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新型炉に関する国際情報

2026年6月

英国SMR(高温ガス炉)

「X-エナジー社、Xe-100の英国GDAプロセスへの参加申請を提出」 X-エナジー社は、同社の高温ガス炉型小型モジュール炉(SMR)Xe-100について、英国の包括的設計審査(GDA)プロセスへの参加申請を提出した。申請が受理されれば、同社とセントリカ社が英国で最大6GWの新規原子力発電所を導入するための取り組みにおける大きなマイルストーンとなり、英国の許認可プロセスにおける重要な一歩となる。X-エナジー社は2024年以降、早期関与(EE:Early Engagement)プロセスを通じて英国の規制当局と活発な対話を続けてきた。同社の今回の申請は、米国での認可取得の進捗を踏まえたものであり、設計文書や安全解析を米国側審査から英国側審査へ直接活用することを可能にする英国原子力規制庁(ONR)と米国原子力規制委員会(NRC)との協力拡大により、さらなる恩恵を受けるものと見込まれる。

X-エナジー、World Nuclear News

米国核燃料

「ウレンコUSA社、米国内のウラン濃縮能力の大幅な拡大に向け数十億ドルを投資」 ウレンコ社は、ニューメキシコ州ユーニスにあるウレンコUSA社のウラン濃縮施設(National Enrichment Facility)における低濃縮ウラン(LEU)の生産能力を約50%拡大するため、数十億ドル規模の戦略的投資を行うと発表した。新たな濃縮プラントの建設は2029年に開始され、LEUの初生産は2032年に予定されている。ウレンコ社は、同社が実績を持つガス遠心分離濃縮技術を用い、210万分離作業単位(SWU)の新たな濃縮能力を導入する。拡張工事では最大24基の遠心分離機カスケードが設置され、最初のカスケードは2032年にLEUの生産を開始し、2036年までに順次、追加のカスケードが設置される予定である。同社によると、LEUは将来HALEUを生産する重要な原料としても利用されるとしている。

ウレンコUSA、World Nuclear News

日本・カザフスタン高速炉

「日本とカザフスタン、高速炉分野での協力を拡大」 日本原子力研究開発機構(JAEA)とカザフスタン共和国国立原子力センター(NNC RK)は、高速炉実証炉のシビアアクシデント対策に焦点を当てた高速炉の炉心安全性試験「EAGLE計画」について、新たな段階に進めることで合意した。JAEAとNNC RKは、2000年代初頭から高速炉の炉心安全性試験に関する段階的なEAGLE計画を推進しており、EAGLE-1、EAGLE-2、EAGLE-3の3段階を実施してきた。この計画は、炉心溶融を伴うシビアアクシデントに関連する現象の調査を含め、ナトリウム冷却高速炉(SFR)の安全性を向上させることを目的としている。JAEAとNNC RKは、第4段階の共同研究計画「EAGLE-4」を実施し、両機関間の連携をさらに強化しつつ、高速炉の実用化に向けた炉心安全性試験を推進するため、協力覚書(MOC)に署名した。

カザフスタン共和国国立原子力センター(NNC RK)、日本原子力研究開発機構(JAEA)、World Nuclear News

米国SMR(マイクロリアクター)

「Antares Nuclear社、初の先進実証炉の臨界達成」 2026年6月4日、米国エネルギー省(DOE)の原子炉パイロットプログラムの一環として、Antares Nuclear社のTRISO燃料を採用したナトリウムヒートパイプ冷却マイクロ炉「R1」の実証炉「Mark-0」が、アイダホ国立研究所(INL)において、ゼロ出力臨界実証試験を成功裏に完了した。この試験は、同原子炉が安全に運転可能であることを確認するものであり、2027年以降に後続の原子炉が発電を行うための基盤を確立するものである。Mark-0は、トランプ大統領が2025年5月の大統領令で定めた7月4日の期限までに臨界に達すると見込まれる複数の先進型原子炉のうち、最初のものとなる。

米国エネルギー省(DOE)、Antares Nuclear、World Nuclear News

ウズベキスタン・ロシアSMR

「ウズベキスタン初のSMRの起工式」 ウズベキスタン初の原子力発電所となるロシア製小型モジュール炉(SMR)RITM-200N型原子炉の起工式がジザク州の建設サイトにおいて開催され、初コンクリート打設が行われた。国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長らが出席するとともに、サンクトペテルブルクで会談中のウズベキスタンとロシアの両大統領が、テレビ会議を通じて参加した。2024年5月に両国間で締結された契約は、SMR6基であったが、2025年9月、2基のギガワット級VVER-1000型原子炉と2基のSMRに変更することが決定され、計画容量は従来の330MWeから2,100MWe以上に拡大している。IAEAは、ウズベキスタンの原子力発電導入に向けた制度整備や人材育成等を継続的に支援している。

