FUGEN

平成14年5月31日
核燃料サイクル開発機構
敦  賀 本  部

新型転換炉ふげん発電所の原子炉起動と調整運転再開について
(燃料集合体漏えい対策後の起動について)

新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉原型炉:定格電気出力16.5万kW)は、平成14年1月7日より第17回定期検査中ですが、定格出力で調整運転中の4月17日に燃料集合体の漏えいが推定されましたので監視を強化しながら運転を継続していたところ、4月21日に排気筒ガスモニタ指示値が上昇していることが確認されましたので、同日12時31分、原子炉を手動で緊急停止いたしました。
翌22日から漏えい燃料集合体の特定調査を行い、1体の燃料集合体(特殊燃料集合体)の漏えいが確認され、残りの燃料集合体には漏えいしていると判断されるものはなく、健全であると判断されました。
漏えいした特殊燃料集合体については、圧力管から使用済燃料貯蔵プールに移送し、水中検査装置により燃料棒の外観および寸法検査を実施したところ、異常は認められませんでした。
また、当該特殊燃料集合体の製造記録、取り扱い履歴等を調査した結果、特に問題はありませんでした。
これらのことから、今回交換等の作業を実施いたしました。
なお、本件による環境への放射能の影響はありませんでした。
 

*特殊燃料集合体:

圧力管材料試験片を組み込める構造となっているウラン燃料集合体。圧力管材料試験片は炉内で照射され、材料の健全性を確認している。

[平成14年4月18日、21日、22日、25日、26日、5月17日発表済]

対策として、漏えいした特殊燃料集合体は取り出し、別の特殊燃料集合体(再使用)を装荷いたしました。
また、原子炉出力の平坦化のため、MOX燃料集合体1体を新しいウラン燃料集合体に取り替える作業を行いました。
  これらの作業が完了したので、6月3日夕刻から原子炉を起動し臨界とした後、6月4日午後から定期検査の最終段階である調整運転を開始する予定です。
その後、出力を徐々に上げながらプラント性能の確認を行い、6月下旬頃には国の最終検査を受けて本格運転を再開する予定です。
なお、原子炉起動及びその後の調整運転再開にあたっては、気体廃棄物処理系モニタ指示値、冷却材中よう素濃度について監視の強化を図ることとします。

次回定期検査等の予定
・平成14年度計画停止 平成14年11月

以 上

添付図:系統概略図、燃料集合体配置図、特殊燃料集合体概略図