マレーシアにおける追加議定書申告に関するセミナー・ワークショップの開催(クアラルンプール)
- タイトル
- 追加議定書申告に関するセミナー・ワークショップ(クアラルンプール)
- 開催期間
- 2013年1月30日〜2月1日
- 開催場所
- マレーシア(クアラルンプール郊外、デンキル市)
- 共催機関
- AELB(マレーシア原子力許認可委員会)
- 参加者数
- 57名
概要
2013年1月30日-2月1日の3日間に渡り、マレーシア原子力許認可委員会(AELB)との共催により、「追加議定書申告に関するセミナー・ワークショップ」をマレーシア(クアラルンプール郊外、デンキル市)にて開催した。
本セミナー・ワークショップは、文部科学省(MEXT)の補助金事業の一環としての活動であり、マレーシアが同国と国際原子力機関(IAEA)との間の保障措置協定に関する追加議定書を批准するにあたっての体制整備を支援することを目的とした。本件は、昨年9月のニーズ調査に基づき、実施された。
セミナー出席者は、日本原子力研究開発機構/核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(JAEA/ISCN)とAELBの職員の他に、日本外務省、経産省、IAEA及びUSDOEを含め、マレーシア原子力庁(MNA)、マレーシア国立大学(NUM)、警察(RPM)他約60名であった。また、ワークショップは約20名の実務担当者が参加し、講師陣ともども約30名の規模で実施された。
セミナーでは、IAEAから保障措置、特に追加議定書の拡大申告、補完的アクセスの包括的な説明が行われた。このなかでAP申告は、初期申告後のIAEAとの調整の中で適正化が図られるものであることが強調された。また外務省からは、APの履行を奨励する日本の立場から積極的履行の重要性について解説された。
また、今回のイベントの重要テーマの一つである保障措置と輸出管理の関係に関し、IAEA(核物質・原子力資機材の輸出管理とIAEA保障措置の関連)、経産省(日本の輸出管理システムの核不拡散への寄与)、AELB(マレーシアの輸出管理の状況)から報告があり、活発な議論が交わされた。
ワークショップでは、IAEAによるAPの概括的な講演の後、わが国におけるAPの取り組みが紹介された。さらに、日本のAPトライアルの経験から、いくつかのAP申告の懸案事項が指摘された。また、AP申告に記載すべきR&Dについて、具体的な課題を例示しながら議論を行った。本件は、マレーシアが現在直面している話題であり、活発な議論が行われた。
また、仮想施設を使ったAP申告のデモを演習し、申告用のソフトウエア―の理解・使用方法の習熟が図られた。 その後、補完的アクセスのロールプレイを行った。これは事前通告からIAEAのインスペクターの現場への補完立入りの手続きを模擬するものである。IAEAインスペクターと受入れ側のやり取り等により、CAのイメージを把握するのに効果的であったものと考えられる。
これらのセミナー・ワークショップでの具体的な課題の議論、実際的な演習を含めたトレーニングによりマレーシアのAP批准がスムーズに進行されることが期待される。