FUGEN

<別紙>
 

定期検査期間中に発生した安全協定に基づく異常事象

 

(1)原子炉停止操作中の「B−自動スクラム」警報の発信(1月8日発生)
 発電停止後の、原子炉停止操作中、運転モードを「運転」から「起動」に切り替えた際、「B−自動スクラム」警報が発信しました。
 原因は、原子炉スクラム回路に使用している補助リレー等の接点の一時的な接触不良が生じたためと推定されました。
 対策として、当該補助リレー等を新品に取り替え、異常のないことを確認し7月19日復旧しました。

(2)タービン建屋地下2階(管理区域内)における海水漏えい(1月11日発生)
 主復水器水室マンホール開放作業時に、循環水管内にあった約500mの海水がタービン建屋地下2階の主復水器下のピット等に漏れ出しました。
 原因は、循環水管内の海水を抜く作業の開始が遅れていたが、その遅れを確認せず水室マンホール開放作業を開始したため。
 対策として、作業開始前の系統状態の確認を確実に実施することを周知徹底するとともに、社内教育の徹底を図りました。

(3)燃料交換機スナウト位置検出器の損傷(2月1日発生)
 燃料交換のため燃料交換機位置決め調整中、燃料交換機のスナウト(先端上昇部)を上昇させたところ、スナウト上部の位置検出器が圧力管の下部と接触し、損傷しました。
 原因は、燃料交換機の位置を十分確認せず、スナウト部を上昇させたため。
 対策として、当該検出器を新品に取り替え、スナウト部でのインターロック機能の改善を図るとともに、全職員に相互連絡、指差呼称等の徹底を図りました。

(4)主変圧器用遮断器の損壊(2月4日発生)
 主変圧器C相遮断器の碍子先端部が損傷し、内部の導体が外に抜け出ました。
 原因は、碍子が、製造時の焼成不良と使用中の雨水侵入により碍子の材質強度低下及び体積膨張が生じ、金具下端部付近に過大な応力が加わったためです。
 対策として、主変圧器用遮断器の碍子をすべて新品に取り替えました。

(5)燃料交換機スナウト排水系統からの燃料交換プール水の漏えい(3月18日発生)
 燃料交換機グラブ機構の昇降試験を行っていたところ、「燃料交換プール水位異常」の警報が発信し、プール水が燃料交換機排水系から建屋内に漏れました。
 原因は、スナウト排水弁の開閉試験動作後に、通常とは逆の制御状態(開)で弁が復旧されており、この状態で燃料交換プールと燃料交換機を接続したためです。
 対策として、燃料交換プールとの接続弁に、スナウト排水系統とのインターロック機能を追加するとともに、グラブ昇降試験前には、スナウト排水系統等の状態確認を確実に行うことを要領書に明記しました。

(6)再循環ポンプB号機の試運転時における不具合(4月7日発生)
 原子炉冷却材再循環ポンプの組立後の試運転を実施中、シール注入系で「B−熱遮蔽差圧高」警報が発信しました。
 原因は、組立作業時に、熱遮蔽装置が主軸に対して僅かにずれた状態で本体に組み込まれたことから、試験運転時に、フローティングリングとスリーブが接触し、シール水の流路抵抗などが増加したため。
 対策として、損傷傷が認められた部品を交換するとともに、今後、熱遮蔽装置を本体に組み込む際には、専用治具を用いて間隙確認を行うこととしました。

(7)重水精製装置II エリアトリチウムモニタ等の上昇(7月2日発生)
 重水精製装置II の運転中、循環液フィルタ付近から重水が漏れていることを確認しました。
 原因は、本年4月のフィルタエレメント交換時に、ガスケットが本来セットされるべき位置から外周にずれてセットされたため、循環ポンプの起動後の運転による内圧により、ガスケットの円周方向の一ヵ所が外にはみ出して、その位置から重水漏えいに至ったものと考えられました。
 対策として、ガスケットが正規の位置に確実に取り付けられるよう当該フランジ部の構造を変更することとしました。

ふげんの今後の運転計画と実施工程案