22.「たらのき」

たらのき

山菜の王者と言われている。幹に棘をつけ我が身を護っているが、人間には敵わず「ポキリ」と折られて芽を摘まれてしまう。その新芽の天ぷらは絶品であるために、高級料理屋の一品に加えられる。敦賀では、その昔あまり人々の好みに合わなかったのか雑木林の中にたくさん植わっていて、簡単に手に入ったのであるが、最近は開発のために周辺から姿を消してしまった。そして、人々の好みに合ったのか、スーパーで「パック」詰めの高い値段が付けられている。
やはり、大きい木の新芽の方が食べてもおいしい。そのためか、心ない人が多くなったのか、山でばっさりと切られている木を見ることが多くなった。地図にその所在地を示すのは禁手なのであるが、これを見て容赦なく採っていくのは止めていただきたいと思っている。
その道の採取者は全部を採らない。全部採ってしまうと次の芽は硬くなり、ある程度残しておくと翌年も柔らかい芽を食べることができる。「たらのき」はそうやって自衛しているのであるが、これも最近の人は味覚が違う人種になってきたのであろうか、無惨な姿を見ることが多い。