よくあるご質問

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埋設事業の内容等

Q1.埋設事業ってなんですか?

放射性物質や放射線を利用している研究機関、大学、民間企業や医療機関等では、それらの利用に伴い、放射性物質が付着したり、含んでいたりするごみ(低レベル放射性廃棄物)が発生しています。これを研究施設等廃棄物といいます。原子力機構が計画している「埋設事業」は、研究機関、大学、民間企業や医療機関等から発生した研究施設等廃棄物を、安全な方法で地中に埋設処分する事業を言います。

Q2.研究施設等廃棄物ってなんですか?

研究機関、大学、医療機関、民間企業などにおける原子力利用に伴い発生する、放射性物質が付着したり、含んでいたりするごみ(低レベル放射性廃棄物)を研究施設等廃棄物と言います。例えば、放射性物質を取り扱う際に使用した作業着、ペーパータオル、ゴム手袋、プラスチックチューブや原子力施設の解体で発生するコンクリート片、金属などがあります。

なお、原子力発電所から発生する放射性廃棄物は、「研究施設等廃棄物」には含まれません。

Q3.なぜいま低レベルの放射性廃棄物の処分に取り組む必要があるのですか?

研究機関や医療機関などから発生する低レベル放射性廃棄物である研究施設等廃棄物は、現在まだ処分がなされておらず、各事業者が長期間にわたって保管している状況です。今後も放射線や放射性物質を利用する研究や技術開発、産業活動や医療活動など、国民生活に欠くことのできない活動を続けて行くためには、処分を先送りせずに取り組む必要があります。

Q4.なぜ原子力機構が低レベルの放射性廃棄物の埋設処分事業を行うのですか?

低レベル放射性廃棄物の中でも、研究施設等廃棄物は原子力機構の研究活動により原子力機構が埋設する予定の約7割の量を発生しています。また、原子力機構は、原子力の研究開発機関であるため、放射性廃棄物を埋設処分するための技術的な能力があることから、低レベル放射性廃棄物の埋設処分事業を行うことが国によって決定されました。

Q5.原子力機構以外で発生した研究施設等廃棄物はどうなるのですか?

原子力機構は、原子力機構以外の研究機関、大学、医療機関、民間企業などで発生した研究施設等廃棄物についても、処分の委託を受けて同じ埋設施設で処分します。

Q6.埋設処分事業とは具体的にどのようなことをするのですか?

原子力機構が行う研究施設等廃棄物の埋設処分は、私たちの日常の生活や一般の産業活動で発生した廃棄物と同じように地面の中に埋設する方法で行います。ただし、放射能レベルに応じて、トレンチ型コンクリートピット型の二種類の方法の埋設処分を行います。また、埋設処分事業としては、具体的には、埋設処分のための場所を選定し、そこに埋設施設を建設します。その後、廃棄物を受入れて埋設処分し、さらに安全を確保するための管理を長期間にわたって行います。

Q7.埋設施設の大きさは、具体的にどのくらいのものですか?

敷地面積につきましては、埋設施設の規模(全体で約75万本)と能力(年間平均で約1万5千本を埋設可能)などを前提条件として、合理的な埋設施設の設備仕様やレイアウト等の概念設計を行い、100ヘクタール(1平方キロメートル)程度を見込んでいます。

Q8.トレンチ型埋設とコンクリートピット型埋設で管理期間が異なる理由はなんですか?

トレンチ型埋設は、放射能濃度が極めて低いものについて、トレンチ(壕)を掘り、コンクリートピット等を設置せずに、浅い地中に処分する方法で、コンクリートピット型埋設は、浅い地中に鉄筋コンクリート製の施設を設置して処分する方法です。どちらの埋設施設も、放射性廃棄物の埋設が終わった後も、廃棄物中の放射性物質が周りの住民の方々の安全に影響がないように管理します。その管理期間は、埋設する放射性物質の量によって異なります。

トレンチ型埋設施設に埋設する放射性物質の量は、コンクリートピット型埋設施設に埋設する放射性物質の量に比べて少ないことから、管理期間はより短くなります。

Q9.埋設処分事業は、どのような法律によって規制されるのですか?

研究施設等廃棄物は、以下の法令によって規制される施設で発生します。これらを対象とした、原子力機構の埋設処分事業は、原子炉等規制法で規制される見込みです。

  1. 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」(原子炉等規制法)
  2. 「放射性同位元素等の規制に関する法律」(RI規制法)
  3. 「医療法」
  4. 「臨床検査技師等に関する法律」
  5. 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)
  6. 「獣医療法」


なお、RI規制法の規制を受ける施設から発生する放射性廃棄物は、原子炉等規制法の埋設事業者へ廃棄の委託が可能となっています。医療関係法の規制を受ける放射性廃棄物についても、原子炉等規制法の埋設事業者への廃棄の委託や埋設に関する規制は、国で現在検討中です。

Q10.埋設施設はいつ頃できるのですか?

