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新型炉に関する国際情報

2025年10月

米国新型炉燃料

「NRC、ウレンコUSA社の5~10%濃縮ウラン生産を認可」 ウレンコUSA社は、米国原子力規制委員会(NRC)からウラン235を最大10%まで濃縮する認可を9月30日に取得したと発表した。これにより同社は、濃縮度5~10%の低濃縮ウラン「LEU+」を生産する初の商業ウラン濃縮事業者となる。LEU+の初期生産は今年中に開始され、最初の製品出荷は2026年に行われる予定である。

ウレンコ、World Nuclear News

イタリア原子力政策

「イタリア政府が原子力エネルギー再導入に関する法案を提出」 イタリア政府(閣議)は、原子力エネルギー再導入の責任を政府に委任する法案を議会での最終審議に付すことを承認した。この法案により、政府は欧州の脱炭素政策やエネルギー安全保障の枠組みの下で「持続可能な」原子力を包括的に管理できるようになる。委任内容には、原子力発電国家プログラムの策定、独立した原子力安全機関の設立、研究強化や人材育成、啓発活動などが含まれる。施行法令は、法律の発効から12か月以内に採択される必要がある。

World Nuclear News

ロシア高速炉

「BN-800原子炉向け超音波監視システムの試験を実施」 ベロヤルスク原子力発電所4号機BN-800の炉心向けの超音波監視システム(Vizuzシステム)の予備試験が試験設備で実施され、その有効性が確認された。次の段階として2026年の定期点検時に原子炉内への設置が計画されている。同システムは現在建設準備中のBN-1200Mへの適用も検討されている。

World Nuclear News

米国SMR(マイクロリアクター、高温ガス炉)

「NANO社、イリノイ州にMMR施設を建設へ」 NANOニュークリア・エナジー社は、、イリノイ州にマイクロ・モジュール・リアクター(MMR*)の製造・研究開発施設を設立するため1200万ドル以上を投資するにあたり、同州の奨励プログラムから680万ドル相当の税制優遇・支援措置を受けることを発表した。同社はイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校(UIUC)と連携して人材育成を含めKRONOS MMRエネルギーシステムの開発に取り組む。(*USNC社から買収した高温ガス炉技術)

NANOニュークリア・エナジー、World Nuclear News

米国SMR(マイクロリアクター、高温ガス炉)

「Radiant社、テネシー州マンハッタン計画サイト跡地に初のマイクロリアクター工場を建設へ」 Radiant Industries社は、テネシー州オークリッジにあるマンハッタン計画サイト跡地に初のマイクロリアクター工場「R-50」を建設すると発表した。オークリッジ産業開発局との契約に基づき、工場建設は2026年初頭に開始される予定であり、2028年までに初の量産型マイクロリアクターを納入し、その数年後には年間50基の生産規模へ拡大する予定である。同社は、1MWeの可搬型の高温ガス冷却式マイクロリアクター「Kaleidos」を開発中で、2025年8月に米国エネルギー省(DOE)の原子炉パイロットプログラムに選定されている。

Radiant Industries、World Nuclear News

米国原子力政策、SMR(マイクロリアクター)

「米国陸軍省、次世代原子力プログラム「Janus計画」を発表」 米国陸軍省(DOA:Department of Army)は、次世代原子力プログラム「Janus計画」の開始を発表した。2025年5月の大統領令「国家安全保障のための先進原子炉技術の展開」は、2028年9月30日までに、国内軍事施設において陸軍が規制する原子炉の運用を開始するよう国防総省(DOD)に指示するものである。国防長官によりこの任務の執行機関として指定された陸軍省がJanus計画を主導する。同計画では、国防イノベーション・ユニット(Defense Innovation Unit:DIU)との連携により、商用マイクロリアクターを導入する。

米国陸軍省(DOA)、World Nuclear News

米国SMR(高温ガス炉)

「Amazon社、計画中のXe-100プラントの外観イメージを公開」 Amazon社は、X-エナジー社製小型モジュール型高温ガス炉(Xe-100)で構成されるプラント(カスケード先進エネルギー施設(Cascade Advanced Energy Facility)と命名予定)の一連の外観イメージを公開した。同社は、2024年10月にX-エナジー社への投資計画を発表し、ワシントン州の電気事業者エナジー・ノースウエスト社およびX-エナジー社と共同で、エナジー・ノースウエスト社コロンビア原子力発電所近郊に最大12基のXe-100の建設を計画している。その第一段階では4基のXe-100で構成される320MWeのプラントについて、2020年代末の建設開始、2030年代の運転開始を目指している。

Amazon、World Nuclear News

米国・仏国・スウェーデン核燃料サイクル

「オクロ社とニュークレオ社が戦略的提携を締結、Blykalla社と共に米国の先進燃料の製造および生産インフラ開発を推進」 オクロ社(米)とニュークレオ社(欧州)は、米国における先進燃料の製造および生産インフラの開発に関する共同合意を発表した。ニュークレオ社は最高20億ドルを投資する計画であり、スウェーデンの先進原子力技術開発企業であるBlykalla社も、共同投資およびプロジェクトからの燃料関連サービスの調達を検討している。本提携は、拡大する世界のエネルギー需要に対応する各当事者の供給能力を強化する。この取り組みには、燃料製造施設への共同投資および共同設置が含まれ、確立された米国の安全・セキュリティ要件に合致した形で余剰プルトニウムの再利用も含まれる可能性がある。

