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新型炉に関する国際情報

2026年3月

米国核燃料

「Aalo Atomics社、GNF社と燃料製造契約を締結」 Aalo Atomics(Aalo)社は、GEベルノバ社が率いるGlobal Nuclear Fuel(GNF)社と燃料製造契約を締結した。本契約により、GNF社は2026年初頭に低濃縮ウラン(LEU)から製造した燃料棒をAalo社へ納入する計画である。これらの燃料棒は、ナトリウム冷却の実験用モジュール炉「Aalo-X」の動力源となる。ここ数か月の間に、Aalo社は米国エネルギー省アイダホ・オペレーション・オフィス(DOE-ID)からAalo-Xの用地割当を確保し、アイダホ国立研究所(INL)に隣接する建設予定地で建設を開始した。またDOEおよび米国原子力規制委員会(NRC)の審査員による最終設計審査(FDR)を完了し、環境審査プロセスを迅速化する環境影響評価決定をDOEから受け取っている。

Aalo Atomics、World Nuclear News

米国原子力政策

「DOE、原子力技術の進展に向け米国の研究者や大学に5,200万ドルを交付」 米国エネルギー省(DOE)原子力局は、米国が先進的な原子力技術の研究開発において最先端の地位を維持できるよう支援するため、全国から46件のプロジェクトを選定し、総額5,280万ドルの助成金を交付すると発表した。本助成金は、2025年5月の大統領令『原子力産業基盤の活性化』を推進するものである。これらのプロジェクトは、研究インフラへのアクセスを拡大し、米国の原子力人材を育成する。この資金は「原子力研究開発」43件、「若手研究者卓越プログラム」3件の2つの重点分野に分けられ、全米19州の大学、国立研究所、産業界における初期段階の原子力エネルギー研究活動を支援する。

米国エネルギー省原子力局(DOE NE)、Nuclear Newswire

米国SMR(高速炉)

「米国NRC、Natrium炉の建設許可申請を認可」 米国原子力規制委員会(NRC)は、テラパワー社のナトリウム冷却高速炉「Natrium」の初号機であるケンメラー発電所1号機の建設許可申請を認可した。同社は2024年3月、同炉の建設許可申請をNRCに提出し、2024年5月に受理されていた。NRCは当初27か月の審査スケジュールを設定したが、トランプ大統領の大統領令により、審査プロセスは効率化され、審査は18か月で完了した。同発電所の非原子力部分(Energy Island)は既に建設中であるが、今後数週間でNatrium炉の原子力部分(Nuclear Island)の建設が開始される予定である。なお、Natrium炉の運転開始には、別途運転許可申請書を提出し、NRCの認可を得る必要がある。

米国原子力規制委員会(NRC)、テラパワー、Nuclear Newswire

米国原子力政策

「米国、民間企業による先進炉開発と導入を促進するための新枠組みを設立」 米国エネルギー省(DOE)と国立原子炉イノベーションセンター(NRIC)は、民間企業による先進的原子力技術の迅速な開発と導入を促進することを目的とした「Nuclear Energy Launch Pad」(以下、「Launch Pad」)と名付けた新しい仕組みを立ち上げた。この仕組みではDOEの権限と専門的知見を活用し、先進炉や燃料製造、燃料濃縮、燃料再処理など幅広い原子力技術の開発者を支援するともに、さまざまなエネルギー用途に向けた関連技術のイノベーションも対象としている。この取り組みは、DOEの原子炉パイロットプログラムと燃料ラインパイロットプログラムを発展させたもので、DOEは、パイロットプログラムの新規および将来の申請者をLaunch Padへ移行し、支援の対象を許認可取得だけでなく、商業化に向けた試験や運転まで拡大する計画である。Launch Padには、アイダホ国立研究所(INL)サイト内で実施される「Launch Pad-INL」とINL外で実施される「Launch Pad-USA」という二つのルートが設けられている。DOEは採択された申請者に対して資金提供を行わないが、インフラや技術的支援などのリソースを提供する。最初の申請募集は「今後数か月以内に開始される見込み」で、今後は毎年実施される予定である。既にDOEのパイロットプログラムに提出済みの申請は、Launch Padへ移行可能であり、再申請の必要はない。

アイダホ国立研究所(INL)、World Nuclear News

韓国SMR(高温ガス炉)、原子力熱利用

「韓国化学工業協会とKAERIが高温ガス炉導入に関する研究協力覚書に署名」 韓国化学産業協会と韓国原子力研究院(KAERI)は、「化学産業の競争力を強化するため、高温プロセス熱を供給できる高温ガス炉(HTGR)に関連した相互技術協力の基盤を確立する」ことを目的として、覚書(MOU)を3月6日に締結したと発表した。本MOUを通じて、両機関は、国内の石油化学企業のニーズを反映した現実的なHTGRの設計を推進し、さらにHTGR関連技術の商業化の機会を創出することで、カーボンニュートラルの実現に向けた実践的な技術協力エコシステムを構築することに合意した。

