FUGEN

平成14年4月10日
核燃料サイクル開発機構
敦  賀 本  部

新型転換炉ふげん発電所の原子炉手動停止について
(原因と対策)

新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉:定格出力16.5万kW)は、平成14年1月7日より第17回定期検査をしておりますが、定期検査の最終段階である調整運転の開始に向けて、4月8日6時00分に原子炉起動、8時22分に臨界とし、22時45分にタービンを起動いたしましたが、23時頃タービンの衛帯蒸気(グランド)蒸気入口圧力計検出配管の継手部から微量の蒸気漏えいが認められました。
このため、原子炉を停止し、当該箇所の補修を行うこととし、4月9日0時45分から原子炉の出力降下を開始し、5時04分原子炉を停止しました。
なお、本件による環境への影響はありません。
:タービン内部からの蒸気吹き出しや外気の吸込みを防ぐため、主蒸気の一部を利用してタービン軸封部に供給している蒸気。

[平成14年4月9日記者発表済]

1.点検結果

蒸気漏えいが認められた圧力計検出器配管の継手部は、配管同士を袋ナットのネジ込み構造で接続しているが、今回、この配管とナットとの隙間から漏れが生じていました。
継手部を点検した結果、ネジの締め付けにゆるみ(約1回転分)が生じており、接続部の当たり面チェックは片当たりの状況であった。
当たり面の外観及び浸透探傷検査(PT)を行った結果、傷や欠け等の欠陥は認められませんでした。
同一形状の継手部3箇所について点検した結果、今回漏えいが認められた低圧タービンのもう一方の継手部でもわずかなにじみが認められました。
この継手部は、袋ナットの締め付けは問題ありませんでしたが、接触面の当たり面が小さい箇所が認められました。 また、今回、蒸気漏えいが認められた継手部近傍には、タービンの軸受部があり、狭隘で、継手部の袋ナット締め付けをしにくい状況でした。

2.推定原因

蒸気漏えいの原因は、今定期検査で継手部を組立てる際、継手部当たり面の手入れと袋ナットの締付けが十分でなかったため、タービン起動後に漏れが発生したものと推定されます。

3.対策

継手部については、当たり面の手入れを十分に行うとともに、特殊工具を作成し、確実に締付を行い復旧いたしました。
その後、タービンのグランド部に補助ボイラーからの蒸気を通気し、継手部に蒸気の漏えいやにじみがないことを確認いたしました。
今後、原子炉の起動準備を行い、本日夕刻に原子炉を起動し、臨界とした後、4月12日0時頃に発電を再開し、調整運転を開始する予定です。

添付図:タービン衛帯蒸気系系統概要図(タービン軸封系)・漏えい箇所説明図
ネジ継手構造図・当り面の点検結果