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新型炉に関する国際情報

2025年9月

仏国SMR(原子力熱利用)

「CEAカダラッシュサイトに熱供給用SMRの設置へ」 Calogena社はフランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)と、同社が開発中の小型モジュール炉(SMR)のCEAカダラッシュ研究センター内への設置と同センターの熱供給ネットワークへの接続の可能性に関する調査を実施する基本合意書(LOI)への署名を行った。ハイテク産業を専門とする仏ゴルジェ(Gorgé)グループの子会社であるCalogena社は、都市熱供給ネットワーク(地域暖房)に需要に応じて70~110℃の範囲の熱を供給することを目的とした熱出力30MWのSMR「CAL30」の開発プロジェクトを実施している。同プロジェクトはフランス2030革新炉プロジェクト公募の第1段階において採択されており、2030年の導入を目指している。

フランス原子力・代替エネルギー庁(CEA)、Calogena、World Nuclear News

OECD/NEA(経済協力開発機構/原子力機関)SMR

「NEA SMR導入の進捗を詳細分析(第3版)」 OECD/NEA(経済協力開発機構/原子力機関)は7月22日、小型モジュール炉(SMR)の世界的な開発・導入状況を体系的に評価した「NEA SMRダッシュボード」の最新版(第3版)を発表した。今回のダッシュボードでは、NEAが特定したSMR計127炉型のうち、公開情報が十分にあり評価可能とされた74炉型について分析を実施。評価にはNEAが独自に構築したSMRデータベースが活用されている。なお、JAEAの高温ガス炉の設計3件(HTTR, GTHTR300, HTR50S)が紹介されている。

日本原子力産業協会、OECD/NEA(経済協力開発機構/原子力機関)

米国SMR(マイクロリアクター)

「Aalo社が実験用モジュール式ナトリウム冷却炉を着工」 米国エネルギー省(DOE)の原子炉パイロットプログラムの支援対象に選定されているAalo Atomics社が、アイダホ国立研究所(INL)に隣接する建設予定地で、同社初の実験用モジュール炉「Aalo-X」の建設を開始した。同社は5基の10MWeナトリウム冷却炉「Aalo-1」で構成される50MWeのデータセンター向けプラント「Aalo Pod」を開発しているが、Aalo-XはAalo-1の実験炉である。なお、これらのナトリウム冷却炉は、二酸化ウラン燃料を用いた熱中性子炉である。

Aalo Atomics、World Nuclear News、米国原子力規制委員会(NRC)

米国新型炉燃料

「Kairos Power社とBWXT社が商業用TRISO燃料製造で連携」 Kairos Power社とBWX Technologies(BWXT)社はKairos Power社が開発するフッ化物塩冷却高温炉(KP-FHR)及び今後の顧客のためのTRISO燃料の商業生産に向けて協力することで合意した。これにより、Kairos Power社のペブル生産能力とBWXT社のTRISO燃料製造経験が結集され、KP-FHR実証プラントHermes2及び今後のKairos Power社製原子炉導入に向けた燃料供給の実現可能性が検討される。

Kairos Power、BWX Technologies、World Nuclear News

米国核燃料サイクル

「オクロ社、テネシー州に燃料リサイクル施設建設など計画、約17億ドル投資」 オクロ社は、テネシー州に燃料リサイクル施設を設計・建設・運営する計画を発表した。これは総額16億8000万ドルを投じる先進燃料センターの第1段階として位置付けられ、この投資は、使用済核燃料をオクロ社の高速炉「オーロラ」向け燃料へ再処理する施設の建設に充てられる。また、同社はテネシー峡谷開発公社(TVA)とも協業機会を模索しており、TVAの使用済燃料を新施設で再処理するとともに、地域内に建設予定の「オーロラ」発電所からTVAへの電力販売可能性を評価する。この連携は、米国の電力会社が現代的な電気化学プロセスを用いて使用済燃料をクリーン電力へ転換する再処理を初めて検討する事例となる。

オクロ、World Nuclear News

米国核燃料サイクル

「Curio社、NuCycle技術に係る実験室規模の実証試験を完了」 Curio社は、米国エネルギー省(DOE)のARPA-E CURIEプログラムおよびGAINバウチャーイニシアチブの支援を受け、アイダホ国立研究所(INL)、オークリッジ国立研究所(ORNL)、パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)、サンディア国立研究所(SNL)と共同でNuCycle技術の実験室規模の実証試験を完了したと発表した。同社は、2027年第4四半期までにパイロット規模のNuCycleモジュールの実証試験を目標としている。NuCycleは、安全保障対策と拡散防止強化をプロセスに組み込んで基礎から設計された初の核燃料リサイクル技術である。