韓国原子力研究院(KAERI)、World Nuclear News

米国SMR(高速炉)新型炉燃料

「オクロ社とセントラス・エナジー社が核燃料サービス合弁事業計画を発表」 オクロ社とセントラス・エナジー社は、高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)の再転換サービスに焦点を当てた合弁事業について協議を進めることで合意した。さらに、この合弁事業では、関連する燃料サイクル技術およびサプライチェーンの発展も目的としている。本事業はオハイオ州にあるセントラス・エナジー社のパイクトン拠点で実施される予定であり、同拠点は同社のウラン濃縮事業の施設と同じ場所に位置し、さらにオクロ社が計画している1.2GWの発電キャンパスにも隣接している。

オクロ、セントラス・エナジー、World Nuclear News

IAEA(国際原子力機関)原子力政策

「パリで仏とIAEA共催の原子力エネルギー・サミットが開催」 フランス・パリで3月10日、フランス政府と国際原子力機関(IAEA)共催による第2回「原子力エネルギー・サミット」が開催された。欧州委員会(EC)のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、革新的な原子力技術に対する新たな財政支援と、2030年代初頭までに欧州での稼働を目指す小型モジュール炉(SMR)に関する欧州連合(EU)の戦略を発表した。また同氏は、欧州の原子力割合が今日ではわずか15%近くにとどまったのは選択の結果だが、信頼性が高く、手頃な価格の低排出電力源に背を向けたことは、欧州にとって戦略的な過ちだったと述べた。同サミットにおいて、第28回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP28、於UAE・ドバイ)で署名された2050年までに世界の原子力発電設備容量を3倍にするという「原子力の三倍化宣言」に、あらたにブラジル、ベルギー、中国、イタリアが署名し、今年3月初めに署名した南アフリカと併せ、署名国は38か国に拡大した。

欧州委員会(EC)、World Nuclear News

仏国SMR

「フランス2030革新炉プロジェクトの第2段階で2つのプロジェクトへの支援継続を発表」 投資計画「フランス2030」に基づく革新炉プロジェクト第2段階として、Calogena社およびJimmy Energy(Jimmy)社への継続支援が発表され、それぞれ公的資金を獲得することとなった。Calogena社は地域熱供給ネットワーク向けのPWRベースの小型モジュール炉(SMR)を開発中であり、CEAカダラッシュサイトへの設置可能性を検討している。一方、Jimmy社は産業への熱供給を目的とした高温ガス炉を開発中であり、フランス北東部バザンクールの製糖大手会社産業コンビナートへの原子炉設置許可申請を既に提出済である。

Calogena、Jimmy Energy

仏国・米国SMR、核燃料

「フラマトム社とNuScale社の燃料製造に関する協力の拡充」 フラマトム社とNuScale Power(NuScale)社は、2015年に締結された独占的な燃料製造契約を基盤としたパートナーシップを拡大し、欧州での燃料製造のためにフラマトム社の欧州施設を活用することを新たに含めることで合意した。また、NuScale社の軽水型SMRの燃料を製造する施設として、今後5年間、フラマトム社の米国ワシントン州のリッチランド施設を指定した。製造準備体制の支援に加えて、早ければ2030年にもNuScale社の最初の米国顧客向けに少なくとも444体の燃料集合体を製造する指示が含まれている。

フラマトム、World Nuclear News

仏国原子力政策

「第5回原子力政策評議会が開催される」 マクロン大統領の下、5回目となる原子力政策評議会(CPN)がEPR2の建設準備が進むパンリー原子力発電所サイトで開催された。高速炉を含むクローズドサイクル開発の方向性については、主要事業者、研究機関、新規参入企業など全ての関係者を動員することを目的とした、新たな国家プログラムを開始することを確認した。4年間の研究段階を開始し、2030年頃を目途として、最初の高速中性子炉の建設開始を検討するとしている。CEA、EDF、フラマトム、及びオラノの代表を含むプログラム運営組織を設置することを決定し、この組織に対し、プログラムの進展状況を毎年CPNへ報告するよう求めた。資金調達計画には欧州および国際的なパートナーシップ、並びに産業界からの拠出を組み込むべきであるとし、全ての関係主体、特に新規参入企業の参加を確保することが重要な課題となるとしている。投資計画「フランス2030」革新炉プロジェクトについては第2段階の審査が継続中で、今後数か月のうちに追加支援が決定される可能性があることが確認された。既存炉および将来のEPR2の需要に対応するためオラノ社が進めるバックエンド施設の更新と新規MOX燃料製造工場建設プロジェクトについては、2段階で進められるとともに「大規模国家プロジェクト」への指定が確認され、関連手続きの加速や適用要件の簡素化に向け必要な措置を講ずることが政府部局に要請された。さらにEPR2建設計画については、EDFが最終投資決定を2026年末までに行い、最初の原子炉を2038年までに稼働する目標などが確認された。

