遠隔自動検査装置の開発
開発内容
入口管・上昇管群の供用期間中検査及び圧力管検査について、検査装置の取り扱いから検査作業取り扱いまで一貫した遠隔自動化を図りました。
ここでは、圧力管検査装置について御紹介いたします。

(1)圧力管の検査技術と健全性評価
「ふげん」の主要機器・配管は、定期的に検査を行い、健全性の確認を行っています。
この検査を供用期間中検査(ISI)と言います。
このうち、圧力管材料であるジルコニウム・ニオブ合金(Zr-2.5wt%Nb)は、原子炉容器の材料として我が国で初めて採用したため、圧力管内径の寸法計測・超音波探傷及びテレビカメラによる内表面観察を定期的に行い、当初の設計の妥当性を評価し、健全性を確認しています。
このため、「ふげん」では、燃料交換機を利用して、圧力管に取り付け遠隔で自動検査が可能な圧力管検査装置を独自に開発して、圧力管の各種検査に使用しています。
本装置を使用した検査により、圧力管の健全性が確認されるとともに、圧力管クリープ歪み量の測定結果も、設計評価予測値と非常に良く一致していることで圧力管設計の妥当性も確認しています。
(2)圧力管材料照射後試験の健全性評価
圧力管材料の健全性評価は、圧力管検査装置による他、原子炉内で照射している試験片でも行っています。
試験片は、これまでに第4、8、10、12及び14回定期検査時に取り出され、大洗工学センターで各種の材料試験を行い、圧力管の引張強さ、破壊靱性値及び水素吸収量等の材料特性が設計範囲を十分満足していることを確認しています。

圧力管検査装置の概略
圧力管検査装置の主要仕様
内表面観察装置(VT) | ■検査機能 1. 内表面肉眼検査(VT)
■使用条件
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超音波探傷検査・内径測定装置(UT・ID) | ■検査機能 1.超音波探傷検査(UT)
2.内径測定(ID)
■使用条件
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圧力管検査によるクリープ歪み量と中性子照射量の関係