オクロ、Blykalla、World Nuclear News

オランダ核燃料

「ウレンコ社、オランダ拠点のさらなる生産能力拡張を発表」 ウレンコ社は、オランダのアルメロにあるウラン濃縮施設の拡張計画の規模を倍増させる方針を発表した。同施設における第一段階の拡張計画(約75万分離作業単位(SWU))は2023年に発表され、同社は今回、第二段階として追加の遠心分離棟を建設し、第一段階と同じく約15%程度の増産能力を確保する計画を進めており、これにより2030年までに合計150万SWUの増産能力が実現する見込みである。なお同施設は、2027年の稼働開始を予定している。同社は世界全体(米、英、独、蘭)で、現在250万SWUの新規濃縮能力を確保する見込みであり、最初の2基の遠心分離機カスケードはニューメキシコ州ユーニスで既に稼働中である。

ウレンコ、World Nuclear News

米国核燃料(レーザー濃縮)

「GLE社、SILEXレーザーウラン濃縮技術でTRL6を達成し次の段階へ」 Silex Systems社およびその技術ライセンシーであるグローバル・レーザー・エンリッチメント(GLE)社は、9月の大規模ウラン濃縮実証プログラム完了を受け、SILEXレーザーウラン濃縮技術に関する独立した第三者検証が完了したことをそれぞれ発表した。この検証は、米国の大手防衛・インフラ関連企業によって実施されたもので、その結果、GLE社が技術成熟度レベル(TRL)6*に到達したことが確認されるとともに、同社が次の段階である詳細設計へ進む計画を支持する内容となっている。GLE社は2025年7月に、パデューカ・レーザー濃縮施設(PLEF)に関する米国原子力規制委員会(NRC)への正式な認可申請を完了している。
*TRL-6: 当該技術が関連する環境下で、プロトタイプまたはパイロット規模で実証され、実用規模のシステム開発に進む準備が整った段階

グローバル・レーザー・エンリッチメント、Silex Systems 、World Nuclear News

米国SMR(高速炉)

「テラパワー社のNatrium炉、NRC発行EISを取得」 テラパワー社は、米国原子力規制委員会(NRC)から、ワイオミング州で開発中のNatriumプロジェクトに関する環境影響評価書(EIS)の作成が完了し、環境への悪影響は認められなかったとの通知を受けたことを発表した。これは、商業用の先進原子力発電所として初めてこの規制上の節目を達成した事例となる。建設許可申請(CPA)の審査完了に向けた次のステップは、2025年12月31日までに予定されている最終的な安全性評価となる。なお、同社は2024年6月にサイト内の非原子力部分の建設を開始している。

テラパワー、World Nuclear News

仏国SMR(鉛冷却高速炉)

「ニュークレオ社、ネクストケム社の合弁事業が開始」 ニュークレオ社は、同社の開発する鉛冷却高速炉(LFR-AS-200)の原子炉設備側を除く通常設備と周辺設備を開発するため、イタリア大手エンジニアリング会社であるマイレ(MAIRE)社傘下のネクストケム(NEXTCHEM)社と合弁会社NEXT-N社を設立した。ニュークレオ社はNEXT-N社に、初号機(FOAK)の基本設計開発に向け7000万ユーロのエンジニアリング・サービス業務を発注、小型モジュール炉(SMR)と水素・アンモニア技術の統合に関する詳細な検討を進めるとしている。

マイレ、World Nuclear News

英国SMR(高速炉)

「米国テラパワー社、Natrium炉を英国の規制承認に向け申請」 米国テラパワー社は、2025年10月28日にNatrium炉及びエネルギー貯蔵システムを英国における包括的設計審査(GDA)プロセスへ正式に申請書を提出したことを発表した。これは同社がNatrium技術を国際市場に展開するための最初の規制上の手続きである。同社は、2025年春、ナトリウム冷却高速炉(SFR)「Natrium」のGDA承認プロセスを開始する意向を英国規制当局に通知するとともに、9月には、Natrium炉およびエネルギー貯蔵システムの導入に向けたフィージビリティ・スタディと建設候補地の評価で米エンジニアリング企業KBR社と協業することを発表していた。なお9月には、英国と米国の規制当局が、規制を合理化し先進型原子炉の英国・米国市場への導入を加速させる新たな取り組みを発表しており、米国におけるNatrium炉の審査経験が英国のGDA審査にも活用される可能性がある。

テラパワー、World Nuclear News

カナダ・米国SMR(マイクロリアクター、高温ガス炉)

「NANO社、北米事業を進める」 NANOニュークリア・エナジー社(以下、NANO社)は、Global First Power Limited(GFPL)の買収を10月22日に完了し、カナダ事業における社名をTrue North Nuclear社に変更したと発表した。True North Nuclear社はカナダにおいて、NANO社が以前USNCから取得した高温ガス炉技術による「KRONOS MMR」プロジェクトの推進に取り組む。またNANO社は、「潜在顧客」である米国BaRupOn社が、テキサス州ヒューストン近郊で開発中の700エーカー規模の先進製造・AIデータセンタープロジェクトにおいて、最大15基のKRONOS MMR導入の可能性を探る実現可能性調査を進めていると述べた。

NANOニュークリア・エナジー、World Nuclear News