仏国大統領府(エリゼ宮)

米国原子力政策

「DOE NE、米国の原子力発電容量拡大のため、新たなイニシアチブUPRISEを開始」 米国エネルギー省原子力局(DOE NE)は、既存原子炉の出力向上や再稼働、および停滞している原子炉プロジェクトの完了を通じて、米国の原子力発電容量を拡大するという政府の目標を達成するため、新たなイニシアチブUPRISE(Utility Power Reactor Incremental Scaling Effort)を開始した。2027年までに2.5GWの追加、2029年までに合計5GWの追加を目指している。UPRISEは、2025年5月の大統領令「米国の原子力産業基盤の再活性化」を受けて設立されたものであり、原子力発電の成長を加速させ、国の差し迫ったエネルギー需要に対応するためのイノベーションを促進する即効性のある成果をもたらすものである。UPRISEは「3つの柱からなるアプローチ」を採用し、サプライチェーンの準備状況を検証し、発電能力の増強や設備のアップグレードに向けたプラント設備の評価を行い、プロジェクトへの投資判断を裏付ける経済モデルの検証を行う。また、規制プロセスの効率化や、将来の原子力導入を支援するための労働力に関する取り組みの検討にも携わる予定である。

米国エネルギー省原子力局(DOE NE)、Nuclear Newswire

英国SMR

「ロールス・ロイスSMRに規制上の正当化判断」 英国原子力産業協会(NIA)は、ロールス・ロイスSMR社の小型モジュール炉(SMR)の正当化(Justification)を求める申請を環境・食糧・農村地域省(DEFRA)に2024年7月に行っていたが、DEFRAは同SMRに規制上の正当化を与えることを決定した。これはSMRとして初めてこの決定を受けた事例となる。この正当性とは新しい原子力技術を国内で運用する際に必要となる初期段階の規制プロセスであり、その審査はDEFRAが担当する。またNIAは、英国の民生原子力産業を代表する団体として、これまでにもABWR、AP1000、EPR2などの原子炉について正当化申請を提出してきている。正当化決定は特定の企業やプロジェクトに限定されるものではなく、一般的な判断として他の事業者も利用できる。

英国環境・食糧・農村地域省(DEFRA)、World Nuclear News

英国原子力規制

「英国政府、原子力規制の見直しに関する計画を発表」 2025年2月にスターマー首相が設置した、原子力規制タスクフォース(TF)の最終報告書が2025年11月に公表されてから3か月が経ち、英国政府は原子力発電の導入を加速させるため、原子力規制制度の改革を進める計画を明らかにした。本TFの目的は、新しい原子炉設計の承認を迅速化し、開発事業者と規制当局との連携プロセスを効率化することだった。すべての改革は、立法手続きの進捗次第ではあるが、2027年末までに完了する見込みである。英国原子力規制局(ONR)は、2025年11月以降、政府や他の規制当局と緊密に連携し、ONRを原子力部門の暫定的な主導規制当局として指定する「主導規制当局モデル」の確立に向けた取り組みを進めており、これは将来的に新たな原子力規制委員会(Commission for Nuclear Regulation)を設立するための第一歩となる。

英国政府、英国原子力規制局(ONR)、World Nuclear News

米国・日本SMR(高温ガス炉)

「X-エナジー社とIHI社が提携し、日米のSMRサプライチェーン開発を推進」 X-エナジー社とIHI社(IHI)は、東京で開催されたインド太平洋エネルギー安全保障閣僚ビジネスフォーラムに合わせて、X-エナジー社の高温ガス炉(HTGR)型の先進小型モジュール炉(SMR)Xe-100に向けた日米のサプライチェーン開発を拡大するための覚書(MOU)に署名した。本MOUは、原子力グレード部品の商業規模での製造機会を模索するための協力枠組みを確立するものであり、日米の産業貿易上の優先事項と、X-エナジー社の今後導入予定の11GW以上の新規原子力容量の実行の両方を支援するものである。本MOUに基づき、両社はX-エナジー社のHTGRに使用される重要部品の製造機会を評価するために協力する。

X-エナジー、IHI

米国SMR(高速炉)

