トリチウムの測定・評価方法

トリチウムはγ線を放出せず最大エネルギーが18.6keVの弱いβ線のみを放出する核種であるため、測定対象ガスを電離箱内に導入して測定します。
あるいは、凝縮水の状態にしてから液体シンチレーションカウンタで測定する必要があります。
特に空気中のトリチウム濃度の測定については、簡易かつ高感度に実施するための方法を、「ふげん」で開発、最適化してきました。
この中でも、膜分離式トリチウムモニタについては、「ふげん」が独自に開発してきたものです。
その原理は、水分のみを透過する中空糸膜に測定対象の空気を透過させ、膜を透過した後の水蒸気状トリチウムを電離箱で測定するものであり、ラドン・トロン等天然核種の影響を低減させ水蒸気状トリチウムを高感度で測定できるのが特徴です。
このモニタは「ふげん」の主排気筒及び重水精製建屋、廃棄物処理建屋の排気筒トリチウムモニタ、重水精製建屋のエリアトリチウムモニタとして使用しています。

膜分離式トリチウムモニタの概念図