FUGEN

平成12年6月9日
核燃料サイクル開発機構
  敦  賀  本  部
旧ソ連型原子炉の漏えい感知システム開発で
米国機械学会から「ベスト技術論文賞」を受賞

今年4月2~6日に米国ボルチモアにて開催された「第8回原子力工学国際会議(ICON-8)」 において、旧ソ連型原子炉(RBMK炉)に対する技術協力の成果をまとめた技術論文が「ベスト技術論文賞」に選ばれ、このほど主催者の米国機械学会から、セルゲイ・シマンスキー国際特別研究員(新型転換炉ふげん発電所)、森下喜嗣副主任研究員(国際技術センター)らに表彰状が届けられました。

同論文は、サイクル機構が新型転換炉「ふげん」のために開発した音響漏えい検出技術をベースにした「耐高温マイクロホンを用いた配管漏えい検知システムの開発」に係る日露協力プロジェクトの成果をまとめたもので、サイクル機構、(株)ペスコ、(株)日立製作所、ロシアNIKIET(ニキエット)研究所およびレニングラード発電所が共同で受賞しました。

このプロジェクトは、チェルノブイリ事故を契機としたRBMK炉の安全性向上のために日本とロシアの政府間合意に基づき実施されたもので、冷却水の漏えいに伴って発生する音をマイクロホンによって検出するシステムの開発に関するものです。
「ふげん」用に開発された技術をRBMK炉に適用するために、マイクロホン機器の開発や微小漏えい音の検出、漏えい位置や漏えい流量の判定を行う信号処理技術を開発し、レニングラード発電所に実際に同システムを設置して性能を実証し、RBMK炉への適用性を評価しました。

本論文は、科学技術庁が(株)ペスコに委託し、サイクル機構が協力して行った日露協力プロジェクトの成果を1)システム開発、2)性能評価試験 の2件シリーズで発表したものであり、後者が受賞対象となったものです。

以上