平成16年3月31日
核燃料サイクル開発機構
敦   賀  本   部
新型転換炉ふげん発電所の第18回施設定期検査の終了について

 新型転換炉ふげん発電所は平成15年3月29日に運転を終了し、廃止措置準備期間に入っています。
 運転終了後も運用する施設の健全性を担保するため、平成15年6月27日より行っていました第18回施設定期検査について、本日、経済産業省から合格証を受領し、終了しました。



1. 定期検査を実施した主な設備
 (1) 原子炉本体
 (2) 核燃料物質の取扱施設及び貯蔵施設
 (3) 原子炉冷却系統施設
 (4) 原子炉補助系統施設
 (5) 計測制御系統施設
 (6) 放射性廃棄物の廃棄施設
 (7) 放射線管理施設
 (8) 原子炉格納施設
 (9) 非常用電源設備
 (10)電気設備

 新型転換炉ふげん発電所は、平成15年5月26日に自家用電気工作物廃止報告書の提出を中部経済産業局に行って、電気事業法上の発電所としての規制を受けないことから、今回の定期検査からは原子炉等規制法に基づく施設定期検査の実施となりました。
 また、今回の施設定期検査期間中に、原子炉内の燃料集合体を全て取り出した後、燃料集合体を再度原子炉に装荷できないようにする措置を燃料交換機に施し、平成16年2月20日、経済産業大臣の承認を受けました。
 これにより、非常用炉心冷却設備や原子炉冷却系等が原子炉等規制法に基づく施設定期検査の対象から除外されましたので、今定期検査の点検・検査項目は、従来に比べ約3分の1に減少しました。


2. 設備の点検工事について
 (1)海塩粒子による応力腐食割れに係る点検 (図−1参照)
 国内プラントにおいて、ステンレス配管に海塩粒子が付着し応力腐食割れが発生した事例に鑑み、運転停止後も運用する設備のうち、海塩粒子が付着しやすい場所にある安全上重要な系統のステンレス配管やタンクについて、塩分量の測定(プール水冷却系配管7箇所と重水冷却・浄化系のA・B重水貯槽各6箇所の計19箇所を選定)を行いました。
 調査の結果、プール水冷却系配管で3箇所、重水冷却・浄化系のA重水貯槽に1箇所、B重水貯槽に1箇所の塩分量が高い部位が確認されたため、当該配管表面及び重水貯槽表面の洗浄を行い、塩分付着量が低い値となったことを確認しました。
 また、当該配管・重水貯槽について目視点検したところ、配管のほぼ全ての溶接部近傍と重水貯槽(3箇所)に僅かな発錆が確認されたため、錆の除去を行い、代表箇所について浸透探傷検査を実施したところ、指示は確認されませんでした。


3. 次回施設定期検査の予定
第19回施設定期検査:平成17年3月〜
以 上