ロスアトム、World Nuclear News

ロシア高速炉

「BN-1200は2027年の着工を予定」 ベロヤルスク原子力発電所において、計画中のナトリウム冷却高速炉(SFR)「BN-1200」の建設に向けた用地整地作業が行われている。建設スケジュールの詳細については、ロスエネルゴアトムCEOが現場を視察した際に明らかになった。同CEOは、最初のコンクリート打設の目標を2027年末としている。2025年7月にロスアトムのリハチョフ総裁によってユニットの建設準備段階が開始された際、完成目標日は2034年と報じられていた。2025年4月、ロシアの原子力規制当局(Rostechnadzor)は、BN-1200原子炉の建設を承認した。

World Nuclear News

米国SMR(高速炉)

「米国DOE、INLのAurora powerhouseに関する予備安全解析文書を承認」 オクロ社は、米国エネルギー省(DOE)Idaho Operations Officeが、DOEの原子炉パイロットプログラム(RPP)に基づき、アイダホ国立研究所(INL)内に建設中の同社初の原子炉「Aurora Powerhouse(Aurora-INL)」に関する予備安全解析文書(PDSA)を承認したと発表した。同社は、本年3月に「原子力安全設計協定」の承認を受けた後、同省に対し、PDSAの審査を開始するよう要請していた。

オクロ、World Nuclear News

米国新型炉燃料

「Natura社、QNI社とHALEU燃料供給契約を締結」 溶融塩炉(MSR)の開発企業であるNatura Resources(Natrura)社は、スタートアップ企業Quadrant Nuclear Industries(QNI)社と、Natrura社の商用原子炉システム向け高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)を供給する契約を締結したと発表した。米国エネルギー省(DOE)のHALEUコンソーシアムのメンバーであるQNI社は、アイダホ国立研究所(INL)に再処理施設を建設する計画を進めており、年間最大18メトリックトンのHALEUを生産し、先進原子炉の商用および政府市場の両方を支援する予定である。

Natura Resources、Nuclear Newswire

英国・日本高温ガス炉

「ロールス・ロイス社、UKNNL、およびJAEA、英国における高温ガス炉の実用化に向けた協力覚書を締結」 ロールス・ロイス社、英国国立原子力研究所(UKNNL)、および日本原子力研究開発機構(JAEA)は、高温ガス炉(HTGR)およびその燃料となる被覆粒子燃料の開発推進に関する三者間協力覚書(MOC)に署名した。本MOCは、高温ガス炉技術及び高温ガス炉燃料技術に関するものであり、これまでUKNNLとロールス・ロイス社、ならびにUKNNLとJAEAとの間で締結されてきた協定(agreements)をさらに発展させるものである。今年2月、英国政府は民間主導による革新炉技術の開発・商業化を加速するための政策枠組みである、先進原子力フレームワーク(Advanced Nuclear Framework)を開始しており、ロールス・ロイス社は本枠組みを活用している。

ロールス・ロイス、英国国立原子力研究所(UKNNL)、日本原子力研究開発機構(JAEA)、World Nuclear News

英国SMR(高速炉)

「テラパワー社、テラパワーUK社の設立およびNatrium炉に関するGDAプロセスのステップ1開始により、英国での導入において大きく前進」 テラパワー社は、同社の「Natrium」炉に対する英国の規制当局による審査である包括的設計審査(GDA)プロセスのステップ1が正式に開始されたこと、および子会社「テラパワーUK社」が設立されたことを受け、英国における導入プログラムにおける重要な節目を迎えたと発表した。同社は2025年10月、Natrium技術に関する初の国際的な規制当局への申請として、GDA申請を提出した。本年2月、同社の申請が審査対象として受理されたことを受け、英国はNatrium炉のGDAプロセスを開始する準備が整ったことを発表した。テラパワーUK社は、GDA申請を含む英国におけるすべての活動における同社の事業拠点となる。これは、同社にとって初の米国外オフィスである。

テラパワー、NUCNET

米国SMR(マイクロリアクター)

