear社と複数年のTRISO燃料供給契約を締結」 Antares Nuclear(Antares)社は、Standard Nuclear社との間で、拘束力のある複数年の燃料供給契約(FSA)を締結したと発表した。本FSAに基づき、Standard Nuclear社は2035年までに、最大8MTU(ウラン・メトリック・トン)のTRISO燃料をAntares社に供給する。Antares社は、この燃料を自社のマイクロリアクターに使用する。本契約は、2025年以降、両社が燃料仕様や製造可能性、生産プロセスの整合化などに共同で取り組んできた成果に基づくもので、Antares社は、長期にわたる高性能TRISO燃料の安定した国内調達につながるとしている。
Antares Nuclear
米国SMR(マイクロリアクター)
「Deployable Energy社、INLでの全出力実証とHornbeck Offshore社との海上実証に選定」 Deployable Energy社は、国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)から、今後実施される2件の戦略的実証プロジェクトに選定されたと発表した。対象となるのは、アイダホ国立研究所(INL)の「Nuclear Energy Launch Pad INL」における全出力実証と、「Nuclear Energy Launch Pad USA」の下でHornbeck Offshore社と実施する海上実証である。INLで計画されている実証では、同研究所の運用ノウハウを活用し、Deployable Energy社のヘリウム冷却高温ガスマイクロリアクター「Unity Nuclear Battery」を全出力で運転する。これは、NRICの「Launch Pad」を通じてINLと進めてきた取組みを基盤とするもので、規模を拡大した条件下で、システムの性能、統合、制御、安全性および運用手順を評価する。実証で得られる技術・運用データは、米国原子力規制委員会(NRC)による許認可や将来の導入を支援するために活用される。これと並行して、Deployable Energy社はHornbeck Offshore社と海上実証を実施し、オフショアの運用環境における同社技術の性能や、輸送、システム統合、運用などを含む展開モデルを評価する。これにより、将来の商業、政府、防衛、緊急対応および遠隔地向け用途に役立つ知見の取得を目指す。
Deployable Energy