FUGEN

平成15年3月28日
核燃料サイクル開発機構
敦  賀  本  部

新型転換炉ふげん発電所の運転終了について

 新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉:定格出力16.5万kW)は、平成14年度運転計画に基づき、平成15年3月29日に本格運転を終了し、廃止措置準備を開始します。
 今後、約10年間を廃止措置準備期間として、使用済燃料の発電所外への搬出、重水系設備からの重水回収・搬出、「ふげん」の廃止措置計画の具体化に必要な技術開発・研究等を行って、冷却材に軽水を使用した商業炉規模の原子力発電所としては、わが国初の廃止措置という新たな役割を担っていきます。

1.本格運転終了に伴う作業について

(1)運転停止操作
平成15年3月29日
   5時頃:出力降下操作開始
   7時頃:発電機解列
  10時半頃:制御棒を全数挿入
  14時半頃:原子炉停止(モードスイッチ停止)
  (2)本格運転終了後に行う主要作業 (表−1参照)
1)燃料集合体の取り出し作業
原子炉に装荷されている燃料集合体224体を全て使用済燃料貯蔵プール*へ取り出し、 保管いたします。
作業期間は約5ヶ月を予定しています。
*:現在、使用済燃料貯蔵プール(貯蔵容量:730体)には、514体の使用済燃料集合体が保管されています。
取り出し燃料の内訳
混合酸化物(MOX)燃料集合体:104体
二酸化ウラン(UO2)燃料集合体:116体
特殊燃料集合体:4体
2)燃料装荷禁止措置
全燃料取り出し完了後、原子炉に燃料を再度装荷できないようにする措置を施します。
3)蓄積放射能量調査(図―1)
廃止措置準備として、構造物に含まれる放射能量を詳細に評価するため、平成10年度計画停止時より計画的に行なってきた原子炉建屋内及びタービン建屋内への金属箔の取付け・回収について、本格運転終了に伴い、現在取付けられている金属箔(95枚)を全て回収します。

2.廃止措置準備期間中の主要作業(別添表−2参照)

(1)使用済燃料の順次搬出
(2)原子炉冷却系系統化学除染
(3)重水回収及び搬出
重水系統の重水を重水貯槽等に回収し、重水系を乾燥させ保管し、回収した重水は、施設外に搬出します。
(4)プラント調査(コンクリートボーリング作業等)
(5)放射性廃棄物処理設備の増設
セメント混練固化装置、廃樹脂減容安定化処理装置、不燃性固体廃棄物をセメント充填固化体とするための設備等の導入と既存設備の改造を行います。

3.今後の予定

(1)第18回定期検査
運転終了後も原子炉施設の保安を確保するために運転を継続する施設については、従来と同様に定期検査を行います(平成15年6月から約9ヶ月間)。
(2)重水精製装置Iを用いた試験(トリチウム除去試験)
本試験によって得られたデータを原子炉施設重水系の解体計画に反映します。
参考:新型転換炉「ふげん」発電所の経緯及び運転実績
以  上