「Hadron Energy社、Halo MMRの基盤となる統合アーキテクチャに関する初の米国特許出願の公開を発表」 Hadron Energy社は、米国特許商標庁(USPTO)が、同社の初の特許出願である「統合型マイクロ炉(Micro Integral Nuclear Reactor)」を2026年5月7日に公開したと発表した。本出願は、同社の主力製品である「Haloマイクロモジュラー炉(MMR)」を支える基盤的な技術開示であり、拡大を続ける同社の知的財産ポートフォリオにおける初の登録となる。Halo MMR(Halo)はウラン235(U-235)の濃縮度が5~10%の「LEU+」を燃料とする一体型加圧水型原子炉であり、本出願は、6~60MWtおよび2~20MWeの原子炉を開示しており、その中でもHaloの10 MWe構成は、同社の主力設計となっている。

Hadron Energy

米国新型炉燃料、核燃料サイクル

「オクロ社とStandard Nuclear社、先進核燃料のサプライチェーン強化に向け戦略的提携を締結」 オクロ社と、原子炉の種類を問わないTRISO燃料メーカーであるStandard Nuclear社は、核燃料リサイクルおよび先進燃料製造に関する商業的提携の可能性を探るため、覚書(MOU)を締結したと発表した。この提携の一環として、両社は、米国エネルギー省(DOE)が「余剰プルトニウム利用プログラム」の一環として、詳細な交渉を行う5社に両社を選定したことを受け、米国の余剰プルトニウムを先進炉用燃料として、安全かつ確実、かつ費用対効果の高い形で活用するための共同取り組みも進める意向である。本MOUは、米国の原子力エネルギーの導入を加速し、重要な核物質および核燃料の国内供給体制を確立することを目的とした大統領令に沿ったものであり、両社が①リサイクル核物質(再処理ウラン、ウラン・超ウラン元素(U/TRU))の回収、②余剰プルトニウム燃料に関する協力を検討するための枠組みを確立するものである。

オクロ、Nuclear Newswire

米国核燃料サイクル

「SHINE Technologies社とnewcleo社、米国の使用済燃料リサイクルの推進に向け提携」 SHINE Technologies(SHINE)社とnewcleo社は、使用済燃料リサイクルに向けた革新的な技術の開発を推進するため、協力する合意に達したと発表した。両社は、SHINE社がnewcleo社に対し、従来の原子炉から発生した使用済燃料由来の材料を供給し、MOX燃料の製造に活用する方法、およびSHINE社がnewcleo社の原子炉から発生する使用済燃料をリサイクルする方法について検討する。SHINE社は、米国が保有する9万メトリックトンの使用済燃料など、既存の使用済燃料在庫から、効率的かつ核拡散抵抗性の高い方法でウランとプルトニウムを抽出することを目的とした核燃料再処理技術を開発している。その価値を引き出すため、SHINE社は2030年代初頭までに、年間100メトリックトンの使用済燃料を処理可能な商業用パイロット施設の稼働を目指している。一方、newcleo社は、回収されたこれらの物質を、同社の鉛冷却高速炉(LFR)施設を含む先進炉システムでの使用に適した新しい燃料に変換できるMOX燃料製造能力の開発を進めている。

newcleo、SHINE Technologies

米国核燃料サイクル

「SHINE Technologies社、EPRIが主導する米国における核燃料リサイクル能力構築コンソーシアムに参画」 SHINE Technologies(SHINE)社は、米国エネルギー省(DOE)エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)の CURIEプログラム(使用済燃料をリサイクルして先進炉の燃料とするプログラム)の下で資金提供を受けた、EPRI(電力研究所)主導のコンソーシアムに参加した。同コンソーシアムは、「革新的実行による再処理・リサイクル評価モデル(MARIE:Model for the Assessment of Reprocessing and Recycle with Innovative Execution)」の構築を支援するもので、これは米国の原子力産業が初の商用使用済燃料リサイクル施設を評価・保証するために活用できる最適化ツールである。SHINE社の役割は、米国の核燃料リサイクル産業が直面する安全保障、規制、および商業上の課題をカバーするものである。SHINE社によるMARIEへの取り組みは、より広範な商業化への取り組みの一環である。同社は、2030年代初頭までに年間100メトリックトンの使用済燃料を処理できるパイロット施設の稼働を目指しており、MARIEはまさにそのような施設の建設を支援するために設計されている。

SHINE Technologies

米国SMR(高速炉)、新型炉燃料

「オクロ社とセントラス社、オハイオ州南部における「Aurora Powerhouse」導入に向けた核燃料購入に関する意向書に署名」 オクロ社は、Meta社のデータセンター向け電力供給を目的としてオハイオ州南部に建設を計画する総出力1.2GWの「Clean Energy Campus」に向け、セントラス・エナジー(セントラス)社と高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)の供給に関する意向書(LOI)を締結した。2029年からオハイオ州パイクトンのセントラス社の「American Centrifuge Plant(ACP)」より最大5基のAurora Powerhouseを複数年間運転できる量のHALEU供給を受ける計画であり、Meta社によるプロジェクト推進資金の前払いに続き燃料供給体制を整備することで、米国の先進炉向けサプライチェーン強化を図る。