「オクロ社、INLに建設予定の「Aurora Powerhouse」に関する原子力安全設計協定について、米国DOEから承認」 オクロ社は、米国エネルギー省(DOE)の原子炉パイロットプログラム(RPP)の下、アイダホ国立研究所(INL)に建設される同社初の原子炉「Aurora Powerhouse」の設計、建設、および運転を支援するため、DOEとの「その他取引契約(OTA)」を締結したと発表した。その後、DOE Idaho Operations Officeは、Aurora Powerhouseに関する原子力安全設計協定(NSDA)を承認し、同社は直ちにDOEに対し、予備安全解析書(PDSA)の審査開始を要請した。OTA締結とNSDAの承認を経て、INLのAurora Powerhouse(Aurora-INL)は、2025年9月の着工に続き、DOEの監督下でプロジェクト実施の次の段階に入る。

オクロ

米国医療用RI

「Atomic Alchemy社、米国NRCより同位体材料に関する許可を取得」 オクロ社は、米国原子力規制委員会(NRC)が、同社の完全子会社であるAtomic Alchemy社に対し、同位体の取り扱い、加工、および流通を行うための材料許可証を発行したと発表した。Atomic Alchemy社に付与されたこの許可証は、同社に対し、最大2キュリー(Ci)のRa-226を伴う受入、保有、使用、保管、ならびに化学的および/または機械的処理、再梱包、製造、および流通活動を行うことを認めるものである。また、計測器や遮蔽材の校正および試験を目的としたCo-60およびAm-241の密封放射性物質の保有、使用、保管も許可されている。Atomic Alchemy社は現在、廃棄物として管理されている使用済みラジウム源などの材料を回収・処理することで、標的アルファ線治療のサプライチェーンを含む医療用同位体の生産を支える価値ある原料を創出できると見込んでいる。

オクロ

米国SMR、医療用RI

「Atomic Alchemy社、同位体試験炉Grovesの原子力安全設計協定について、米国DOEから承認」 オクロ社は、米国エネルギー省(DOE)が、DOEの原子炉パイロットプログラム(RPP)に基づき、テキサス州にある子会社のAtomic Alchemy社の同位体試験炉Grovesに関する原子力安全設計協定(NSDA)を承認したと発表した。Atomic Alchemy社に対するNSDAの承認は、1月に同施設に関する「その他取引契約(OTA)」の締結が発表されたことに続くものであり、迅速かつ拡張可能な展開を支援する枠組みを通じて、実行を加速し米国の産業能力の拡大に寄与することを目的とした、DOEのRPP認可プロセスにおける重要なマイルストーンである。NSDAの承認を受け、同施設はDOEの監督下でプロジェクト実行の次の段階へと移行し、予備安全解析書(PDSA)を提出して審査を受けることになる。

オクロ

米国エネルギー政策

「米国DOE、「ジェネシス・ミッション」の国家科学技術課題を支援するため、2億9300万ドルの資金提供を発表」 米国エネルギー省(DOE)は、国内で最も複雑な科学技術上の課題に取り組む「ジェネシス・ミッション」を推進するための資金提供を発表した。これには、2億9300万ドル規模の申請依頼書(RFA:Request for Application)「ジェネシス・ミッション:AIによる科学とエネルギーの変革」が含まれる。このRFAを通じて、DOEは学際的なチームに対し、先進的な製造、バイオテクノロジー、重要材料、原子力エネルギー、量子情報科学にまたがる20以上の国家的課題に取り組むため、革新的なAIモデルやフレームワークを活用するよう呼びかけている。本RFAは、DOE国立研究所、米国の産業界、および学術界からの学際的なチームを対象としている。

米国エネルギー省(DOE)

米国・日本核燃料

「General Matter社、最大24億ドルのEXIM融資を背景に米国の核燃料を日本に輸出へ」 General Matter社は、米国輸出入銀行(EXIM)の支援を受け、米国製の核燃料を日本に輸出する。EXIMは、日本の原子力事業者が今後10年間にわたり最大24億ドル相当の米国製核燃料を購入するための資金調達を支援する意向書(LOI:letters of interest)を発出した。この融資は、日本の電力会社によるGeneral Matter社の濃縮ウランの購入を支援し、日本に対して信頼できる燃料供給を確保するものである。

General Matter

米国医療用RI

「テラパワー・アイソトープス社、cGMP準拠のAc-225製造施設の建設を発表」 テラパワー・アイソトープス(TPI)社は、ペンシルベニア州フィラデルフィアのベルウェザー地区に、同社の主力となる現行適正製造基準(cGMP)準拠のアクチニウム225(Ac-225)製造施設を建設すると発表した。TPI社による東海岸製造施設の建設と、ワシントン州エバレットにある既存施設の生産能力拡大により、生産能力は20倍に増加する。本プロジェクトは数年かけて建設が進められ、cGMP準拠のAc-225の生産は2029年に開始される予定である。

テラパワー