原子炉給水系に微量の亜鉛イオンを注入すると、被ばくの原因となるCo-60等の放射性核種の配管への付着・蓄積が抑制され、原子炉冷却系配管等の線量当量率上昇が抑えられます。
「ふげん」では、プラントの線量当量率上昇を抑制する技術として昭和63年から亜鉛注入技術に着目し、ステンレス配管への放射性核種の付着抑制効果を確認するための試験、亜鉛注入水質下における炉心構造材材料の健全性確認試験及び短期亜鉛注入試験によるプラントへの影響確認試験等、亜鉛注入による放射能蓄積抑制技術の開発に取り組み実用化を進めてきました。
亜鉛注入技術は系統化学除染と組み合わせて実施することにより、効果的で恒久的な被ばく低減対策となります。
このことから、原子炉冷却系の系統化学除染を実施した第15回定期検査後の原子炉起動初期より、本格的な亜鉛注入を開始し、放射能蓄積抑制効果を確認することにより、亜鉛注入技術を実証していくこととしています。