Curio、Nuclear Newswire

米国核燃料

「ウレンコUSA社、第2の新カスケード導入で米国の濃縮能力を拡大」 ウレンコUSA社は、ニューメキシコ州の濃縮施設において、ガス遠心分離機による第2の新規カスケード設備の稼働を予定より早く開始し、低濃縮ウラン(LEU)の生産を開始した。同社は2025年から2027年にかけて、同施設に70万分離作業単位(SWU)の新規生産能力を追加し、工場の生産能力を15%増加する。今年5月に拡張計画の最初のカスケードを稼働させ、数年ぶりに同施設への生産能力増強を実現しており、今回はこれに続くものである。

Urenco USA、World Nuclear News

中国高温ガス炉、原子力熱利用

「世界初の熱電併給原子力プロジェクトの契約締結」 中国核工業集団公司(CNNC)が江蘇省連雲港市で計画している徐圩(Xuwei)原子力発電所の第1期プロジェクトにおける、発電設備部分の建設契約が締結された。同プロジェクトでは、出力1208MWeの中国国産PWR華竜1号(Hualong One)2基と、出力660MWeの高温ガス炉が建設される。ここでは、蒸気熱交換ステーションが設置され、世界で初めて熱電併給運転モードを採用する。華竜1号の一次蒸気で加熱して純水から飽和蒸気が生成され、その後、高温ガス炉の高温の一次蒸気によって、この飽和蒸気をさらに加熱する仕組みとなっている。

World Nuclear News

英国、米国原子力政策

「原子力発電拡大のためのディールへ」 英政府は、トランプ米大統領の同国への国賓訪問に合わせ、英国における原子力発電を拡大するため両国間で新たな協定を締結すると発表した。本合意に基づき、両国政府は原子炉設計審査を迅速化する。一方の国で既に厳格な安全審査を通過した原子炉については、その審査結果をもう一方の国が自国の評価に活用できるため、作業の重複を回避できる。これにより原子力プロジェクトの認可取得期間を約3~4年から約2年に短縮できるとしている。また、これに合わせ米国と英国の企業間でいくつかの協定締結や協力の取り組みが発表された。

英国政府、World Nuclear News

米国、英国SMR(高温ガス炉)

「Centrica社とX-エナジー社、英国初のAMR導入に向け協力」 英国Centrica plc社(以下、Centrica社)と X-Energy Reactor社(米国X-Energy LLC の完全子会社、以下、X-エナジー社)は、英国でX-エナジー社の先進モジュール炉(AMR)Xe-100を導入するための共同開発契約(JDA:Joint Development Agreement)を結んだと発表した。英国において最大6GWeに相当する新しい原子力発電設備を展開する計画の中で、EDF社とCentrica社が所有するハートルプール(Hartlepool)サイトが、最初の導入サイトとして有力な候補地とされている。最大12基のXe-100により、最大960MWeを開発する計画。

X-エナジー

米国、英国SMR(高速炉)

「テラパワー社とKBR社、Natrium炉の英国導入に向け協力」 テラパワー社と米国のエンジニアリング企業KBR社は、Natrium炉およびエネルギー貯蔵システムを英国に導入する取り組みを拡大する意向を発表した。両者は共同で調査を実施し、Natrium炉の導入候補地を評価する。本協力は、テラパワー社とKBR社が今年3月に締結した、Natrium炉の世界展開に向けた戦略的提携に基づいている。

テラパワー

米国核燃料(レーザー濃縮)

「GLE社、レーザー濃縮実証試験を完了」 グローバル・レーザー・エンリッチメント(GLE)社は、ノースカロライナ州ウィルミントンの同社のテストループ施設において、大規模な濃縮実証試験キャンペーンを完了したことを発表、広範な性能データを収集し、同社のレーザー式ウラン濃縮プロセスが商業的に展開可能であるという確信を得たとしている。同社は2025年末まで実証プログラムを継続し、数百キログラムの低濃縮ウラン(LEU)を生産するとともに、米国国内の濃縮能力展開を支援する、国内製造基盤とサプライチェーンの構築に向けて取り組みを進める。