オクロ、セントラス・エナジー

米国SMR(マイクロリアクター)

「Deployable Energy社、臨界達成に先立ち安全承認を取得」 Deployable Energy社は、6月初めに米国エネルギー省(DOE)から、同社のマイクロリアクター「Unity」の「安全解析書(DSA)」の承認を受けたことを発表した。これは、臨界達成に向けた規制上の新たなマイルストーンとなる。今後、同社は低濃縮ウラン(LEU)燃料の全量を確保し、DOEの認可取得に向けた最終準備を進めるとともに、アイダホ国立研究所(INL)での試運転活動を開始する予定である。同社は、4月に発表されたINLの国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)が主導するDOEの「Nuclear Energy Launch Pad」プログラムの初回参加企業に選定されている。

Deployable Energy

米国SMR(溶融塩炉)

「Terrestrial Energy社とテキサスA&M大学システム、テキサス州RELLISキャンパスにおけるIMSRの商用導入および研究開発プロジェクトを推進するための契約を締結」 Terrestrial Energy社はテキサスA&M大学システムと、テキサス州RELLISキャンパスにおける一体型溶融塩炉(IMSR)の商用導入および研究開発を推進するため、土地賃貸契約および研究開発協定を締結した。同契約により、同社はRELLISキャンパス内の約77エーカー(約31ha)の敷地を確保し、商用IMSR発電所の建設に向けた敷地調査や環境評価を進める。また、米国エネルギー省(DOE)の支援を受ける研究開発プロジェクトや、テキサスA&M大学システムとの共同研究も実施する。今回の契約は、2025年に締結した協力覚書(MOU)を具体化するものであり、Terrestrial Energy社はRELLISキャンパスを拠点にIMSRの商用化を加速させる方針である。

Terrestrial Energy

米国SMR(高温ガス炉)、マイクロリアクター

「Valar Atomics社の「Ward 250」、米国で2基目の臨界達成」 DOEの原子炉パイロットプログラムに参加しているValar Atomics社の試験用原子炉「Ward 250」が、ゼロ出力臨界実証実験を成功裏に完了した。この実験はユタ州サン・ラファエル・エネルギー研究所(USREL)で実施され、国立研究所の外で建設された初のDOE認可原子炉となった。「Ward 250」は、トランプ大統領が2025年5月の大統領令で定めた7月4日の期限までに臨界に達すると見込まれる複数の先進原子炉のうち、2基目となる。今月初め、Antares Nuclear社の「Mark-0」炉が、アイダホ国立研究所(INL)で臨界に達した。初のものとなる。

米国エネルギー省(DOE)、NUCNET

カナダ原子力政策

「カナダ政府が原子力エネルギー戦略を発表」 カナダ政府は、「カナダ原子力エネルギー戦略」を発表した。これは、カナダが最近発表した「国家電力戦略」を補完するものである。今回発表された戦略は4つの柱(①カナダ全土での新規建設の実現、②世界的に選ばれる供給者・輸出国となること、③ウラン生産と核燃料のビジネスチャンスを拡大し、世界最高水準の長期的な核廃棄物管理を支援すること、④カナダ独自の新たな原子力技術(核分裂・核融合を含む)を開発すること)を軸に構成されている。新規建設計画における主な目標には、カナダ国内で最大10基の新規大型原子炉の建設を可能とすること、小型モジュール炉(SMR)の稼働または建設、そして、2035年までのカナダ製のマイクロ炉の実証が含まれる。同戦略によれば、原子力プロジェクトの規制枠組みは合理化され、プロジェクトが効率的に審査されるよう、連邦政府による規制審査を2年以内に完了することを目標とする。

カナダ天然資源省(NRCan)、World Nuclear News

米国原子力政策

「米国DOE、米国の原子力サプライチェーン向け融資を発表」 米国エネルギー省(DOE)のエネルギー優位性金融局(EDF:Energy Dominance Financing)は、米国の商用原子力サプライチェーンの再構築に必要な、調達リードタイムの長い物品の購入資金を賄うため、条件付き融資の確約を行った。175億ドル規模の「米国原子力サプライチェーン融資」は、全米の電力会社やエネルギー企業が推進する5つの適格プロジェクトへの資金提供を支援し、全米における10基の大型商用原子炉(ウェスチングハウス社製AP1000)の導入を最大3年早めることを目的としている。このプロジェクトは、2030年までに設計が完了した10基の新規大型原子炉を建設中とするという目標を支援することで、トランプ大統領の大統領令「原子力産業基盤の活性化」を推進するための重要な一歩となる。

