新型転換炉ふげん発電所の出力変更について(原因と対策)
新型転換炉ふげん発電所(定格出力16.5万kW)は定格出力運転中のところ、8月28日午前10時50分にB-循環水ポンプ*が自動停止したため、原子炉出力を手動で低下させ、10時57分、電気出力15.2万kW(定格出力の92%)で出力を保持し、運転継続しました。
その後、さらに余裕をもって運転できるように同日18時より原子炉出力を降下させ、18時48分、復水器真空度が約700mmHg(B-循環水ポンプ停止前の値)に到達し、原子炉出力を保持しております。
電気出力は10.0万kW(定格出力の60.6%)、原子炉出力は66.5%で安定しております。
* 循環水ポンプ:
タービンを回転させた蒸気を冷却して水に戻すため、海水を汲み上げて送水するポンプ。「ふげん」にはA、B2基の循環水ポンプがあります。〔平成14年8月28日発表済〕
1.点検・調査結果
点検の結果、B-循環水ポンプは、保護継電器*が動作して自動停止しており、保護継電器の動作表示では、短絡(ショート)電流が流れたことを示していました。
このため、電源ケーブルの点検を実施するとともに、B-循環水ポンプのモータを取り外し詳細調査を実施しましたが、短絡が実際に起こった形跡は認められませんでした。
また、短絡を検知した保護継電器についても調査を行いましたが、劣化や故障は見られず、動作も正常であることを確認しました。
* 保護継電器:
2.推定原因
電気機器を保護する目的で、異常な電流や過負荷を検知する装置。
調査の結果、ポンプのモータ、保護継電器、電源ケーブル等の電気回路に異常は認められませんでしたが、保護継電器の動作により自動停止に至っていることが明らかであるので、保護継電器の接点に塵埃が付着したこと等により、保護継電器の一過性の誤動作が生じたものと推定しました。
3.対策
今回、異常の認められなかったポンプモータ、電源ケーブル等はそのまま継続して使用することとし、誤動作が生じたと推定される保護継電器については新品に取り替え、復旧しました。
今後、保護継電器の点検作業においては、塵埃対策を強化します。
本日、B‐循環水ポンプの試運転を実施し、正常に運転できることを確認しました。
なお、本日18時頃から出力を上昇させ、9月27日1時頃、定格出力に復帰する予定です。
以 上