ISCN-WINSワークショップ
- タイトル
- ISCN-WINSワークショップ「核セキュリティ強化のための外部機関との連携」
- 開催期間
- 2012年9月4日〜9月5日
- 開催場所
- 日本青年館ホテル(東京)
- 参加者数
- 63名(事業者、規制当局、関係政府機関、研究機関等)
概要
2012年9月4-6日、核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)は、世界核セキュリティ協会(WINS)との共催ワークショップ「核セキュリティ強化のための外部機関との連携」を開催した。本ワークショップでは、国内の原子力事業者を中心に、規制当局、警備当局やその他関係機関等から63名が参加し、核セキュリティにおける関係者間の連携・協力の重要性に焦点を当てて、2日間に渡り議論を行った。
ISCNがWINSと共催でワークショップを開催するのは、今回で二度目である。2012年3月に、「核セキュリティの強化に向けたコーポレート・ガバナンス」をテーマとして第一回目のワークショップを開催している。
ワークショップの冒頭で、規制当局である原子力安全・保安院核物質防護対策室の杉本伸正室長より、日本の核セキュリティ強化の取組み及び事業者の役割について基調講演が行われ、核セキュリティにおける事業者の役割は非常に大きいが、そのためにも規制機関、治安機関との連携強化及びより一層の情報共有が重要であるとの発言があった。
演劇風景
演劇風景
本ワークショップでは、前回(3月)に引き続き「演劇型セッション」と呼ばれるWINS独自のディスカッション・セッションを採用した。「演劇型セッション」とは、役者がワークショップのテーマに応じた様々な課題を包含した特定のシーン(特定の国・施設ではなく、架空の空間を設定)を小芝居の形で演じ、それを基に課題を抽出し、参加者が議論を行うものであり、WINSに特有のセッションである。今回は、2つの関連したシナリオを用いたセッションを行った。
最初の演劇シナリオでは、原子力発電所へのテロ事案が発生する。テロリストはインターネットの公開情報で発電所の敷地情報を入手し、台風の接近に乗じて発電所内に侵入していた。シナリオでは、事件発生前に警備員が施設の防護設備の異常を報告しておらず、結果的に侵入を許してしまったこと、発電所と警備当局との連携不足等の様々な問題が露呈する。
また第二のシナリオでは、テロ事件の発生を後から知った他の原子力発電所が、原子力発電所同士での核セキュリティに関する情報共有の可能性を模索し、国内の原子力事業連合体に動いてくれるよう説得に行くという設定である。
演劇を観た後で、参加者は、ファシリテーターのリードによってグループ・ディスカッションを行い、演劇に含まれていた課題や改善点につき、自分の組織では起こりうることか、どうすれば防げたのか、自分たちの役割は何か等について積極的に議論を行った。
参加者からは、一般的な講演やプレゼンテーションと違い、より現実的な内容で危機感を覚えた、俳優の息遣い等から緊迫感も感じられ、インパクトがあった、具体的な議論に繋げることができて有益であった等のコメントが寄せられ、大変好評であった。
ファシリテータによる進行
会場風景