埋設施設を立地する地点の選定については、手続きの透明性を確保し、公正な選定を行うこととしています。このため、埋設処分業務の実施に関する計画(実施計画)に立地基準及び立地手順を策定しています。現在は、この手順に基づいて立地選定を進めるにあたり、立地基準に対する評価方法と立地選定の具体的な進め方を検討しています。

なお、立地について、自治体から了解がいただけたとして、それから環境調査、設計等を行い原子力規制委員会による適合性審査・許可を経た後に埋設施設を建設する見込みです。

Q11.埋設施設はどこにできるのですか?

研究施設等廃棄物を埋設処分する場所は、まだ決まっていません。原子力機構では、手続きの透明性を確保し、公正な立地選定を行う観点から、埋設処分業務の実施に関する計画(実施計画)に立地基準及び立地手順を策定しています。現在は、この手順に基づいて立地選定を進めるにあたり、立地基準に対する評価方法と立地選定の具体的な進め方を検討しています。

Q12.放射性廃棄物が発生した場合、事業者はどこに相談したら良いのですか?

原子炉等規制法の規制を受ける研究施設等廃棄物については、(公財)原子力バックエンド推進センターが、大学・民間企業等の廃棄物委託希望事業者向けの専用ページを設置しています。ただし、放射性廃棄物の引き受けはまだ行われておりませんので、事業者にて現状の安全規制に従った保管管理を継続していただくことになります。

放射性同位元素規制法で規制される研究施設等廃棄物については、許可廃棄業者への廃棄の委託をすることができます。現時点で全国の集荷している事業者は、(公社)日本アイソトープ協会です。

医療法で規制される研究施設等廃棄物については、省令により廃棄の委託先が指定されています。現在は(公社)日本アイソトープ協会が指定されています。

埋設事業の安全性等

Q13.放射性廃棄物はそのままの形で埋設するのですか?

基本的には、廃棄体にして埋設します。具体的には、廃棄物の容積を小さくするため、焼却、圧縮、溶融したり、液体や不燃物などを固型化して安定化させたりして、容器に密封して漏えいしないように処理します。

ただし、施設などを解体して発生する大きなコンクリート片のように、それ以上容積を小さくすることができない廃棄物やもともと安定している廃棄物については、処理を施さないものもあります。

Q14.埋設処分する廃棄体により、私たちの暮らしへの放射線の影響はありませんか?

埋設施設の敷地の外側にいる住民の方々や周辺環境への放射線の量は、法律で基準が定められています。これをしっかりと守って管理することにより、埋設された廃棄体による地域の方々への安全に影響のないよう埋設処分事業を行います。

Q15.低レベル放射性廃棄物とは言え、廃棄体が何十万本も集まったら危険ではないのですか?

低レベル放射性廃棄物(研究施設等廃棄物)は、廃棄体1本当たりの放射性物質の量に限度を決めます。また、埋設施設に埋設できる放射性物質の量も、あらかじめ安全を考慮して限度を定め、この量が守られているかどうか原子力規制委員会による検査を受けます。たとえば、数十万本を埋設できる埋設施設は、その量を埋設しても安全が確保できるように設計し、計画したとおりに操業します。ですから数十万本という量が埋設施設に集まっても、周辺の安全に影響はありません。

Q16.廃棄体の検査は、具体的にどのように行われるのですか?

埋設施設に埋設する廃棄体は、規制基準を満たすように作られているかどうか、原子炉等規制法に基づいて原子力規制委員会による検査を受けます。この検査の項目には、埋設する廃棄体の放射性物質の量が定められた量を超えていないこと、廃棄体が破損していないこと、廃棄体の表面が放射性物質で汚染していないことなどがあります。そして、これらの検査に合格した廃棄体を埋設することになります。

Q17.埋設処分後の安全管理は、どのようにされるのですか?

埋設施設は、放射性廃棄物の埋設が終わった後も、原子炉等規制法に基づいて放射能のレベルが周りの地域の安全に影響がないように管理します。

具体的には、埋設施設の周辺の地下水中の放射性物質の量を測定する環境モニタリングや埋設した場所を巡視・点検したり、掘り返されないようにしたりします。

Q18.廃棄物から放射能が漏れて、地下水などが汚染することはないのですか?

放射性廃棄物を埋設するときは、「天然バリア」や「人工バリア」により、埋設した放射性物質が周りの住民の方々の生活環境へ移行することを十分に抑制するとともに、地域の方々の安全に影響のないように管理します。

また、原子力規制委員会の規制基準への適合性審査により、地下水を含めた周辺環境に対しても十分安全であることが審査されます

Q19.地震や津波などの自然災害による影響はないのですか?

埋設施設を建設する場所については、過去の火山や地震の発生状況などに関する様々な文献の調査や現地での環境調査などにより、地震、津波をはじめとする自然現象の影響が十分小さいところを選定します。そして、その場所の気象や地盤などの環境条件をもとに、安全性を十分備えた設計をします。

また、この後、原子力規制委員会の規制基準への適合性審査により、自然災害に対しても建設場所や設計が十分安全であることが審査されます。

Q20.本当に300年間責任を持って管理できるのですか?

原子力機構は埋設処分を安全に実施する技術能力があることから、国は原子力機構法を一部改正し、埋設処分の事業を原子力機構の仕事としました。私たちは国が定めた法令に従って、責任をもってこの事業に取り組んでまいります。