グローバル・レーザー・エンリッチメント

ロシア核燃料(高速炉)

「高速炉燃料の開発状況」 ロスアトムは、西シベリアのトムスク州セベルスクにあるシベリア化学コンビナートにおいて、新型燃料を開発したと発表した。燃料の熱伝導と機械的健全性を高めるため、燃料ピンの燃料ペレットと被覆管の間に液体金属の層(sublayer)を設けた、ウラン・プルトニウム混合窒化物(MNUP)であり、高速中性子炉の効率向上に寄与すると期待される。この燃料は、今後BN-600で試験が行われ、現在建設中の鉛冷却高速実証炉BREST-OD-300で使用される。またロスアトムは、クラスノヤルスク地方ジェレズノゴルスクにある鉱山化学コンビナート(MCC)が、高速炉BN-1200M向けウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料の工業生産における、優先拠点として選定されたと発表した。

World Nuclear News

欧州SMR

「欧州SMR産業アライアンスが行動計画を発表」 欧州SMR産業アライアンス(European Industrial Alliance on Small Modular Reactors)は、今後5年間で実施すべき、10の具体的かつ的を絞った行動を示した初の戦略行動計画を採択した。本計画は、アライアンスの8つの技術作業部会(TWG)の行動計画、プロジェクトベースの作業部会(PWG)の貢献、そして過去1年間にアライアンス事務局が主催した理事会とのいくつかの協議に基づいて策定され、9月1日にブリュッセルで開催された、アライアンスの第2回総会で承認されている。

World Nuclear News

米国SMR(マイクロリアクター、高温ガス炉)

「Valar Atomics社、ユタ州で起工式を実施」 Valar Atomics社は、ユタ州サン・ラファエル・エネルギー研究所(USREL)において、試験用原子炉「Ward 250(*)」の起工式を実施したと発表した。これは、米国エネルギー省(DOE)の原子炉パイロットプログラムに参加する企業としては2社目(**)の起工となる。(*出力約100kWtの高温ガス炉、**1社目は、8月のAalo Atomic社によるアイダホ国立研究所(INL)での10MWe級ナトリウム冷却原子炉「Aalo-X」の起工)

Valar Atomics、Nuclear Newswire

米国SMR(高速炉)

「オクロ社、初のAurora Powerhouseの起工式を実施」 オクロ社は、アイダホ国立研究所(INL)において、初のAurora Powerhouseとなる、ナトリウム冷却高速炉(SFR)「Aurora-INL」の起工式を実施した。同式典には、ダグ・バーガム(Doug Burgum)米国内務長官らが出席。「Aurora-INL」は、米国エネルギー省(DOE)が8月に発表した「新型原子炉パイロットプログラム」にて、初期選定対象となった同社の3つのプロジェクト(1つは子会社Atomic Alchemy社のもの)の1つである。なお同社は2019年に、DOEからEBR-II由来の回収燃料を受領し、その後、Auroraの初期炉心を製造するためのDOE認可の4ステップのうち2ステップを、INLのAurora燃料製造施設(A3F)で完了している。

オクロ、World Nuclear News

米国SMR(高速炉)

「テラパワー社、エバージー社およびカンザス州商務省が、Natrium炉およびエネルギー貯蔵システムの立地可能性調査に関するMOUを締結」 テラパワー社、ミズーリ州とカンザス州に電力を供給しているエバージー(Evergy)社およびカンザス州商務省は、エバージー社のカンザス州サービス地域内におけるNatrium炉およびエネルギー貯蔵システムの立地可能性調査に関する覚書(MOU)の締結を発表した。本MOUに基づき、3者は協力して、将来的な先進原子力発電所の建設候補地における立地固有の特性を評価するとともに、Natriumプラントの技術設計およびエバージー社の顧客支援能力を検討する。

テラパワー、World Nuclear News

米国核燃料

「セントラス社、オハイオ州パイクトンのウラン濃縮工場の拡張計画を発表」 セントラス・エナジー(Centrus Energy)社は、オハイオ州のウラン濃縮工場の大規模拡張計画を、オハイオ州知事、地元選出上下院議員らとともに発表した。同社の拡張計画は、米国エネルギー省(DOE)による資金援助の選定次第で、オハイオ州パイクトンにあるAmerican Centrifuge Plant(ACP)への数千台の遠心分離機追加のための数十億ドルの官民投資となり、低濃縮ウラン(LEU)と高アッセイ低濃縮ウラン(HALEU)の大規模生産が可能になる 。