米国エネルギー省(DOE)

インド高速炉、水素製造

「インド、FBTRからの核熱を利用した銅・塩素熱化学サイクルに基づく世界初の水素製造施設を開設」 インド原子力省(DAE)は、カルパッカムにあるインディラ・ガンジー原子力研究所(IGCAR)において、高速実験炉(FBTR)からの核熱を利用した、銅・塩素(Cu–Cl)熱化学サイクルに基づく世界初の水素製造施設の開所式を行った。この施設は、DAE傘下のバーバ原子力研究所(BARC)が開発した水素製造技術と、IGCARの高速炉に関する先進的な専門知識を融合させたものである。DAEによると、銅・塩素(Cu–Cl)熱化学サイクルは、比較的低い運転温度と高い熱力学的効率を特徴とするため、水素製造において最も有望な手法の一つと見なされている。FBTRはナトリウム冷却高速増殖炉であり、1985年にIGCARで運転を開始し、2018年には出力を32MWtまで段階的に引き上げ、2022年に定格出力である40MWtに達した。原子力を利用した水素製造は、インドの原子力エネルギー戦略の重要な柱の一つとなっており、熱化学的な水素製造システムと連携する5MWtの高温ガス炉の開発も現在進行中で、BARCヴィシャーカパトナム研究開発サイトへの初号機の建設が提案されている。

インド政府報道情報局(PIB)、インド原子力省(DAE)、World Nuclear News

フィンランド原子力規制、SMR

「フィンランドのSMR設計に関する国際安全審査が完了」 フィンランドの放射線・原子力安全庁(STUK)は、Steady Energy社の地域暖房用小型モジュール炉(SMR)「LDR-50」の安全性を評価するため、チェコ原子力安全局(SÚJB)、ポーランド国家原子力機関(PAA)、スウェーデン放射線安全庁(SSM)、ウクライナ国家原子力規制検査局(SNRIU)の4か国の原子力規制当局と共同で2025年10月から実施していた「共同早期審査」の要約報告書を公表した。報告書では、各国当局が導き出した結論は概ね一致しており、LDR-50コンセプトの安全対策には、多重防護や受動的安全対策の活用など、いくつかの強みが確認された。共同初期審査に関与した当局のいずれも、検討された分野において、コンセプトのさらなる開発を妨げるような根本的な障害を特定しなかった。一方で、審査では、実際の許認可段階においては、例えば安全解析、緊急時の対応、プラントレベルでの影響などに関して、より詳細な分析、根拠の提示、および綿密な計画が必要であることが強調された。

フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)、Steady Energy、World Nuclear News

欧州SMR(鉛冷却高速炉)

「Blykalla社と日立エナジー社、欧州および米国における次世代原子炉に関するMOU締結」 スウェーデンのBlykalla社と、スイスに拠点を置く日立エナジー社(日本の日立グループのエネルギー部門)は、欧州および米国への次世代鉛冷却型の先進モジュール炉(AMR)の導入を可能にするための長期的な協力を模索する旨の覚書(MOU)を締結した。本MOUに基づき、両社はBlykalla社のAMR向けに、送電レベルでの接続、プラント内の電気システム、デジタル監視などを網羅した電気・系統連系設計を共同で最適化する。また、これにより日立エナジー社は、自社のソリューションを小型モジュール炉(SMR)向けの標準ソリューションに統合することが可能となる。

Blykalla、日立エナジー、World Nuclear News

米国核燃料

「ウレンコUSA社、5番目のウラン濃縮カスケードにて生産を開始」 ニューメキシコ州ユーニスにあるウレンコUSA社のウラン濃縮施設において、5番目の新規カスケードが生産を開始した。同カスケードは6月22日に生産を開始し、予定より早く予算内で稼働に成功した。新規カスケードは、2025年に開始された、2027年初頭までに70万分離作業単位(SWU)の濃縮能力を導入する計画の一環であり、この計画にはさらに3基のカスケード導入が含まれている。同社は、2029年には、210万SWUの新規濃縮プラントの建設を開始する予定であり、最初のカスケードは2032年に生産を開始し、2036年まで追加のカスケードが順次設置される見込みである。

ウレンコUSA、World Nuclear News