セントラス・エナジー

米国SMR(高温ガス炉)

「X-エナジー社、アルバータ州における先進SMR「Xe-100」の導入可能性を確認」 X-energy Reactor Company, LLCの子会社であるX-エナジー・カナダ社は、アルバータ州のTransAlta火力発電所を小型モジュール炉(SMR)「Xe-100」で置き換えることの実現可能性を確認する調査を完了した。調査結果は、Xe-100の特性がアルバータ州の産業構造やエネルギー需要と高い整合性を持ち、州のエネルギー経済や将来の国際競争力を支える現実的な選択肢となり得ることを示している。本調査は、将来の展開に向けた計画立案や規制当局との協議の基盤を築くものであり、州政府が拠出するEmissions Reduction Alberta(ERA)の資金提供を受け、TransAlta、Hatch、PCL、Kinectricsの各社と共同で実施された。

X-エナジー、World Nuclear News

米国SMR(高速炉)

「オクロ社、DOE研究所で燃料アセンブリを用いた流動試験を実施」 ナトリウム冷却高速炉(SFR)型小型モジュール炉(SMR)「Aurora」を開発しているオクロ社は、アルゴンヌ国立研究所(ANL)においてプロトタイプ燃料アセンブリを用いた本格的な冷却材の流動試験を実施し、コンピューターモデルの検証や製造パラメータの実証など、燃料アセンブリの生産に向けた実験データを取得した。この試験は、米国エネルギー省(DOE)が企業による革新的な原子力エネルギー技術の開発を支援するために設けた「原子力イノベーション加速ゲートウェイ(GAIN)バウチャー」の下で実施された。

オクロ、World Nuclear News

米国、スウェーデンSMR(高速炉)

「オクロ社とBlykalla社、先進炉の商業化加速に向けパートナーシップを締結」 米国オクロ社(ナトリウム冷却高速炉型SMR開発企業)とスウェーデンのBlykalla社(鉛冷却高速炉型SMR開発企業)は、技術協力、サプライチェーンの調整、規制に関する知識共有に焦点を当てた戦略的パートナーシップを発表した。オクロ社がBlykalla社の次回の投資ラウンドを共同主導し、約500万ドルの出資を行うことが含まれており、両社の協力関係が強化され、先進的原子力の商業化を加速させることになる。共同技術開発契約に基づき、両国における材料、部品、非原子力関連サプライチェーン調達、燃料製造、認可に関するベストプラクティスに関する知見を共有し、協力と調整の強化を通じてコスト削減とスケジュールリスクの低減を目指す。

オクロ、Blykalla

米国新型炉燃料

「米国DOE、先進的核燃料ライン構築に向けたパイロットプログラムの対象として新たに4社を選定」 米国エネルギー省(DOE)は「燃料ラインパイロットプログラム(Fuel Line Pilot Program)」において、オクロ社、Terrestrial Energy社、TRISO-X社、Valar Atomics社の4社を選定した。これは同プログラムにおける条件付き選定の第2弾である(第1弾では、2025年8月にTRISO燃料製造に関してスタンダード・ニュークリア社を選定)。選定された4社の各プロジェクトは、研究・開発・実証目的(DOE原子炉パイロットプログラムに最初に選定された11の原子炉を含む)の燃料供給の確保を目指す。また4社は、DOEのHALEU供給プログラム(HALEU Availability Program)を通じてHALEUの受給を申請できる。TRISO-X社以外の3社は、DOE原子炉パイロットプログラムに選定されている。

米国エネルギー省(DOE)、World Nuclear News

米国、仏国新型炉燃料

「フラマトム社とスタンダード・ニュークリア社、米国を拠点とするTRISO燃料製造合弁会社を設立」 フラマトム社とスタンダード・ニュークリア社は、TRISO燃料および独自開発の先進炉向け製品を商業規模で供給する合弁会社の設立を発表した。スタンダード・ニュークリア=フラマトム(Standard Nuclear-Framatome :SNF)社と命名された合弁会社は、年間2トンのTRISO燃料生産を目標とする。両社は、規制当局の承認を条件に、ワシントン州リッチランドにあるフラマトム社の核燃料製造施設において2027年中の製造開始を計画している。

フラマトム、World Nuclear News